ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

エンディングビジネスについて

皆さん、こんにちは。
講師の伊藤です。

FPの仕事は多岐にわたりますが、今回はエンディングビジネスに焦点をあててみたいと思います。

エンディングとは、人生の終わり、つまり「死」を示します。震災を機に、「死」に対する意識が変わった方もお見えかと思いますが、もしもの時があった時に備えて、前向きに準備をすすめる「終活」を行う方も増加している模様です。

終活は最期を見据えた活動ですから、やるべき内容は多岐にわたります。実はこの「終活」において実行する事柄がエンディングビジネスにあてはまります。

例えば、葬儀やお墓をどうするか。最近ではお通夜や告別式不要といった「直葬」や近親者のみで葬儀を行う「家族葬」など葬儀も多様化しています。お墓に関しては昔ながらの家墓に入る場合が多いとは言えますが、その一方で個性的なお墓を選択される方も増えてきています。

遺言書の作成も専門家に依頼する場合はエンディングビジネスの一種といえます。遺言書には、ご自身で自筆にて内容を記載、署名押印等を行う「自筆証書遺言」や公証人役場で公証人の前で遺言内容を述べ作成する「公正証書遺言」などがありますが、法的不備を防ぐといった点からは公正証書遺言が無難といえます。

その他、終末期医療の意思表示や判断能力を失った場合に備えて成年後見制度の活用(任意後見契約等)、エンディングノートの活用なども該当します。

まだ終活するには早いけども、葬式費用の確保等ある程度考えておきたいという方にとっては、保険の加入や見直しも大切な行動といえます。相続対策や老後資金対策という観点からも有用です。

こうしたエンディングビジネスの大きな役割とは、①人生の終末における夢や希望の実現、②生きた証を残す、③家族へ迷惑をかけないよう対策を打っておくこと等の支援といった、最期まで心豊かに安心して過ごすためのサービスを提供することにあるといえます。

FP資格者においても、事業承継や相続対策などエンディングに関連する相談等は今後増加していくものと考えられます。したがって、エンディングに関連する知識の習得は必須といえます。資格の勉強だけに終わらず、こうした分野の学習も深堀りするとさらに実践的な資格活用ができることになることでしょう。

<予想問題>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。
次の各文章を読んで、正しいものまたは適切なものには①を、誤っているものまたは不適切なものには②を、解答用紙にマークしなさい
【問題1】
NISA口座で保有する上場株式等を売却することにより生じた損失は、特定口座で保有する上場株式等の配当と損益通算をすることができない。

<解答> 〇(①)
NISA口座で保有する上場株式等を売却することにより生じた損失は、他の口座における配当や利益と損益通算することができません。NISAは損失が出るとデメリットしかありません。

【問題2】
NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税にするためには、配当金領収書方式を選択しなければならない。

<解答> ×(②)
NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税で受け取るためには、株式数比例配分方式を選択する必要があります。配当金領収書方式や登録配当金受領口座方式を選択した場合には、課税対象となります。

いかがでしたでしょうか?NISAは最近出題されるケースが多くなっていますね。
それではまた次回、お楽しみに★