旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

時刻表はおもしろい-その3

今回は、試験対策を離れて、時刻表を使った実際の行程プランの作り方をご紹介します。

もっとも、ちょっと隣の市まで電車に乗るとか、距離にかかわらず単純に片道又は往復でJRを利用するのであれば、スマホの時刻表検索アプリで十分です。ただし周遊型の旅行で、途中下車して観光する、列車やバスを利用するとなると、しっかりしたプランニングが必要になります。アプリではなかなかそこまで調べられないので、時刻表の出番となります。

実際に旅行に出かけなくても、プランニング自体が楽しい作業です。なかなか旅行に出かけにくい今こそ、脳内旅行で日本中を旅してみませんか。

1.乗り継ぎの注意点

新幹線と在来線の特急列車を乗り継ぎ、主要駅間を旅行するのであれば、アプリでも問題ありません。また、時刻表では巻頭の青いページに、新幹線と在来線特急列車の乗り継ぎ一覧が掲載されていますので、こちらが大変便利です。

しかし、更に、特急が停らない駅から(まで)行く場合や、路線バスを使うような行程では、時刻表を使うほうが、より綿密な計画を立てられます。行き当たりばったりの旅行も面白いですが、地方では列車やバスが1日に数本しか運行されていないこともあり、途中で日が暮れて惨めな思いをすることもあります(経験者は語る)。

特に下車観光がある場合、目的地までの所要時間を見積もるのは「慣れ」がいります。アバウトに言えば、1日の行動距離は300〜500キロ程度に抑えたほうがいいでしょう。

2.乗り継ぎ行程の調べ方

出発地から目的地まで、いつも出発地側から調べていくとは限りません。運行本数の少ない区間から先に調べるとスムーズです。おおむね、大都市から地方に行くときは、目的地到着時刻から逆算し、地方から大都市に行くときは出発地から調べたほうがうまくいきます。

行程のどこかで運行本数が少ない区間がある場合、まずその区間の時刻を調べます。その中で都合のよい列車(バス、船)を決め、その発着時刻に無駄なく接続できる乗り継ぎ列車を選択していきます。下車観光がある場合は、その観光地で必要な時間を加味します。

路線バスや定期船航路の時刻は、時刻表の後半にあります。小型時刻表はこの部分が省略されていることが多く、余り役に立ちません。時刻を調べるには、巻頭の「さくいん地図」で、最寄り駅からの青い線(バス)又は赤い線(船)の脇に書いてある数字を見つけてください。その数字が、運行時刻が記載されているページとなります(運賃もわかります)。本数が予想より少ないと、計画を立て直さなければならないこともあります。

個人であちこち見て回るのは気楽なものですが、一層の入念な下調べが必要です。面倒であれば、定期観光バスを利用するのも一案でしょう。こちらも時刻表後半に一括掲載されています。主要な湖や海岸では遊覧船もあります。コンパクトに観光地を回れますが、出発時刻、所要時間が決まっていますので、前後の列車を間違えないように。

この他、高速バス路線、長距離フェリー航路、国内航空路線の時刻表も掲載されており、JR以外の交通機関を利用する旅行計画にも役立ちます。

3.蛇足

巻頭の赤いページでは、「トクトクきっぷ」の紹介があります。うまく利用すればお得ですし、運賃計算が上達すれば、トクトクきっぷよりも割安にできる場合があります。

また、大型時刻表では毎月の巻頭に特集があり、地域ごとの観光案内や話題、名物駅弁などが紹介されています。時には地元の美酒も並びます。車窓を流れ過ぎる景色を眺めながら、駅弁をおつまみにほろ酔いするのも、列車旅ならでは。地酒に限りなき愛情を注ぐ私には、至福のひとときです。

-となると、やはり在来線の旅ですね。