☆はじめに☆
大学生の方から、特にこのご相談をうけます。
現状、新卒採用というのは大きなイベントですから、進路選択に悩むのももっともでしょう。
☆このページの内容☆
■民間企業と行政の存在理由
■行政が提供するものとは?
■民間・行政両方が提供しうるサービス
■まとめ
■民間企業と行政の存在理由
そもそも、民間企業と行政では、仕事の性質が異なります。
行政の仕事は、民間に任せておいては供給されないようなサービスが中心になります。
ざっくりまとめると、次のように言えます。
例えば、具体的に「このような自動車を開発したい」という希望は公務員のオシゴトでは、きっとかないません。
行政がやらなくても、世界中の自動車会社が営利を目的として自動車を販売しているからです。
この場合に、その方に公務員の受験を勧めるのは無責任です。
新製品の開発・技術革新を起こすというのは民間企業独自のものと言ってよいでしょう。
また、公務員は人事異動が多いので、「その商品だけ一筋30年!!」という志は満たせない可能性が高いことは、十分に踏まえておくべきです。
■行政が提供するものとは?
一方で「行政しか提供しない」ものもあります。
いくつか具体例を挙げて検討していきましょう。
民間に任せておくと供給されないモノ」とはすなわち、公共サービスです。
①道路や河川管理、義務教育
例えば、現在、車の走る道路の保全は行政が担っています。
国道や県道というのがありますよね。道路という商品の性質上、「あなたは何メートル走ったから○○円だけ払ってください」というのは難しいので行政が提供する必要があります。
②二つ目は、国防安全に関するものです。
「お金を払っていなかったから、火事のときに消火活動をしてもらえなかった」では困りますよね。
ある一軒がお金を払っていなくて、延焼してしまうのでは住民が安心できません。等しく、消火サービスを受ける機会が必要です。
したがって、以上をまとめると、民間企業と行政のサービス内容の違いは次のようになります。
■民間・行政両方が提供しうるサービス
見方によっては民間企業および行政、どちらからでもアプローチすることが可能なものもあります。
「公園」なんてのは自治体が運営しているところが多いのですが、お金を払って入ったことはないはずです。
一方で、テーマパークはお金を払って入りますよね。
ヒトの生活を快適に・活気あるものにするという商品の性質に共通する点はあるものの、民間企業・行政どちらも提供しています。
とはいっても、これはあくまで現時点の判断しかできません。
時代が変われば、民間に任せていたものが行政の役割になったり、逆に行政が担っていたものが民間のサービスとして提供されるようになったりということは起こります。
郵政民営化によって、「郵政省の一部が民間へ」というのは後者の例です。
他にも、「保育園や福祉施設を民間で」というのもひとつの流れと言えるでしょう。
水道の民営化なんて声も聞かれますよね。
■まとめ
サービスの性質上、民間企業がメインあるいは行政がメインという分類は確かに存在します。
現時点で、顧客を特に区別することなく、広く住民全体に喜んでもらいたいというのであれば、公務員を中心に据えておくのがいいのではないでしょうか。