ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

公的年金の改正案①

皆さん、こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの伊藤亮太です。

令和2年3月3日に、年金機能強化法案が閣議決定され、国会に提出されました。
今回は、この法案をもとに今後改正されるであろう点について、
何回かにわけて解説していきたいと思います。

■受給開始時期の選択肢の拡大(2022年4月施行予定)
今後、公的年金の繰り上げ、繰り下げの仕組みが少し変わることになりそうです。
繰上げに関しては、これまで同様、早ければ60歳から公的年金の受給が可能です。
これまで繰り上げでは0.5%×繰上げた月数の割合が減らされて年金が支給されていました。これが改正案では、0.4%×繰上げた月数分減額されることになります。

仮に60歳から公的年金を受給することに決めたとしましょう。
この場合、現行では本来の支給額よりも
0.5%×繰上げた月数60ヵ月=30%分減額された年金が一生支給されることになります。
改正案では、0.4%×60ヵ月=24%分減額された年金額が一生支給されることになります。

一方、繰り下げに関しては、現在は70歳まで可能です。
現状は、0.7%×繰り下げた月数分年金額が増える仕組みとなっています。
改正案では、最長75歳からの受け取りが可能となります。

増額の計算式は変わりませんが、仮に75歳からの受け取りの場合、
0.7%×繰り下げた月数120ヵ月=84%分増額された年金額を一生受け取ることができるようになります。

この場合、87歳前後が分岐点となるため、
87歳より長生きできるのであれば75歳からの繰り下げが有利となります。
単純に女性の平均寿命から言えば、75歳からの繰り下げも検討の余地があると言えます。
男性の場合は、通常通り年金の支給を受けた方が無難と言えるかもしれませんね。
この繰上げ、繰り下げの改正は、2022年4月施行予定です。先の話ではありますが、
話題性のある話ですので、是非今のうちから頭に入れておいてください。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。
次の問題に答えなさい。3択問題

【問題1】
日本銀行の金融政策の1つである( ① )により、日本銀行が金融機関の保有する
有価証券の買入を行えば、市中に出回る資金量が( ② )する。
1) ① 預金準備率操作 ② 増加
2) ① 公開市場操作 ② 増加
3) ① 公開市場操作 ② 減少

<解答> 2)
日本銀行が金融機関の保有する有価証券の買い入れは、
公開市場操作といいます。買い入れにより、市中に出回る資金量が増加します。

【問題2】
個人向け国債は、金利の下限が年( ① )とされ、
購入単価は最低( ② )から( ② )単位である。
1) ① 0.03% ② 10万円
2) ① 0.05% ② 1万円
3) ① 0.05% ② 10万円

<解答> 2)
個人向け国債は、金利の下限が年0.05%です。1万円単位で購入が可能です。

いかがでしたでしょうか?
それではまた次回、お楽しみに★