旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

国内運賃料金Q&A(6)-国内航空運賃その2

今回も、前回に引き続き国内航空運賃です。

Q4.航空券やJR券の払戻し計算問題に、「手数料はいくらか」と「払い戻し額はいくらか」と問うパターンがありますが、よく間違えます。

A4.「手数料」とは航空会社の収入になる額で、運賃額に所定の取消料率を乗じた額です。全日空の場合は、更に払戻し手数料が含まれます。一方、「払い戻し額」とは、旅客の手元に戻る額で、購入時の支払額から手数料を差し引いた額です。
JALとANAでは消費税の扱いが違うので、ここでは消費税を無視して計算例を挙げます。
例)運賃が20,000円、取消手数料が5%の場合
・手数料の額…20,000円×5%=1,000円
・払い戻し額…20,000円-(20,000円×5%)=19,000円(全日空は更に440円を引く)
※より具体的な計算例は、Q5を参照してください。
国内試験では、計算問題はあまり出されておらず、取消手数料・払戻し手数料の率や額、適用方法などを問う文章問題が主流となっています。

Q5.JALとANAで、取り消し・払い戻しはどのように違うのでしょう? 具体的に教えてください。

A5.ポイントは消費税の扱い、払戻し手数料の有無です。また、旅客施設使用料は常に払い戻しの対象です。以下に例を挙げます。
例)A空港からB空港までの片道航空券を、搭乗便出発時刻までに払い戻す場合
・JAL…セイバー運賃適用 
・ANA…VALUE運賃適用
・運賃額(税込)17,970円 うち消費税1,600円、旅客施設使用料370円
・取消手数料 JAL、ANAとも運賃額の5%(旅客施設使用料を除く)
・JALの払い戻し
 税抜運賃で計算します。
 取消手数料:(17,970円-1,600円-370円)×5%=800円
 払い戻し額:17,970円-800円=17,170円
・ANAの払い戻し
 税込運賃で計算します。
 取消手数料:(17,970円-370円)×5%=880円
 払戻し手数料:440円
 払い戻し額:17,970円-880円-440円=16,650円

★注意点
改正後のJALの払い戻し計算は、今年の試験が初の出題となります。計算式問題が出題される場合、どのようなスタイルになるか確定できません。上記のように、あらかじめ消費税額が明示される形式のほか、下記のように税抜運賃を算出して計算させる方式も考えられます。両方の形式に慣れておきましょう。
税抜運賃:(17,970円-370円)÷1.1=16,000円
取消手数料:16,000円×5%=800円
払い戻し額:17,970円-800円=17,170円

次回は貸切バス運賃料金です。