ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

人生100年時代を考える②

皆さん、こんにちは。
フォーサイトFP専任講師の伊藤です。

人生100年時代を考えるにあたって、老後資金を以下に確保するかは重要な論点です。自助努力でなんとかしていく必要があることはもちろんですが、公的年金があてにならないと勘違いする方がいることは残念でなりません(公的年金もある程度はあてになります)。そこで、公的年金保険料は支払わなくてよいのか?という視点から、公的年金の意義について説明したいと思います。

■公的年金ほどの仕組みを民間の保険会社がつくるのは困難
そもそも、公的年金は社会保障の一つであり、国が最低限の面倒は見るという趣旨でつくられたものです。公的年金の特徴はおおまかに4つあります。

①国民皆年金
わが国の公的年金制度は、20歳以上60歳未満のすべての国民が国民年金(基礎年金)制度に加入し、基礎年金給付を受けるという国民皆年金の仕組みをとっています。

②社会保険方式
わが国の公的年金は、社会保険方式にて運営されています。保険料を拠出し、それに応じて年金給付を受ける仕組みをさします。ただし、国民年金については、収入の少ない方など保険料負担が困難な方も被保険者となるため、保険料免除制度を設けています。

③終身年金
わが国の公的年金は、老齢年金の場合、受給者が死亡するまで年金が支払われます。

④世代間扶養
公的年金は、原則として現役世代の保険料負担をもとに高齢者世代を支えるという世代間扶養の考え方で運営がなされています。

これらの特徴を見ればお分かりの通り、全員が加入することでリスクを分散させる仕組みが構築されています。また、国民年金に関しては半分税金が投入されています。保険料を支払わないということは、税金負担分も受け取れないということ。障害を負った場合も保険料を支払っていなければ年金は支払われません。民間保険会社では到底つくるのが難しい仕組みで運用されているのです。
税金が投入されているということは、まったくもらえないということはあり得ません。それでも保険料支払いをしないのか、終身年金という側面も考えてお客様には説明すべきでしょう。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】
令和4年中に契約した生命保険に付加されている傷害特約に係る保険料は、介護医療保険料控除の対象となる。

<解答> ×
傷害保険関連は、保険料控除の対象となりません。また、自動車保険、火災保険、財形保険は原則として保険料控除の対象となりません。

【問題2】
自動車損害賠償責任保険において、被害者1人当たりの保険金の支払限度額は、死亡の場合は3,000万円、後遺障害の場合は5,000万円である。

<解答> ✕
自動車損害賠償責任保険において、被害者1人当たりの保険金の支払限度額は、死亡の場合は3,000万円、後遺障害の場合は4,000万円となります。金額はしっかり覚えておきましょう。

いかがでしたでしょうか?

それではまた次回、お楽しみに★