旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

国内観光地理:ここがキモ!

他の科目・分野と違って、地理分野は範囲が大変広いためにヤマが張りにくい分野です。意図的な難問・奇問も出されるので、高得点は期待しづらいものです。
そのため、運賃料金分野でできるだけ点を稼ぐことが、「国内旅行実務」科目の合格点クリアのために大切です。

しかし、地理でまったくヤマが張れないわけではなく、ゆる〜いヤマは張ることができます。それは、過去の出題傾向から、よく出るテーマ、よく出る都道府県などを重点的に学習することと、2年以上前の過去問題を4〜5年分、しっかりと復習することです。とりわけ過去問題は大変効果的です。試験直前は、これに徹しましょう。

今回は、最近5年間の国内旅行業務取扱管理者試験の出題傾向をもとに、ヤマを張るポイントをご紹介します。なお、講座をご受講の方は、「入門講座」テキストに出題傾向が詳しく載っていますので、ぜひご覧ください。

★主な出題テーマ

1.温泉

国内旅行の大人気観光地であり、試験でも毎年出題されています。一口に温泉といっても、全国に数千ヶ所もありますので、ヤマを張るのは、やはり過去に出題されている温泉地です。単に温泉名を覚えるだけでなく、近隣の観光地や名産品も併せて覚えましょう。

2.自然景観

過去5年間の累計で、出題の多い順に並べると以下の通りです。上位のテーマは毎年出題されています。④の国立公園は、他のテーマと重複する場合がほとんどです。

①河川・峡谷・渓谷 ②島 ③海・海岸 ④国立公園 ⑤山 ⑥高原・大地・湿原 ⑦湖沼 ⑧岬 ⑨滝 ⑩鍾乳洞・洞窟

3.歴史・文化・民俗芸能

単なる「地理」を超えて、最も奥深いテーマといえるでしょう。出題のおよそ半分がこのジャンルです。①や⑤は、歴史的に価値あるものがほとんどです。

①都市・街並み ②美術館・博物館・記念館 ③祭・年中行事 ④寺院 ⑤建築物・建造物 ⑥城郭・城跡 ⑦郷土料理・味覚 ⑧神社 ⑨庭園・公園 ⑩遺跡・史跡

★よく出題される都道府県

都道府県別に出題数を見ると、大きな差が見られます。いわゆる「観光立県」は、最優先で観光地・観光資源を押さえておきましょう。過去5年間のベストテンは、以下の通りです。

①北海道 ②長野 ③沖縄 ④長崎 ⑤京都 ⑥東京 ⑦岩手 ⑧群馬 ⑨静岡 ⑩鹿児島

★世界遺産

登録物件は、上記のテーマと重なります。「世界遺産に含まれるものはどれか」というストレートな問題だけではなく、登録されている物件自体が何らかの形で出題されます。各世界遺産の名称と主な登録物件、所在する都道府県をしっかりと把握しておきましょう。

【新しい世界遺産】

ニュースでご存じかと思いますが、今年の世界遺産委員会で、わが国の次の2ヶ所が世界遺産となりました。問題作成基準日(6月1日)の都合上、国内試験では「世界遺産」としては出題されることはないと思いますが、個々の登録物件は出題される可能性が大いにあります。

それぞれの特徴と登録物件は、7月の拙ブログで解説していますので、ご覧ください。

①「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」(自然遺産):鹿児島県・沖縄県

②「北海道・北東北の縄文遺跡群」(文化遺産):北海道・青森県・岩手県・秋田県

★イベント・話題

本来は、東京オリンピック・パラリンピックを取り上げるべきなのでしょうが、コロナ禍の折り、正直私も出題の予想がつきません。過去のワールドカップ等の例で見れば、代表チームの事前キャンプ地や試合会場都市(主に地方)が出題されたことがあります。

また、例年、NHKの大河ドラマにちなむ問題が1問出題されています。今年は「渋沢栄一」ですね。彼の活躍の舞台となった地名(国内に限る)は一応押さえておきましょう。