公務員試験対策講座の講師ブログ

公務員試験にメネラウスの定理は必要か?

他社の問題集や模擬試験を受けて、メネラウスの定理を使った解説に出会った方もいらっしゃるかと思います。

では、覚えないといけないのでしょうか?

定理や公式の確認は重要ですが、公式の暗記大会のような学習はオススメできません。

例えば次の問題を見てみましょう。

次の図のように,一辺が12cmの正三角形ABCの,辺ABの中点をD,辺ACを2:1に内分する点をEとし,頂点BからEへ,頂点CからDへそれぞれ直線を引き,その交点をFとしたときにできる三角形CEFの面積はどれか。

フォーサイト問題集より

そもそも、メネラウスの定理は平行線と線分の比の理論を、特殊な形状の図形にのみ使用できるものです。

ですから、平行線と線分に関する基本的なことがきちんとわかっていれば、不要だと個人的に考えています。

実は、この問題も、たたき台の原稿をいただいた時点ではメネラウスの定理を使っていたのですが、不要だと判断して解説を変えた経緯があります。

EからABに平行になるような直線EGを引いてあげれば、「いつもの形」が浮かび上がってきますよね。

そうです、①ピラミッド型、と②リボン型(チョウチョ型)の平行線と線分の相似パターンです。

念のため、解説を挟んでおきます。興味のない方はとばしてください。

①ピラミッド型に着目します。

△EGC∽△ADC

EC:AE=1:2ですから、△EGC∽△ADC この相似比はEC:AC=1:3になります。

よって、EG:ADも1:3になります。

ここで、AD=12÷2=6であることから、

EG=2だと言えます。

さて、∠DAC=∠GEC=60°

∠ADC=∠EGC=90°より、EG:GC=1: √3

よって、EG=2より、GC= 2√3

△EGCの面積は

2× 2√3×1/2=2√3

となります。

②リボン型(チョウチョ型)

△FDB∽△FGEですが、この相似比はDB:GE=6:2=3:1です。

よって、FD:FGももちろん3:1

さて、CD=6ですから

DG=6√3CG=4

FD:FG=3:1よりFG=1

△EGFの面積は1×2× 1/2=1

よって、問われている△CEFの面積は

△EGC+△EGF=3√3

だと導けます。

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何年も前の記憶を「高校のときにやったよね」のひとことで思い出すのは困難です。

そもそも試験全体で覚えることが多くて嫌になるのですから、なるべく覚える作業は減らしたいものです。

ちなみに、国家総合職の数的処理の問題でもメネラウスの定理を使って解けるものが出題されてはいます。

しかし、それについても上記の①ピラミッド型、と②リボン型(チョウチョ型)がきちんと使いこなせていれば解けるものでした。