危険物取扱者乙種4類講座の講師ブログ

事故時の措置とは

みなさん、こんにちは。
フォーサイト専任講師の姥谷です。

前回は、各種命令のうち許可の取消しと使用停止命令をご紹介しましたので、今回は、いよいよ危険物に関する法令科目として最後のテーマである「事故時の措置」についてご紹介していきたいと思います。

これまでこの危険物に関する法令では、いかに危険物によって発生する災害を防止するか。つまり、予防の観点から各種の制度を見てきました。

しかし、どのような予防を講じていたとしても、危険の発生を完全に防止することはできないのは、ニュースなどで伝えられるとおりです。

そのため、一度、事故が発生してしまうと、今度は、「いかに危険の拡大をくいとめるか」という事後的な内容になります。

これが、今回ご紹介する事故時の措置になります。

○事故発生時の応急処置
事故発生時の応急措置
①製造所等の所有者等は、製造所等について、危険物の流出その他の事故が発生したときは、直ちに応急の措置を講じなければなりません。なお応急措置の内容は以下の通りです。
▪引き続く危険物の流出の防止
▪流出した危険物の拡散の防止
▪流出した危険物の除去
▪その他災害の発生の防止のための応急の措置

②市町村長等は、上記の応急措置が講じられていないと認めた場合は、所有者等に対し応急措置を講じるよう命令することができます。

このように事故が一度、発生すると製造所等の所有者等には応急措置が求められ、その措置が不十分な場合は、市町村長等による応急措置命令が出されることになります。
また、「いかに危険の拡大をくいとめるか」という点に注目すると、以下のように製造所等の所有者等のみならず、事故発見者にも義務が課せられています。

○事故発見者の通報義務
事故発見者は、直ちに消防署等(消防署、市町村長の指定した場所、警察署又は海上警
備救難機関)に通報しなければなりません。

危険物に関する法令では、製造所等の所有者等に様々な義務を課すことで、危険の発生を予防とするのが、危険的な考え方ですが、事故時の措置においては、事故発見者にも危険の拡大防止の観点から通報義務が課せられているのが、他にはない大きな特徴です。

今回、「事故時の措置」についてご紹介したことにより危険物に関する法令の科目においては、一通り内容をご紹介したことになりますので、次回は、「各種命令」の過去問についてご紹介していきたいと思います。