ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

FPの視点から考える営業開拓①

皆さん、こんにちは。
フォーサイトFP専任講師の伊藤亮太です。

中長期的な視点から見て、今後の日本の人口減少は経済にマイナスとなることは間違いありません。かといって不安に思うこともありません。AIなど人に代わって対応できる部分は人口減でもなんとかなることでしょう。しかしながら、すべてをAIに任せるわけにもいきません。そこで、FP的な営業開拓、コンサルティングを今号から考えていきたいと思います。人口減少下だからこそ、人と人との結びつきは強まり、いかに親身にお客様に寄り添え、一人一人のためのコンサルティングができるかが収益に直結すると想定できるからです。

今後、必要となるアドバイスとして、確実に増えると予想されるのが『老後資金対策』です。給料がなかなか上がらず、かといってインフレの足音は聞こえてくる。こうした状況下では、どのように老後資金を構築していくか心配な方も多いと思われます。また、既に退職金を受け取り、これからどう資金運用していくか悩んでいる方も多いと思います。まずはこうしたニーズをしっかり取り込み、定期的な面談を行いながら運用を始め資金繰りなどに問題がないかどうか相談できる体制を整えましょう。定期的な面談へとつなげることで、そのお客様だけではなくご家族も顧客となる可能性が出てきます。また、キャッシュ・フロー表の作成などを通して、お客様の状況を把握、預金だけではなく、投信や保険などの販売にもつなげられることでしょう。

今後金融機関や金融商品を販売するFPにおいて求められるのは、金融商品を販売して終わりではなく、販売後のアフターフォローをしっかり行い、継続してフォローできること。核家族化やインターネットの普及などにより、人と人とのつながりが減る中で、金融機関や販売するFPは昔ながらの顔の見える体制で人と人を結び付けることができるような役割が重要視されると考えます。

老後資金対策の場合には、お客様から意識をもって窓口に来られる場合や、セミナーに参加される場合には面談でも話がスムーズにいくケースも多いと思います。その際に、丁寧にお客様から心配事やニーズを聞き出し、悩みを解決できるような誘導を行うことが大切です。預貯金だけで老後資金は十分対応できる場合であっても、インフレ対策面から少しは運用で保全すべきといった提案も可能です。いかにお客様に寄り添うか。顧客本位を忘れてはなりません。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】
国民年金の第1号被保険者は、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の自営業者や学生などのうち、日本国籍を有する者のみが該当する。

<解答> ✕
日本国籍だけではなく、日本国内に住所のある20歳以上60歳未満の外国人も対象です。

【問題2】
老齢厚生年金の受給権者が老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をする場合、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出を同時に行わなければならない。

<解答> ✕
繰り上げは同時に行う必要がありますが、繰り下げは片方だけでも可能です。

いかがでしたでしょうか?

それではまた次回、お楽しみに★