ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

iDeCoの活用の仕方①

皆さん、こんにちは。フォーサイトFP講師の伊藤亮太です。

前回まででiDeCoの改正点について解説しました。改正点を知ると同時に、実際にどう活用していくのが望ましいかもお客様へのFPコンサルティングで必要となります。そこで、iDeCoによる運用をどうすればよいか? また、加入するにあたってどのような点に注意すればよいか? いくつかのパターンをもとに2回にわけて解説していきたいと思います。

■若年世代は中長期的な視点から検討する

まず、若年世代では中長期にわたる運用を検討していく必要があります。そのため、短期的な視点よりも中長期において資産を形成できるように運用商品を選別していく必要があります。

例えば、10年単位で見た場合に、世界経済は着実に成長を遂げています。リーマンショック、コロナショックなど世界を不安にさせるようなことも実際には起きていますが、そうした問題も克服しながら世界経済は成長しているのです。ただし、各国別で見た場合には必ずしもそうとはいえず、デフレで苦しんだり、1人当たりのGDPがなかなか1万ドルを超えられなかったりなど課題に直面する国もあります。そこで、無難な考え方からすれば、世界全体に投資する投資信託などを活用し、世界経済の成長の恩恵を受けることがよいのではないかと考えます。

もしくは、先進国全体に投資を行う投資信託でもよいかもしれません。新興国と比べると通貨面などでリスクが低くなる可能性があるからです。もちろん、株式だけでは何かあった場合のリスクヘッジに不安が残ることと思います。そこで、世界債券や貴金属投資などを活用しバランス良くリスクヘッジしながらコツコツ運用していくのが望ましいと言えるのではないでしょうか。

■他の資産運用との兼ね合いも考慮すること

一点注意点を示しておきます。若年世代の場合、時間を味方に付け複利効果を得られる点はメリットと言えますが、その際に資産全体からの目線も含んでおく必要があります。つまり、iDeCo単体で考えるのではなく、その他の資産運用も含めて中長期的な運用は心がけるべきです。

iDeCo以外にも運用を行うのであれば、できる限り同じような運用商品構成にはしないほうがよいでしょう。もしくは、同じ運用商品で運用するならば比率を一定に保ちつつリバランスをしていくことを心がけましょう。また、途中での売買も視野に入れるならば、iDeCo以外の部分では売却、現金化することもあり得るなど、ルールを決めてブレない運用を心がけていくことが大切と言えます。

<過去問題の演習>

3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】

個人年金保険において、確定年金は、年金支払期間中に被保険者が生存している場合に限り、契約で定めた一定期間、年金が支払われる。

<解答> ✕

問題文は有期年金の説明です。確定年金は年金支配期間中、被保険者の生死に関係なく年金が契約で定めた一定期間支払われます。

【問題2】

公社債投資信託は、投資対象に株式をいっさい組み入れることができない。

<解答> ○

公社債投資信託は株式の運用ができません。

いかがでしたでしょうか?

それではまた次回、お楽しみに★