ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

金融資産運用の考え方(6)

1月から始めた金融資産運用のお話も、ここで一旦区切りを付けたいと思いますが、
その前に、ひとつお知らせがあります。
今年の税制改正では、住宅ローン控除の拡充が目玉のひとつとなっていますが、
3月6日の朝日新聞朝刊の広告特集の中で、このテーマが取り上げられ、現役のFP
3人が住宅取得について対談をしています。
ここフォーサイトで講師をしている当社の安藤も、FPの一人として参加しており、
写真入りで紹介されています。
住宅ローン控除の内容はもとより、ライフプランにおける住宅取得の考え方についても
語られていて、FPの学習の上でも参考になると思いますので、是非一読してみて
ください。

さて、金融資産運用のお話に戻りましょう。

最近は、FX(外国為替証拠金取引)の人気がまた一段と高まっているようです。
急激な円高で損失を被った人が多い反面、昨年来の金融危機の中でも、大きな利益を
上げた人もかなりいることが人気の理由でしょう。

FXに限らず、先物、オプション、株の信用取引、カバードワラント、さらに最近では
CFDなど、「買い」だけではなく「売り」もできる投資手段や、株のデートレード
のように短いスパンで小幅の利益を取りに行く手法は、マーケットの状況がどうであれ、
自分の「読み」と「判断」さえ当たれば、利益を上げることが可能です。
こうした運用手法は、投資というより、トレードと呼ばれることもあります。
トレードには、知識や経験、判断力に加え、相当の時間と手間がかかりますが、
自信のある人は、チャレンジしてみてもいいと思います。
ただし当然、トレードには、失敗することもあり得ます。
しかも、マーケットが回復したからといって、損失が取り返せるとは限りません。

一般の人々の多くは、資産運用にそれほどの時間と手間はかけられないと思います。
その場合の運用方法は、必然的に「お任せ型」の運用となります。
ですから、マーケットのリスクを取りに行った場合には、マーケットの動向次第で
損失が発生することは避けられません。
しかし、その反面、マーケットが回復すれば、それに伴って損失も取り返せるのです。
ここで重要なポイントとなるのは、ゆっくり回復が待てる資金かどうかという点です。

FPがアドバイスする資産運用法は、トレードではなく、お任せ型の運用です。
お任せ型運用において最も大事なことは、ポートフォリオを考えることです。
ポートフォリオを考えることは、すなわち資金の配分を考えることを意味します。
その手順は、次の3つのステップで進められます。
①まず、資産全体のポートフォリオを考えて、運用に回す資金の配分を決める。
②次に、運用ポートフォリオを考えて、マーケットリスクを取る資金の配分を決める。
③最後に、マーケットリスクを取る資金のポートフォリオを考えて、リスクを抑える
ための分散投資(アセット・アロケーション)を行う。

ポートフォリオの考え方は、FP講座でも学習しますが、資産運用において、基本中の
基本と言うべき最も重要なポイントとなります。
ポートフォリオについては、またの機会にじっくりご説明したいと思います。

では、次回からは、本年1月に行われた2級FP技能検定の解説をします。