旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

期間・日数の数え方-① 「翌日起算と当日起算」その2

3.当日起算

基準日当日を含めて期間を数える方法は、民法では例外的なものになります。しかし、けっこう私たちの身近にもこの数え方が存在します。代表的な例が、JRの通勤・通学定期です。JRは当日起算を原則としているため、4月1日に購入(使用開始)した1か月定期券の有効期間は、4月30日までです(5月1日ではありません)。
翌日起算を原則とする法令・約款の中にも、例外的に当日起算とする場合がありますので、その違いに十分注意してください。

 ① 旅行業法令
旅行業の登録の有効期間は、「登録の日から起算して5年間」と定められており、初日(登録の日)を含めて数えます。
(例)4月1日に登録を受けた場合は、5年後の3月31日まで登録が有効です。更新登録を行った場合は、翌日の4月1日から更に5年後の3月31日まで有効となります。

 ② JR旅客営業規則
最初に述べたように、JRでは初日を算入する考え方(当日起算)をとっています。
(例1)1月1日発行のJR乗車券の有効期間が3日間の場合は、1月3日まで有効です。
(例2)自由席特急券の有効期間は1日間なので、当日限り有効です。

 ③ フェリー標準運送約款
フェリー運送約款でも、通用期間には初日を算入する考え方(当日起算)をとっています。
(例)1月1日発行の乗船券の通用期間が3日間の場合は、1月3日まで有効です。

 ④ 国際航空運送約款
前回のブログで述べた通り、航空運送約款は、翌日起算が原則です。しかし、国際航空運送約款の出訴期限(旅客が航空会社に訴えを起こす際の期限)のみが、「到達日、到着予定日又は運送中止の日から起算して2年間」と定められており、唯一の当日起算となっています。

 ⑤ 国内航空運賃料金
航空券の購入期限は、購入日を含めた当日起算となっています(このことは運送約款には定めがありません)。

試験では、よく有効期限や通知期限などで「何月何日までか」と具体的な月日が問われることがあります。法令や約款での定めに注意しましょう。

この話、まだまだ続きます。