旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ
受験生の皆さん、お疲れさまでした!

先週の総合管理者試験が終わり、今年度の試験はすべて終了しました。がんばった皆さん、大変お疲れさまでした。

とはいいながら、このブログを書いているのはまだ試験前のことです。毎年のことながら、私も総合試験のことが気になって仕方がありません。変な問題が出ていないか、講義や教材で重要だとしつこく言っていたことを、皆さんがしっかりと対応いただけたかどうか、模擬試験の予想問題がどこまで当たっていたか(外れていたか)…etc。この季節は色々な思いが湧き出てきます。こんなことを何十年も繰り返して、いつの間にか白髪だらけになってしまいました。

すでに別項で、総合試験の解答速報と講評も公開されていると思います。また、国内試験は9月に公開しており、そろそろ合格発表の時期ですね。今年も多くの方が合格されていることをお祈りいたします。

また、来年度の試験を目指す方も、今年の問題と講評をぜひご覧ください。

さて、私も今期の仕事は一段落です。じっくりと今年の問題を読み返して、次年度に備え色々な教材の見直しをしなければなりませんし、ちょっと息抜きもしたいと思います。かつての文豪たちのように、温泉宿に長逗留できれば幸いですが、コロナ禍とそれ以上に懐具合の都合もあって、なかなかそうはまいりません。

せめて近場で、許される範囲内のミニ旅をしてみたいもの。学生の頃より長くアウトドアに親しんでいますので、テントを背負ってソロキャンプにでかけ、深まりゆく秋のひとときを楽しんでこようと思っています。

思えば、時刻表を使いこなせるようになったのも、山行のために時刻表で電車やバスの接続を入念に調べたことからでした。はるかな大昔のことです。

JRの特例(2)料金計算:ここがキモ!

今回は、JRの料金計算の特例です。毎年、総合試験では料金に関する問題が2〜3問出ており、最も重要なテーマです。特例だけでなく、計算ルールの注意点を含めてお話します。

1.山形・秋田新幹線

「極め付け」といっていい特例です。この列車・区間だけにしかない複数の特例があるので、特別警戒のレベル5です。東北新幹線にまたがる場合に要注意です。

・在来線区間には「東北新幹線にまたがって利用する場合の特急料金」を適用する。

・在来線区間は、繁忙期・閑散期には±140円、グリーンと自由席(立席)利用時は-380円。東北新幹線区間内は別途通常どおりに適用する。

・グリーン料金は、全区間同一方向(上り→上り、下り→下り)の場合に、全区間通しの料金を適用。方向が異なるときは福島又は盛岡で分割して計算する(例:新青森-福島-米沢)。

・「つばさ号」は「やまびこ号・はやて号」と同一特急料金。「こまち号」は「はやぶさ号」と同一特急料金で、より高額。差額計算させる問題も出る。

・払戻しは、全区間1枚の特急券とみなす。

2.通過連絡運輸

運賃計算(前回ブログ参照)だけでなく、料金にも適用されます。会社線区間の前後の営業キロを通算して、JRの特急料金を計算します(必ず営業キロを用いること)。会社線区間の料金は別途足し算します。

3.新幹線特急料金の計算

総合試験の花形?といっていいほど、毎年出題されています。次項の2社にまたがる場合との複合問題がよく問われます。

①「のぞみ・みずほ」と「ひかり・こだま・さくら」を乗り継ぐとき

特急料金の差額計算は大定番です。色々なパターンがあるので、過去問をさかのぼって復習してください。「のぞみ号」が自由席利用のときは、差額計算が生じないことにも注意。

②グランクラスAとグランクラスBを乗り継ぐとき

全区間にグランクラスA料金を適用します。

③グリーンとグランクラスを乗り継ぐとき

この場合も差額計算が必要になります。考え方は①と基本的に同じで、全区間のグリーン料金にグランクラス利用区間での差額を加算します。①がわかれば③も簡単です。

4.2社にまたがる新幹線

東海道・山陽新幹線区間を除いて、JR会社区間ごとに料金計算をします。ただし、区間により例外が多いので、個別に把握する必要があります。

・東北新幹線と北海道新幹線にまたがる場合、北陸新幹線で上越妙高を挟む場合

グランクラスを利用するときは、それぞれの会社区間の料金から1,050円を差し引く。

・山陽新幹線と九州新幹線にまたがる場合(東海道新幹線にはまたがらない)

九州新幹線の特急料金から530円を差し引きます(余り出題されていません)

グリーン料金は全区間通しになりません。

・東海道新幹線、山陽新幹線と九州新幹線にまたがる場合

上記と異なり、九州新幹線の特急料金は、通常の料金を単純に足し算するだけです。530円は引きません。東海道・山陽新幹線区間は通し料金を適用しますが、差額計算が生じることが多いです。

5.その他

過去には、在来線特急列車の通し料金計算、座席未指定券の取扱いなど、国内試験では出されないテーマが問われています。ただし、頻度は低いものです。

特例ルール以外では、乗継割引の行程問題が毎年の定番で、ほぼ国内試験と同じです。これは確実にクリアしたいテーマです。過去問をしっかりやっておきましょう。

また、総合試験独自のテーマとして、時刻表の読み取り問題が出題されます。これも過去問で見慣れておきましょう。

JRの特例(1)運賃計算:ここがキモ!

総合管理者試験の国内旅行実務科目のうち、JR運賃料金では特例計算が多く出題されています。この特例ルールが、多くの受験生の方を悩ませています。JRには特例ルールが非常に多いのですが、実際に試験に出題される特例ルールは限られています。

特例ルールを十分理解することこそがJR問題を制するカギであり、同時に国内旅行実務で足切り点をクリアすることにつながります。更に、合格にも直結する重要なテーマです。

以下、試験で出題される特例ルールを見ていきましょう。紙面の関係上、詳細な解説はテキストや問題集の解説をご参照いただくとして、特に注意すべき点を掲げます。

今回は、運賃計算に関わる特例その他の規則です。その大定番が、「特定都区市内発着」と「通過連絡運輸」です。料金関係は次回にお話します。

1.基本的な注意事項

特例ルールが適用される場合、行程の下あたりに何らかのことわり書きが表示されます。

・「○○駅は××市内に属する駅である」 →特定都区市内発着の特例

・「○○鉄道は、JRと通過連絡運輸の取扱いを行っている」 →通過連絡運輸の特例

2.特定都区市内発着

総合試験では毎年のように出題される、代表的な特例ルールです。この特例は、「中心駅発着でキロ数を確かめる」ことが最も大切です。実際の乗車区間はとりあえず無視して、中心駅発着で営業キロが200キロを超えるかどうか確認してください。このとき、必ず営業キロで確認すること。換算キロ、擬制キロ、運賃計算キロは絶対使わないでください。

しばしば、運賃計算キロでは200キロを超えるが、営業キロでは200キロ以下の行程も出題されます。惑わされないように注意しましょう。

また、出発駅又は到着駅が含まれる特定都区市内では、途中下車ができないことにも注意してください。

3.通過連絡運輸

会社線区間の前後のJR区間のキロ数を通算しますが、このときに、会社線区間のキロ数まで含めて通算しないこと。これさえわかれば、むしろ得点源の問題です。JRの一方が幹線、他方が地方交通線の場合には、通常どおり幹線の営業キロ+地方交通線の換算キロ(擬制キロ)を通算します。

通過連絡運輸は、上記の特定都区市内ルールと組み合わせて出題されることも多いです。

また、料金にかかわる問題も出ますので、これは次回にお話します。

4.近郊区間

計算問題として出題されるのは稀で、文章問題が出題されます。同一近郊区間内の駅相互を利用する場合、次のルールがあります。すべて、実際に乗車するキロ数にかかわらず適用されることがポイントです。

・乗車券の有効期間は1日(当日限り)

・途中下車はできない(途中下車した場合は、乗車券は前途無効となる)

・実際の乗車経路にかかわらず、最短経路で運賃を計算する(これは余り出ません)

5.その他の特例

上記以外の運賃計算の特例は非常に出題が少なく、無視してよいレベルです。

① 山手線内発着の特例

特定都区市内の小型版といえる特例で、東京山手線内の駅発着となるときに、東京駅発着の営業キロ100キロを超え200キロまでの行程に適用されます。この特例でも、ポイントは東京駅発着で考えることです。200キロを超える場合は特定都区市内発着の特例が適用されます。ごくまれに文章問題として出題されることがあります。

② 特定区間の通過、特定区間、区間外乗車、新幹線と在来線etc

ズバリ「出ません」。

試験では、単純に一つの特例だけではなく、複数の計算ルールを重ねた行程が出されます。「特定都区市内」を軸に、「通過連絡運輸」「幹線と地方交通線」「本州と3島またがり」等の組合せ問題がよく出ますので、一つ一つのルールをしっかりと把握しておきましょう。

ミニマム・コネクティング・タイム:ここがキモ!

「ミニマム・コネクティング・タイム(Minimum Connecting Times:以下「MCT」と省略します)」は、かなりの応用力を求められます。

出題される空港により、難易度の差が大きいことも特徴です。最近の出題は、パリ(H28)、ロンドン(H29)、東京(H30)、ニューヨーク(R1)、ロンドン(R2)の順でした。上記のどの都市も近郊に複数の空港を持っており、空港自体も複数のターミナルを有しています。

となると、今年は、そろそろ巨大都市パリの番か?という予感もします。パリも複数空港を持ち、特にシャルル・ド・ゴール空港(CDG)は多数のターミナルがあります。そのため、出題されるときはかなりの難問となります。平成28年度の問題もなかなか手ごわいので、お読みになっておくとよいでしょう。

一般的なチェック手順は、次の通りです(1.と2.は前後してもかまいません)。この手順に慣れることが、攻略のカギとなります。

1.最終目的地から、乗り継ぐ路線が国際線か国内線か確認する

① 最初の便はほとんどが国際線です。よって、最終目的地が国外か国内かで、次のどれかの乗り継ぎパターンとなります。

a.国際線から国際線へ → International to International

b.国際線から国内線へ → International to Domestic

② 乗り継ぐ先の目的地が同一国内か国外か判断するには、地理の知識が必要です。問題によっては、これが最大のポイントになるかも知れません。

2.ターミナル又は空港の移動があるか確認する

① ターミナル移動があるときは、Terminal ○ to ○の欄を見ます。

② 空港間の移動は、表の下段にInter-airport ○ to × と表示されます。

それぞれの場合で、1.の乗継パターンに適合したMCTを判断します。

3.MCTを国際線の到着時刻に加算する。答えより乗継便の出発時刻が遅ければ乗り継ぎが可能。早ければ乗継は不可。

以下、選択肢ごとに、上記1.2.3.の手順の繰り返しで確認していきます。

例1)東京からロンドン(LHR)到着が06:25。乗継便は同一ターミナル発で、行き先は国内都市。MCTは1:00

06:25+1:00=07:25 →この時刻以降の便は乗り継ぎが可能。これ以前は乗継不可。

例2)東京からロンドン(LHR)到着が13:10。乗継便はガトウィック(LGW)発で、行き先は国内都市。MCTは2:30

13:10+2:30=15:40 →この時刻以降の便は乗り継ぎが可能。これ以前は乗継不可。

MCTは見た目も複雑な資料が提示されますので、「気合負け」しないことが大切です。本来、OAGの各資料は、簡潔かつ合理的にわかりやすいことを目的に作られたものです。「必ずできる」と自信を持ってチャレンジしてください。

時差計算(2):ここがキモ!

2.2都市間の時差

①時差算出の大原則

例年は、東京を正午とした場合の世界各地の都市の時刻を答える問題が出ます。
そのためには、まず東京と外国の都市の時差が何時間あるか計算しなければなりません。
このときの大原則は、「GMTとの時差の大きい数値から小さい数値を引く*」ことです。

例1)東京(GMT+9)とニューヨーク(GMT−5;DST期間外)

東京とニューヨークとの時差は、+9-(-5)=14時間となります。
このとき、±をうっかり間違えて、「時差は4時間」としないようにしましょう。

*小さい数字から大きい数字を引いてもかまいませんが、答がマイナスの時差になり、現地時刻算出の際にうっかりミスを引き起こす原因となりかねません。

②計算しにくいときは24時間を足す

時差計算は、特に日付がまたがるときに混乱しやすいものです。

例2)東京が12月1日正午のとき、ニューヨークの日付と時刻は?

日本との時差が14時間あり、ニューヨークが遅れています。
よって、ニューヨークの時刻は12:00(正午)-14:00という式になるのですが、このままでは計算しにくいかと思います。
このようなときは、引かれる側(左側)の時刻に24:00を加えてください。

12:00+24:00=36:00。36:00-14:00=22:00→午後10時です。
24:00(1日)を加えたので、日付を1日前に戻します。
よって、ニューヨークでは前日(11月30日)の午後10時となります。

3.飛行所要時間

①必ず到着時刻から出発時刻を差し引く

飛行所要時間は、すべての時刻をGMTに換算するか、どちらかの都市の時刻に合わせる(通常は、到着時刻を出発地の時刻に合わせるが、この逆でもよい)ことが先です。
私のオススメは、より計算が早い後者の方法です。その後、到着時刻から出発時刻を引きます。これもつい逆に計算してしまうことがあるので注意しましょう。
余裕があれば、GMT換算法で確かめ算をしましょう。

ほとんどの場合、計算式は分単位の数値になります。
分の繰り上げ・繰り下げがあり、引き算がわかりにくいときは、次の方法を試してください。

❶両方の時刻に分を適宜加えて(又は引いて)、引く側(右側)の時刻を1時間単位にする

例)到着時刻が14:35、出発時刻が01:40の場合

両方の時刻に20分を足してやります。
すると、14:55-02:00=12:55となって計算がしやすくなります。
引くほうの時刻を1時間単位にしてあげることがポイントです。

❷引かれる側(右側)の時刻で、時間から60分を借りてきて分に足す

上記の例で、14:35の時間側(「:」の左側)から60分を借りてきて分に足します。
すると、13:95となります。13:95-01:40=12:55となって計算がしやすくなります。

②乗継待ち合わせ時間があるとき

便を乗り継ぐ行程で、乗継のための待ち合わせ時間を飛行所要時間に含む場合(総飛行所要時間)と、含まない場合(実際の飛行所要時間)の2通りがあります。
飛行所要時間に含む場合は、最初の出発時刻と最後の到着時刻をもとに、①の計算通りで算出します。

待ち合わせ時間を含まない計算は、①の方法で総飛行所要時間を計算した後、乗継地点での待ち合わせ時間を算出し、総飛行所要時間から差し引きます。
1区間ごとの飛行所要時間を算出して合計するよりも早く計算できます。

時差計算はかなり感覚的なものなので、間違いも錯覚から起こります。
「慣れ」に尽きる計算なので、慣れていくに従い、より早く計算ができるようになります。
実際の旅行にも大変便利な知識です(すばやく時差計算ができると、周りの人から見てスマートですね)。ぜひ得意分野にしてください。

時差計算(1):ここがキモ!

今回は、時差計算です。
JRや国際運賃と同様に計算問題の一分野といえますが、これほど単純で、かつ間違いやすく、しかも役に立つ知識はなかなかありません。
例年は2問(10点)出題されていますので、大きな得点源です。

1.時差計算の基本

①プラスマイナスでケアレスミスが生じやすい

国名の見間違い(不明)、DSTの見落しなど、計算ミスの原因は色々ありますが、最も多いのはプラスマイナスの誤りです。基本は、「時差の大きい数字から小さい数字を引く」ことで2都市間の時差を算出します。
しかし、現地時刻を算出する際に、ついプラスマイナスを間違えやすいものです。わかっているのにやってしまった「うっかりミス」ほど悔しいものはありません。

②地理の知識も大切

問題は、国名ではなく都市名で出されます。
都市名と属する国名がわかればいいのですが、首都以外の都市もよく出されます。地理の知識が重要になってきます。

③複数の時間帯を持つ国は、主要都市の時差を覚えておく

米国、オーストラリアの都市は出題頻度が極めて高くなっています。
しかし、International Time Calculator(以下ITC)を見ても、州・地域単位の時差しか掲載されておらず、個々の都市名は明記されていません。そのため、主要都市の時差はあらかじめ覚えておきましょう。

例)ニューヨーク、ワシントン、ボストンetc…Eastern Time

  ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルetc…Pacific Time

  シドニー…NSW(New South Wales)、ケアンズ…Queensland

④1国1時間帯の国々

これは迷うことは少ないですが、日本で一般に呼ばれている国名とITCの英語表記では異なるものがあります。このような国は探すのに慌てることがないよう、正式国名を覚えておきましょう。

例)英国=United Kingdom、オランダ=Netherland、ドイツ=Germany、ギリシャ=Greeceなど

⑤ヨーロッパの国々

大半の国が1国1時間帯なのでわかりやすいですが、更に次のことを覚えておくとITCを見る必要がなく、早くて便利です。

・DST期間は、EU加盟国は各国同一。非加盟国でも一部を除きEU加盟国と同一。

・英国、ポルトガルはGMT、大陸側はスペイン以東スウェーデン、ドイツ、チェコ、オーストリア以西の国々はGMT+1、フィンランド、ポーランド、ハンガリー、ギリシャはGMT+2。

⑥日本

日本は、全土がGMT+9。ITCを見るまでもなく、絶対必須の暗記事項。

次回は、2都市間の時差と飛行所要時間についてお話します。