公務員試験対策講座の講師ブログ

公務員試験における得意科目とは

☆はじめに☆
得意科目と苦手科目。
合格者体験記には必ず書いてありますし、すべてが得意という
受験生もすべてが苦手という受験生もいないことでしょう。

それでは、公務員試験では、
「特にこの科目を得意科目にすべき!」というのがあるのでしょうか?

☆本稿の内容☆

■大学受験と公務員試験の違い

■数的処理を得意科目とすべきか?

■得意科目の活用方法

■まとめ

■大学受験と公務員試験の違い

大学受験では、例えば、英語が得意であれば、
英語の配点が高い受験先に絞って、
よりレベルの高い受験先にいくというのはありうる話です。

しかし、公務員試験ではどうでしょうか。
配点が受験先によって大きく異なるということもありません。

あなたの志望先の問題水準と配点は決まっていて、
その際、8割とれる科目を9割にすることは有益とはいいがたいものです。

具体的に、5点中4点取れるものを4.5点取れるようにするのは0.5点分です。
しかし、捨て科目であった0点のものを1点にすれば1点分の追加です。

公務員試験はあくまで採用試験であって
要求するバランスの理想像が配点で設定されています
(もちろん、小論文や面接も含みます)。

ですから、必要とされるバランスを作ること、すなわち、
「欠点を減らすこと」が「得意科目でぶっちぎるということ」よりも
優先されるのではないか?というのが私の見解です。

また、公務員試験は極めるべきものではありません。

「数学をきわめて、研究者としての道筋を開きたい」というのも、
大学受験においては素敵な理由でしょう。

地元の地方自治体に勤務したい、消防士として勤務したい、
という志望があるにもかかわらず、一科目得意になったからと言って、
長期的に国家総合職を受けてみようと考えるでしょうか。

「勉強が楽しくなってきたから2浪してでも医学部に行きたい」という方はいても、   「公務員試験の勉強が楽しくなったから2浪して 「公務員試験の勉強が楽しくなったから2浪して国家総合職を目指そう」という方には、お会いしたことがありません。

就職先選びですから、公務員試験はその自治体、
あるいはその職種につきたいという希望があるからからこそ、スタートするはずです。

■数的処理を得意科目とすべきか?

数的処理の配点は高いですが、では、学習のコストパフォーマンスが         必ず高いのかと言えば、人によってはそうとも言い切れません。

「判断推理がとっつきやすかったから、数的処理を得意科目に!」と思っても、    そもそも、速さや確率に苦手意識のある場合、それを含めて、かぎられた学習期間で  数的処理という科目全体を得意にしようというのは少し難しいかもしれません。

あくまで、全体のバランスを意識して学習を進める必要があります。
そもそも、自分の得意科目で解きやすいレベルの問題が出るとは限りません。

問題のレベルとしては大きく

①解けなきゃ困る

②解けると有利

③解けなくてもいい

に分類できますが、 捨て科目にしていたものが①解けなきゃ困るレベルの       イージー問題であったり、 一方で得意科目としてあてにしていたもの
③解けなくてもいい難問で埋め尽くされていたりという状況もないとは言えません。

そう考えると、得点個所をなるべくばらしておくというほうが
リスク回避という点でも合理的です。

得意科目が数的処理である必要は一切ありません
(もちろん得意になってもらえると嬉しいですけど…)。

■得意科目の活用方法

確かに、得意科目は自信がつきます。
これは意識して作る必要がなくても、自然とできてくるものです。

スランプに陥ったとき、あるいは勉強が進まないとき、
こんな時に手を止めてしまってはそのまま試験勉強そのものから
ドロップアウトしかねません。

スランプは必ず来るものです。

体調面やあなたを取り巻く、周囲の環境を含めて、
常にベストコンディションとはいかないことでしょう。

そんな時、得意科目はあなたを助けてくれます。

「リズムを取り戻すために得意科目を解き、自信を回復する」
なんてのが得意科目の最もいい活用法だと言えます。

■まとめ

得意科目は意識して作らなくてもよい。
自然とできたものを得意科目として活用する。

得意なものをさらに得意にするよりも、苦手科目を減らす。

シンプルにまとめるとこうなります。

あくまで採用試験の時点では、何かでぶっちぎるというよりも、
きっちりバランスを作っていくというほうが戦略として合理的だと思いますよ。