社会保険労務士の藤巻玲子さん にインタービューをしました。

実務家密着取材

直撃インタビュー
社会保険労務士 藤巻玲子さん

社会保険労務士

藤巻玲子さん

『人対人』、『心対心』という意識を持って
人事労務管理・法律問題、職場環境まで幅広く中小企業をサポート

1992年 短大卒業後、食品メーカーに入社、営業を担当
1998年 社会保険労務士・行政書士事務所に入所
1999年 社会保険労務士試験合格
2002年 ファイナンシャルプランナー(AFP)資格取得
2004年 産業カウンセラー資格取得
2010年 藤巻社会保険労務士事務所を開業
2011年 キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)資格取得


URL : http://www.fujimaki-sr.com

2010年7月に東京・渋谷で社会保険労務士事務所を開業した藤巻玲子さん。社会保険労務士のほか、ファイナンシャルプランナー、産業カウンセラー、キャリアカウンセラーの資格を取得。人事労務管理や法律の問題にとどまらず、さまざまな面から職場環境の改善をサポートしています。新潟県柏崎市の実家では、40年以上にわたって金属部品加工業を営んでいます。中小企業経営の現実を身近で見聞きして育ったことが現在の業務にも生きているといいます。父親に対しては「“会社を経営して、人を雇うなんて大変なこと、どうして始めたんだろう”と思っていた」と語る藤巻さん。社会保険労務士を志したいきさつ、仕事への思いなどをお聞きしました。

女性として、生涯働き続けるために資格取得をめざす

短大進学のため新潟から上京した藤巻さんは卒業後、都内の食品メーカーに就職。営業職として社会人生活のスタートを切りました。すでに男女雇用機会均等法は施行されていたものの、育児休業法がようやく制定されたという年。労働における男女格差をなくし、女性にも開かれた職場をつくることが、企業の努力義務となった時代でした。

「幸い私の入った会社は当時から女性の活用に積極的でしたので、実際に働いていても大きな男女格差を感じるようなことはなかったです。ただ、先々の人生まで考えると、何となくこのままではいけないのではないかという、漠然とした不安を抱いていました」

そんな不安を胸に食品メーカーから転職して働いていたあるとき、社会保険労務士の資格取得講座の広告が目にとまりました。

「たしか“女性でも活躍できる”というようなニュアンスのキャッチコピーにひかれたんです。今になって思えば、その広告が私の進むべき道を切り開いてくれたともいえます。社会保険労務士の資格を取って自分の後ろ盾にすれば生涯働いていけるだろう、と思うようになりました。学生時代は将来のために資格を取ろうなんて全く頭にありませんでしたから。もう直感でした、このときは」

思い立ったが吉日で、仕事が休みの日に専門学校へ通って勉強を始めます。しかし、試験までの準備期間はわずか半年程度。「本番で問題を解いていても、できたという手応えはなかった」と振り返るとおり、最初の挑戦は不合格に終わりました。この結果に、藤巻さんは失敗を繰り返すまいと、合格へ向けて受験に本腰を入れます。


社労士事務所に勤めながら合格

試験の壁に跳ね返された経験をバネに、社会保険労務士をめざす意識がますます高まった藤巻さんは、ある社会保険労務士・行政書士事務所の求人に応募しました。面接では「もっと一生懸命勉強して今年の社労士試験には絶対合格します」と宣言。その意気込みが認められ、事務所に勤めながら試験勉強に励む毎日が始まりました。

「仕事のある平日はどんなに遅く帰っても最低2時間以上、休みの日は8時間以上勉強しました。勉強は専門学校の講座が中心です。この1年間は講座で学ぶことが自分の頭にしっかり定着していく実感がありましたね。模擬試験も受けるたびに成績が右肩上がりに伸びていきましたし。本番の試験では1回目のときと違い、合格ラインには達しているはずという手応えがありました」

1999年、社会保険労務士試験に合格。見事に有言実行を果たしました。

こうして晴れて社会保険労務士となり、社会保険労務士・行政書士事務所のスタッフとして順調に実務経験を積んでいった藤巻さんは、さらなるステップアップを図るためにファイナンシャルプランナーの資格へのチャレンジを決意します。


『人対人』、『心対心』という仕事意識を持って、日々努力

「仕事でいろいろな案件を担当するなかで、自分には税金等に関する知識が足りないなと気づきました。そういった弱点の分野をカバーしておかなければ、常に自信をもってお客さまと接することはできません。そこでファイナンシャルプランナーの勉強を始めたんです。社労士試験のときと同様、働きながら専門学校へ通って、AFPの資格を取得しました」

社会保険労務士・行政書士事務所で藤巻さんは、顧問先の労働保険や社会保険の手続き、給与計算、助成金申請、人事労務相談といった社会保険労務士の業務とともに、行政書士の業務も補助してきました。実務家としてのスキルをみがくうえで貴重な場となった事務所での勤務期間は11年3カ月に及びます。

「その事務所では業種を特化することなく相談に対応してきましたので、それぞれの業種に特有の人事労務問題をはらんでいるということがわかりました。また、法律を扱う仕事とはいえ、労使間の問題解決には『人対人』、『心対心』という意識が大切だと身にしみました。開業にあたって計画的に準備をしていたわけではありませんが、10年以上のキャリアは少なからず自信になったと思います。あとは勢いです。社会保険労務士をめざし始めたときと一緒で(笑)」

2010年7月、渋谷で藤巻社会保険労務士事務所を開業。その後もなお藤巻さんは、キャリアアップのための努力を惜しむことはありません。


学んだことをアウトプットすべく、資格をフル活用

2004年に産業カウンセラーの資格を取得。開業の翌年には、キャリアカウンセラーの資格であるキャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)の認定試験に合格しました。

「産業カウンセラーやキャリアカウンセラーの視点は、年々増えているメンタルヘルスやハラスメントの問題解決に効果的です。労務管理コンサルティングやセミナーも含めて、私のサポートがよりよい職場環境づくりに少しでも役立てればという思いで取り組んでいます」

藤巻さんの実家は、新潟県柏崎市で1972年創業の金属部品加工業を営む会社。中小企業経営の現実を身近で見聞きして育ちました。

「創業者である父に対しては“自分で会社を経営して、人を雇うなんて大変なこと、どうして始めたんだろう”などと思っていました(苦笑)。でも、そういう環境で生まれ育ったおかげで、会社の業績悪化で従業員を解雇しなければならなかったり、優秀な人材をなかなか採用できなかったりという中小企業経営者の苦労は、自分のことのように理解できます。ですから、常日頃から勉強を怠らず、学んだことをお客さまにアウトプットして、会社の発展と成長を支援していきたいのです」

通常の業務に加え、訪問看護ステーションの管理者研修やメンタルヘルス研修などの講師としても活躍する藤巻さん。現状に満足することなく、どん欲に取得した資格をフル活用し、ますます仕事の守備範囲を広げています。


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