ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

日本の株式市況について考える②

皆さん、こんにちは。
フォーサイトFP専任講師の伊藤です。

前回に続き、昨今の日本の株式市況について考えていきたいと思います。

■今期以降、配当性向を引上げる企業が増えている
今期以降、配当性向を引上げる企業が密かに増えていることをご存じでしょうか。中には配当性向を100%とする大胆な企業も出始めています。足もとの回復が個別企業の業績にも反映されてきているのでしょう。また、海外投資家の意見なども参考にして、配当性向を引上げていると見受けられます。

日経平均株価の平均配当利回りも2022年6月17日段階で2.51%予想と以前に比べてやや高くなっています。東証全体から個別企業を見ると、中には年5~8%程度の配当利回りとなる企業も数多く存在します。興味深いのが業績も良く、配当利回りも高い企業も存在する点です。特に自動車関連や資源関係の企業でそうした傾向が目立ちます。
例えば、パイオラックス(5988)は、自動車向けの精密ばねと工業用ファスナーを製造する企業になりますが、今期、来期の業績は上向く予想となっています。そんな中で、2025年3月期まで連結配当性向を100%目標にした結果、2022年6月17日段階で年7.48%の予想配当利回りとかなり魅力的な配当を出す予想へ変貌しています。これはパイオラックスだけの話ではありません。実は複数社あり、年6%以上の配当利回りを出す企業は増加しているのです。

このような減少は、これまでになかった傾向であり、5月の決算発表後に明確となってきています。日本企業も海外の目線を取り入れ、新しい方向へと舵を切っている状況が分かります。評価してもよいのではないでしょうか。配当利回りを考慮すると、株価上昇が期待できる企業は実は数多く存在します。

■金利上昇も視野に入れて株式投資は検討していく
企業の株式や日経平均株価などを確認する際に、今後注意していただきたいのが日本の金利情勢です。期待できる側面がありつつ、金利には注意しなければなりません。米国を始め、EU、イギリス、スイスなどが利上げを開始しています。世界的に見てどの国・地域も利上げを進めているのに、日本だけがいつまでも金利を抑制したまま活動できるのでしょうか?

もちろん、抑制するように日本銀行は動くと思いますが、仮に世界の状況に左右され金利が上昇した場合にも備えておく必要があります。金利上昇は株式や不動産には不利となります。一方、金利上昇による恩恵を受けやすいのが銀行株といえます。銀行株はこれまでの金融緩和によるマイナスの影響を受け、株価は低迷気味でしたが、にわかに上昇している銀行株も見受けられます。地銀再編など様々な思惑があるからかもしれませんが、今後は金利面で是非見ておきたいところです。しかも、銀行によってはこれまた年間の配当を確認すると、配当利回りが年4~5%以上のケースもあります。

このように、輸出関連、インバウンド、高配当、銀行といった点が今後期待できる日本株と考えます。今は日本株式をウオッチしていった方が良いように思うのは私だけでしょうか?

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】
所得税において、事業的規模で行われている賃貸マンションの貸付による所得は、事業所得となる。

<解答> ×
所得税において、事業的規模で行われている賃貸マンションの貸付による所得は、不動産所得となります。

【問題2】
所得税において、納税者の合計所得金額が1,000万円を超えている場合、配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、配偶者控除の適用を受けることはできない。

<解答> 〇
納税者の合計所得金額が1,000万円を超えている場合には、配偶者控除の適用はできませんのでご注意ください。

いかがでしたでしょうか?

それではまた次回、お楽しみに★