社労士の仕事内容とは?年収から向いている人までわかりやすく解説

更新日:2024年8月19日

社労士の仕事内容とは?年収から向いている人までわかりやすく解説

社労士(社会保険労務士)は、社会保険や年金、労務管理などの分野の国家資格です。社会保険や労働に関する法律の専門知識を有しています。企業が官公庁に提出する社会保険や年金労働関係の書類を作成し、手続きを行うのが主な仕事です。労働社会保険分野で法律上、企業に作成が義務付けられている帳簿書類の作成やコンサルティングなども行います。

主な就職先は社労士事務所や一般企業の人事総務部門、他の士業の事務所などです。経験を積めば、自ら社労士事務所を独立開業することもできます。

社労士になるには、社労士試験に合格して社労士登録をしなければなりません。本記事では社労士の仕事内容について解説し、資格取得に向けて効率的な勉強方法も紹介していきます。

  • 社労士は労働社会保険分野の専門家
  • 官公庁で行う手続きの代行や帳簿書類の作成、コンサルティングが主な仕事内容
  • 就職先は社労士事務所や一般企業の人事総務部門など
  • 社労士になるには社労士試験に合格する必要がある
    • 社労士が専門領域とするのは、労務管理や人事、年金、社会保険、労働保険などの分野です
    • 社労士には社会保険労務士法という法律において、2種類の独占業務が認められています
    • 開業社労士の年収額は、高い人なら1,000万円以上ですが、300万円未満の人もいます
    • 社労士が活躍する場面は増える傾向にあります
    • 社労士試験に合格するためには、インプット・アウトプットを並行して行いましょう

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    目次

    社労士の仕事内容とは?

    社労士が行う業務は、労働社会保険分野における官公庁での手続きの代行や、帳簿書類の作成、コンサルティングなどです。

    官公庁での手続きを行うには書類を作成して提出しなければなりません。書類の作成には専門的な知識が必要になることが多いため、企業では社労士に依頼することがよくあります。帳簿書類の作成においても、専門知識が必要です。十分な知識がないと、法律上の要件を満たす内容の帳簿書類を作成できないため、社労士が活躍します。

    コンサルティングは主に労務管理や社会保険、年金などに関する内容です。労働社会保険分野の法律の知識を活かして、解決策を提案します。

    社労士の仕事内容については厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagにも詳しく掲載されています。

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    社労士と行政書士の違いとは?難易度からダブルライセンスのメリットまで解説

    社労士と行政書士の仕事内容の違い

    社労士とよく似ている専門資格として行政書士というのがあります。どちらも、官公庁に提出する書類を作成して手続きを代行することが多いです。また、行政書士も相談業務を行うことがあるため、社労士の仕事と似通っている面があります。

    しかし、社労士と行政書士では専門領域の範囲が異なります。社労士が専門領域とするのは、労務管理や人事、年金、社会保険、労働保険などの分野です。これに対して行政書士は相続や許認可申請、権利義務などに関わる分野を専門領域としています。

    社労士の専門領域に関する書類の作成や手続きは、行政書士が行うことはできません。逆に行政書士が専門領域とする書類の作成や手続きも、社労士は行えない仕組みです。

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    社労士にしかできない仕事(独占業務)とは?

    社労士には社会保険労務士法という法律において、2種類の独占業務が認められています。独占業務というのは、特定の資格を持っている人でないと行えない仕事のことです。資格を持っていない人が独占業務に該当することを業として行うことは法律で禁止されています。では、社労士の独占業務の具体的な内容について見ていきましょう。

    1号業務

    1号業務というのは、労働関係の法律や社会保険に関する法律により作成しなければならない書類の作成を代行することです。書類作成後の提出の代行や書類作成に伴う相談なども含まれます。

    例えば、社員を採用した場合には社会保険や労働保険の手続きが必要です。必要な書類を作成して、年金事務所やハローワークなどに提出しなければなりません。労働保険の概算保険料・確定保険料申告など毎年行う手続きもあるでしょう。育児休業や介護休業を取得する社員がいる場合にも手続きが必要です。

    しかし、そのような手続きの際に提出する書類は、専門知識がないと作成できないものも多いです。作成するのに時間がかかるため、本来の業務と並行して行うのが難しい場合もあるでしょう。そのため、多くの企業では社会保険労務士に依頼して書類の作成や提出などを代行してもらいます。

    また、作成し提出した書類に関して、行政機関から問い合わせがあった場合に、陳述などの対応も行います。

    2号業務

    2号業務というのは、帳簿書類の作成に関わる業務です。労働社会保険諸法令により、企業に対して作成や備え付けが義務付けられている書類が多くあります。

    例えば、就業規則や労働者名簿などを作成して、備え付けておかなければなりません。しかし、行政機関で手続きを行うときに作成する書類と同様に、帳簿書類を作成するのにも専門知識が必要です。記載内容に変更が生じた場合や法改正が行われた場合などには、それに合わせて改定などの対応をしていかなければなりません。作成が難しいのに加えて、作成後に必要な改定に関して漏れが生じてしまうおそれもあります。そのため、帳簿書類の作成に関しても、社労士に依頼している企業は多いです。

    また、帳簿書類に関しては行政機関への提出は必要ありません。社内に備え付けておくだけです。しかし、稀に行政機関による調査が入る場合もあります。調査の際には帳簿書類をチェックされるため、提出する必要がなくても、正しく作成しておかなければなりません。

    3号業務

    3号業務は、労務管理や労働問題社会保険、年金などのことに関して、相談を受けたりアドバイスをしたりする仕事です。3号業務も社会保険労務士法に規定されている社労士が行う業務のうちの1つですが、1号業務や2号業務と異なり独占業務ではありません。社労士の資格を持っていない人でも、相談を受けたりアドバイスをしたりすることはできます。

    しかし、社労士の資格を持っている人なら、3号業務を行う際に社労士であることを名乗ることができます。その点で、資格を持っていない人よりも遥かに有利です。

    また、1号業務や2号業務と比べて重要度が低いわけではありません。労務管理などで困ったことがあった場合に相談できるということで、社労士と顧問契約を締結している企業も多いです。

    例えば、変形労働制やフレックスタイム制の導入に関する相談などが3号業務に該当します。賃金制度や評価制度などに関する相談も3号業務です。1号業務や2号業務と比べて、経験や手腕が問われることが多いです。

    特定社会保険労務士

    特定社会保険労務士というのは、社労士の資格を持っている人が特別研修を受講し、紛争解決手続代理業務試験に合格することで得られる資格です。特定社会保険労務士になると、通常の社労士よりもさらに独占業務として行える業務が増えます。主に、裁判外で行われる労働紛争に関わる業務が中心です。

    例えば、都道府県労働局によるあっせん手続きの代理や和解の交渉、和解契約の締結代理などの業務を行えるようになります。

    労働紛争というのは、労働環境や労働条件などを巡って起こる労働者と事業主との紛争です。裁判に発展する前の段階で和解する目的で行われます。特定社会保険労務士は、当事者の代理人として要求を主張し有利な方向に導きます。

    また、特定社会保険労務士の場合には、常に労働紛争に関わる業務を中心に行っているわけではありません。通常の社労士の業務が中心で、労働紛争に関わる業務も行えるという具合です。

    社労士の年収は?

    社労士の仕事内容とは?年収から向いている人までわかりやすく解説

    社労士は開業社労士と勤務社労士の2つに大別できます。開業社労士というのは、自分で社労士事務所を開業している社労士のことです。勤務社労士というのは一般企業や社労士事務所に社員として勤務している社労士を指します。

    両者で働き方が異なるため、社労士の年収を見る上でも、開業社労士と勤務社労士に分けて見ておく必要があります。

    開業社労士の方は、年収額の差が大きいのが特徴です。年収額が高い人なら1,000万円以上ですが、300万円未満の人もいます。勤務社労士の場合には平均年収は460万円です

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    社労士の就職先は?

    社労士の主な就職先は、一般企業や社労士事務所、会計事務所、弁護士事務所などです。

    一般企業では人事や法務などの部署で法律知識を活かして活躍します。社労士事務所では、顧客からの依頼を受けて社労士の仕事を専門的に行います。

    会計事務所では、顧客の大半が中小企業のため社労士を必要としているところも多いです。そのため、社労士の資格を持っている人を採用しているところもあります。弁護士事務所でも、社労士の資格を持っている人を採用しているところがあり、主に労働問題などの事案で活躍します。

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    社労士の将来性

    近年では、働き方改革の影響もあり労働関係の法律や社会保険関係の法律の改正が頻繁に行われています。企業の人事部門では、改正に対応していく必要があり、社労士が活躍する場面は増える傾向にあります。

    社労士の業務の中でも特にニーズが高まっているのは、コンサルティングを中心とした3号業務です。法改正や時代の流れに上手く対応していくために、労務の専門知識を持つ社労士に相談する企業が増えています。今後もこの傾向が続く見通しが強く、社労士の将来性は明るいといえます。

    社労士になるには?

    社労士になるには、社労士試験を受けて合格する必要があります。社労士試験は毎年8月に実施され、合格率は6〜7%程度と難易度は高めです。選択式試験と択一式試験の2つに分かれており、午前中に選択式試験、午後に択一式試験が実施されます。すべてマークシート式です。各科目に合格基準点が設けられており、合格するためには合計点の基準と各科目すべての合格基準点を満たす必要があります。

    合格に必要な勉強時間は500〜1,000時間程度です。1日2時間ずつ勉強するとしても、1年半ほどかかります。

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    社労士試験に合格するためのポイント

    社労士試験に合格するためには、インプットだけに偏らずアウトプットを並行して行うような方法で勉強するのがポイントです。アウトプットを行うことで、知識が定着しやすくなり理解も深まります。

    また、科目ごとに合格基準点が設けられているため、各科目をバランスよく勉強することが重要です。合格基準点は年度により変動し、受験者全体の得点状況によって決められます。そのため、基本的な問題を確実に得点できるようにしておくことが重要です。

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    ②経済的にお得

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    ③学習サポートの充実

    市販のテキストでの自習では出会った疑問を自分で調べる必要がありますが、通信講座では質問対応や学習アドバイスなど、豊富なサポートが用意されています。そうした支援のおかげで、わからない点を残さずにしっかりと学習を進めることができます。

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この記事の監修者は
小野賢一(おの けんいち)

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【出身】北海道
【経歴】横浜国立大学大学院国際社会科学府修了。社会保険労務士、日商簿記2級等の資格を保有
【趣味】楽器演奏
【受験歴】2022年社労士試験初回受験、合格
【講師歴】2023年よりフォーサイト社労士講座講師スタート
【座右の銘】昨日から学び、今日を生き、明日へ期待しよう
フォーサイト公式講師X 小野賢一@社労士専任講師

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