旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

国内運賃料金Q&A(4)

今回はJR運賃料金Q&Aの最終回です。払戻しその他の実務知識に関するご質問と回答をお届けします。その他の国内運賃料金については、改めてQ&Aを掲載したいと思います。

Q1.乗車券と特急券の2種類だけが一葉化されているものは、特急券の払い戻し手数料は不要にならないのでしょうか?

A1.乗車券(運賃)と特急券(料金)は券種が異なるため、一葉化された場合でも、それぞれ別個に払戻し手数料が適用されます。特急料金に払戻し手数料が係らない場合は、他の料金(グリーン料金、グランクラス料金、寝台料金)と一葉化して発行された場合です。より上級の料金と一葉で発行された場合に、特急料金の払戻し手数料が免除され、グリーン料金、グランクラス料金、寝台料金に対し払戻し手数料が適用されます。
ご質問の場合は、「乗車券」と「特急券」が1枚になったものです。乗車券は運賃を表示したきっぷであり、特急券は特急料金を表示したきっぷで、異なる券種です。同一区間の場合は異なる券種が1枚で発行されることがありますが、別々に購入することもできます。どちらにせよ、券種が異なるので、それぞれに払戻し手数料がかかります。
乗車券類サンプルが表示される場合、券面に「乗」「特」と別々に金額が記載されていれば、手数料も別々にかかると理解して間違いありません。もし「グ」とあれば、グリーン料金かグランクラス料金のことです。「何の種類の券なのか」区別することが、適用する手数料の判断材料となります。乗車券類サンプルが示されたほうが、券種や金額がはっきりわかりやすいので、むしろ解答しやすいものです。

Q2.2日にわたる旅行で途中下車がある場合、運賃は通算して計算してよいのでしょうか?

A2.途中下車は、特定都区市内、近郊区間内など例外区域を除き、片道の営業キロで101キロ以上利用する場合に、有効期間内で同一方向に連続する限り、何回でも途中下車ができます(後戻りや、同じ駅で2度以上途中下車はできません)。また、有効期間内であれば、日付がまたがってもかまいません。
また、有効期間は利用する片道営業キロにより決まります。
例)有効期間が2日間の場合(営業キロで101キロ以上200キロまでの行程)
乗車券は当日又は翌日まで有効ですが、3日目以降には利用できません。3日目以降については、別途乗車券の購入が必要です。

Q3.国内旅行取扱管理者試験を受験予定ですが、このような時刻表を掲示した問題は出ないので、しなくてよいでしょうか?

A3.時刻表の読み取り問題は、現在のところ総合管理者試験にのみ出題されており、国内管理者試験では出題されていません(最後に出題されたのは、昭和の時代です)。したがって、今後も国内管理者試験では出題確率は極めて低く、対策は講じなくてよろしいでしょう。一方、総合管理者試験を受験される方には必須の知識となります。
なお、国内試験には出されませんが、大型時刻表が1冊あると、巻末の運賃料金解説が学習の役に立ちます(試験に出ないことも書いてあるので、試験対策上重要な範囲はテキストでご確認ください)。
また、巻頭の地図には世界遺産や各地の観光名所が記載されており、地理の学習にも便利ですのでご活用ください。