公務員試験対策講座の講師ブログ

推論の妥当性とは?

命題の論点の一形式で推論の妥当性を判定する問題があります。
過去、国家総合職採用試験での出題が見られますが、
きちんと命題を押さえていれば対応が可能です。

まずは、シンプルな形で確認しておきましょう。

Q A∧BならばCであることが真である。
このとき、Cであることがわかれば、A∧Bであったと言える。

A  誤り。A∧B→Cが真だとしても、
C→A∧Bが真であるとは確実には言えません。

上記のQのような肢が5本並んで、推論としての妥当性が
正しいものを選択するのがここで述べる「推論の妥当性」という出題分野です。

「なんだ、命題の論点のテキストレベルじゃん」と
思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。

おっしゃる通り、シンプルな例で
骨組みをむき出しにしてしまえば、さほど苦労することはありません。

しかし、実際に出題されるとき例えば上記の問題は次のようになります
(注:僕が作ったオリジナルなので、実際の過去問とは異なります)。

Q:ある研究所では新薬を開発しており、成功率の測定をおこなっている。
その測定データを分析した結果、開発費が2億円以上であり、
なおかつ開発期間が1年以上確保されている場合には新薬の開発に
必ず成功するということがわかっている。

この研究所で、この度、新薬の開発に成功した。
この新薬の開発には2億円以上の資金と、
1年以上の開発期間が確保されていたという推論が成り立つ。

構造としては、冒頭のクエスチョンと全く同じです。
「情報量が多くなっても、それを解きほぐしていく知的体力が
追加で要求されている」といったところでしょうか。