社会保険労務士 荒木健一さん

実務家密着取材

直撃インタビュー
社会保険労務士 荒木健一さん

社会保険労務士

荒木健一さん

引きこもりから、キャリアコンサル社労士へ
複数の資格と経験を活かし、「これから」の働き方を提案

1978年 埼玉県生まれ
2001年 宅建主任者試験、社会保険労務士試験に合格
2002年 文教大学人間科学部臨床心理学科卒業
2002年 (株)帝国ホテルに入社
2005年 退社し、社会保険労務士法人前田事務所に入所
2008年 退所し、企業人事や会計事務所の社会保険労務士部門の開業社労士としてキャリアを積む。
2012年 荒木キャリア・労務研究所を設立
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東京・渋谷のマークシティを拠点とし、2012年の秋に荒木キャリア・労務研究所を立ち上げた荒木さん。社会保険労務士をはじめ、産業カウンセラー、宅地建物取引主任者、旅行業務取扱管理者、衛生工学衛生管理者、さらにはJAF認定国内A級ライセンス、潜水士に至るまで、幅広い資格を持っています。
「学生時代、自分に自信が持てず、内向的な引きこもりでした」と話す荒木さん。現在は、学校や自治体から依頼を受け、キャリアコンサルティング、カウンセリングを行ったり、さまざまな会社や組織から人事・労務相談を引き受けています。荒木さんの転機、ターニングポイントに迫ります。

引きこもりの「蛙」状態から、井の外である東京へ

「私は高校に二度入学しました。いわゆる引きこもりだった過去があります」

快活に、そう打ち明ける荒木さん。埼玉県生まれ、群馬県育ちの荒木さんは、高崎の高校に入学したものの、五月病を患い不登校状態に。それから引きこもり状態となってしまったといいます。

「勉強も運動も、全く冴えない中学時代を過ごし、自分に自信が持てずにいました。高校に入学して、環境が変わったら、『新しい自分になれるかもしれない』と思ったのですが、特別に何か努力していたわけでもなかったので、何も変わらないまま…。自分のことが好きになれない人間が、人を好きになれるわけもなく、人付き合いが嫌になって、学校に行きたくない、行けない状態になってしまったんです。次第に外へ出るのも億劫になっていきました」

1年ほど引きこもり状態が続き、荒木さんは「このままではいけない」という危機感を覚えるように。そんなある日、ふと「東京へ行きたい」という気持ちになったそうです。

「東京で、格闘技の試合を見たいと思ったのがきっかけです。すごく軽い気持ちでした。このまま、群馬で引きこもっていても、何も発展しない。東京で一からやり直したいという気になりました。親に話してみたところ、トントン拍子で進み、上京することになりました」

東京へ出て、「ニート」状態で3か月ほど過ぎた後、気持ちも前向きに変化。「働こう」という気持ちになっていったといいます。

「初めての勤務先は、埼玉の和菓子メーカーです。親戚の紹介で、和菓子の製造、加工、配送を行う工場でアルバイトしました。ここで、会社の方から『今の時代、中卒では厳しい。せめて高校は卒業しなさい』と言われ、定時制高校に通うことにしました」

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『働く』ことで身に着く自信 『学ぶ』ことで未知の可能性に開眼

日本の教育制度において、「働く」ことよりも、まず「学ぶ」ことが優先されます。義務教育を経て、一度ドロップアウトした10代の荒木さんは、大人と一緒に「働く」環境に身を置きつつ、「学ぶ」ことの重要性に気づいていきます。

「日中働きながら、定時制の高校に通って、いろいろな人を見ました。そこで、私自身も引きこもり体験をしたので、心理についての勉強をして、カウンセラーとなり、人の役に立つ存在になりたいと思うようになりました。」

2002年に文教大学心理学科に入学。その後、駅のキヨスクやコンビニエンスストアでのアルバイトを掛け持ちしながら、さまざまな資格にチャレンジ。法律を学ぶことの面白さに目覚め、就職を見据え、宅建、社労士を取得します。そんな荒木さんが新卒入社したのは、日本でも最高レベルの接客サービスを誇る(株)帝国ホテル。

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今も活かされている「サービスのプロ」としての心構え

荒木さんが現在メインにしているのは、社労士業とキャリアコンサルタントとしての活動。どちらも、
「働く」ということをキーワードに展開しているそうですが、帝国ホテルで得たノウハウも役立っているといいます。

「業種・職種によって、ターゲットは違うかもしれませんが、基本的にどんな職業も人間相手に成立するものだと思います。社労士、キャリア・コンサルタント、産業カウンセラーは、目の前のお客様を相手にする仕事ですので、ホテルの接客と大きな違いはありません。士業はサービス業という意識を持って臨んでいます。また、私は学校や自治体、関連組織から依頼を受け、高校生や就職希望者を対象にしたセミナー、就職ガイダンス、職業訓練の講師、キャリアカウンセリングを行っています。そのような場で、社会人としてのマナーや礼儀について触れることもあるので、ホテルで得た知識や経験は今も役立っていると感じますね」

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「自分は世界にただ一人」 オリジナルの社労士像を目指して

「私は社労士になりたくて、ホテルを辞めました」と話す荒木さん。帝国ホテルを退社し、社会保険労務士法人前田事務所に入所し、約3年ほど勤務。その後、企業人事や会計事務所の社会保険労務士部門の開業社労士としてのキャリアを積んでいきます。転職を重ね、決して平坦とはいえない道を歩みながら、スキルアップしてきた荒木さん。荒木キャリア・労務研究所の代表を務める傍ら、青山学院大学大学院法学研究科人事労務プログラムに在籍し切磋琢磨に励んでいます。

最後に、受講生の皆さんに向けて、荒木さんからメッセージです。
「社労士といっても、人事・労務という枠だけにとらわれず、多方面で業務展開できます。私は自身の経験を活かし、自分なりの社労士像を見出しました。あなたがこれまでしてきた経験と全く同じことをした人は、世界にただ一人です。あなたならではの社労士像を目指して頑張って下さい」

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