旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

楽しく、嬉しい国内観光地理-1 何が問われるのか?

NHKの「みんなで筋肉体操」という番組がありますが、ご覧になったことはありますか? 筋トレというと苦行を連想しますが(確かに、いざ一緒にやると結構キツイものも・・・)、私は講師の谷本先生が「楽しく、嬉しく」指導される雰囲気が好きです。「筋肉が喜ぶ」「あと5秒しかできません」と聞くと、つい微笑んでしまいます。

さて、受験勉強中の皆さん、あと半年しか勉強できません! もっと脳味噌を喜ばせましょう!

今月は、国内観光地理について、色々な角度からエクササイズしましょう。総合管理者試験を受験される方は、海外観光地理にも共通する点が多くあります。
まず、出題されるテーマをざっと掲げてみます。

1 温泉…全国の名湯、秘湯
2 自然景観…国立公園、山・高原・湿原、湖沼、滝・渓谷・峡谷、鍾乳洞・洞窟、岬・半島・海岸、島、ラムサール条約
3 歴史・文化…寺院・神社、城郭、庭園、遺跡・史跡、小京都・町並み
  ※海外観光地理では、絵画など著名美術品や古代文明も問われる。
4 民俗・芸能・名産品…祭り・年中行事、郷土料理・珍味、民謡、名産・工芸品
5 建築物等…博物館、記念館、美術館、橋、像・記念碑その他の建造物、鉄道、テーマパーク
6 世界遺産、無形文化遺産

主なものでも上記の通りで、出題の範囲が非常に幅広いのが特徴です。問われる範囲は、単に自然景観、名所旧跡という地図上の知識だけではなく、歴史、文化、民俗その他多岐に渡っています。学校で習う地理に、日本史と美術と音楽と家庭科を足して、更に修学旅行の課題を付け加えたようなものです。したがって、単に「地理」という範疇にとどまらず、一般教養的性格がたいへん強くなっています。
試験では、意図的にかなりマニアックな難問も出されます。よほどの旅行マニアの人か、歴史、文化、民俗に深い興味を持っていない限り、高得点を得ることは難しい分野です。

しかし筋トレに例えれば、別にオリンピックに出場するわけではないので、国家試験に合格するために十分な「脳筋肉」が付けばよいのです。試験科目すべてで高得点を得る必要はまったくありません。脳筋肉鍛練の目標は6割です。
また、この分野は旅行ファンでなくとも、テレビや新聞、雑誌などを通じ、日常何らかの形で情報に接することの多い分野です。実際に旅行に行かなくとも、YouTubeでも多数の動画が投稿されており、「目」と「耳」で確かめることができます(昔人間から見ると、何と便利な時代になったかと感無量です)。

問われることはあくまで「観光」地理であり、いいかえれば旅行の楽しみそのもので、それを見て、味わい、観賞する、最も興味深い事柄ばかりです。できればいろいろな工夫をして、「楽しく、嬉しく」学習をしてください。

次回から、具体的な学習方法をいくつか提案して行きます。