ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

「教育資金・結婚子育て資金の一括贈与非課税措置」と 「小規模宅地等の減額の特例」

皆さん、こんにちは。
フォーサイトFP専任講師の伊藤です。

質問
平成31年度の税制改正について教えてください(2回目)。

回答
平成31年度税制改正の中で、
それまで行われた特例のうち条件が追加されたものがあります。
それは、「教育資金・結婚子育て資金の一括贈与非課税措置」と
「小規模宅地等の減額の特例」です。
 ご存じの通り、教育資金の一括贈与非課税措置では、
両親や祖父母等が子や孫に教育資金を一括贈与する場合に、
子や孫ごとに1,500万円まで非課税とする措置です。
また、結婚子育て資金の一括贈与非課税措置では、
祖父母や両親が20歳以上50歳未満の子や孫に結婚・子育て資金を拠出した場合、
子や孫ごとに1,000万円までを非課税とする措置です。
これらの特例に関して、以下の条件が追加されることになりました。

<教育資金・結婚子育て資金の一括贈与非課税措置の見直し>
以下の条件を追加する。
①対象となる受贈者に所得要件を加える。
 前年の受贈者の合計所得金額が1,000万円を超える場合は
 その年については非課税適用不可に。
②非課税の対象となる「教育資金」の範囲の修正
 (23歳に達した日以後に支払われるもののうち、教育に関する役務提供の対価、
 スポーツ・文化芸術に関する活動等にかかる指導の対価、
 指導にかかる物品の購入費及び施設の利用料を除外)
③教育資金非課税の終了年齢の延長(30歳まで→最大40歳まで継続可能に)

 ①は2019年4月以降から適用されます。②と③は2019年7月1日以降に適用されます。
なお、特例自体は2021年3月31日まで2年間延長となりました。
 もう一点、小規模宅地等の減額の特例に関しても
改正点(見直し)を指摘しておきます。
今回の税制改正により、貸付事業用宅地等の要件の制限同様、
事業用宅地についても相続開始時からさかのぼって3年以内に
事業を開始した宅地が除かれることになりました。
ただし、その宅地の上に宅地の相続税評価額の15%以上の
価額の事業用減価償却資産がある場合にはこの制限の対象外となります。
 例えば、宅地の相続税評価額が8,000万円の場合、
1,200万円以上の価額の機械装置があればこの制限の対象からは外れることになるため、
そのまま減額の特例が利用できることになります。
一方、そうした資産はなく亡くなる前3年以内から事業を行い始めた土地は
減額の特例が適用できないことになります。
 相続税対策の一環として急に(亡くなる3年以内に)始めた事業用宅地や
貸付事業用宅地は小規模宅地等の特例が適用できませんのでご注意ください。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。
次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】
ファイナンシャル・プランニングにおいては、職業倫理上、
その提案内容等をあらかじめ顧客に十分に説明し、
顧客がその内容を理解したかどうかを確認しながら進めることが求められている。

<解答> ○
お客様の理解なくしてプランニングはあり得ません。
お客様が理解し、行動できることが大切です。

【問題2】
公的介護保険の第2号被保険者は、市町村または特別区の区域内に住所を有する
40歳以上60歳未満の医療保険加入者である。

<解答> ✕
公的介護保険の第2号被保険者は、市町村または特別区の区域内に住所を有する
40歳以上65歳未満の医療保険加入者になります。

いかがでしたでしょうか?
それではまた次回、お楽しみに★