皆さん、こんにちは。
ファイナンシャル・プランナーの伊藤亮太です。
今回から、20代~30代などの若年層向けの資産形成支援について解説していきます。
まず、若年層の場合、(1)年収はそこまで高くないケースが多い、(2)老後まで時間がある、という特徴があります。
また、(3)結婚しているかどうか、希望はあるかどうかによって、その後の描くライフプランは異なってきます。この3点を各お客様ごとに検討しアドバイスを行っていきます。
年収がどの程度か、またそれに伴い貯蓄がどの程度できそうか。年収が高ければ貯蓄率が高いのは一般的と言えますが、実際の所はそうでもないケースも多いです。
逆に、堅実にコツコツ貯蓄ができているケースもあります。まずは貯蓄ができる体質となっているかどうかをお客様にヒアリングしましょう。
私が大学の授業やお客様、講演の際に口を酸っぱくして伝えているのは、可処分所得(=年収-所得税・住民税-社会保険料)の最低20%は貯蓄しましょうということ。できれば25%ぐらいは貯められると、貯まっていく実感がわきます。お客様にも目安として、無理のない範囲内で伝えてみましょう。
そして、老後まで時間がある点は、若年層共通です。いかに早くから資産形成を行っていくかも後々大きな効果をもたらす要因となり得るため、少額でいいからまずは資産形成の実感を得られるようにコツコツ貯蓄、投資の両面から行いましょうと伝えます。
月に5000円、1万円からでよいと思います。一度積立貯蓄や投資をはじめたら、あとは自動的に毎月行っていく。初心者ほど気軽な投資方法の方がよいでしょうから、そうした自動的な資産形成方法を伝えるのがよいと思います。
結婚している、もしくは結婚希望がある。お子さんがいるという場合には、 目の前の教育費などで手一杯となるケースもあります。
一方、共働きで貯蓄はたくさんできるというケースもあるでしょう。その方の状況でわけ、貯蓄がたくさんできる場合には、それを維持し、少しでも増やすという路線につなげましょう。なかなか状況が大変という方は、教育資金設計などを中心に行い、月5000円でまずは資産形成をはじめ、余裕が出てきたら段階的に金額を引き上げるといった対応がよいと思います。
若年層と一言でいっても、働き方も異なり、生き方も異なる。そんな時代ですので、一人一人に寄り添ったアドバイスができるように実務経験を積んでください。
<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。
次の問題に答えなさい。○✕問題
【問題1】 税理士資格を有していないFPが、参加費有料のセミナーにおいて、仮定の事例に基づき、税額計算の手順を解説した。
<解答> ○
仮定の事例に基づく税額計算の手順の解説は、税理士資格を有しないFPでも可能です。
【問題2】
生命保険募集人登録をしていないFPが、生命保険契約を検討している顧客のライフプランに基づき、必要保障額を具体的に試算した。
<解答> ○
必要保障額の計算は、生命保険募集人ではなくても行うことができます。
なお、生命保険の勧誘、販売は生命保険募集人登録が必要です。
いかがでしたでしょうか?
それではまた次回、お楽しみに★