ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

FPの視点から考える営業開拓③

皆さん、こんにちは。
フォーサイトFP専任講師の伊藤亮太です。

前回までで老後資金対策、ライフプラン別に見た営業開拓について解説してきました。
今回は、1つの事例として、多額の国債を保有するお客様へのアプローチについて解説していきます。

■多額の国債を保有するお客様へのアプローチ
リスクをとらず、現預金と自宅不動産以外は日本国債など債券のみ保有している。こうしたお客様に株式や投資信託をすすめても拒否反応を示すケースがほとんどです。保守的なお客様の場合、何を提案すべきでしょうか。

まず、お客様の現状からいえることは、運用できる資産は現預金と日本国債など債券をメインにしたポートフォリオであるということ。ほんのわずかではあるものの普通預金に比べればマシな利息を受け取っているという状況です。

こうしたお客様に向けて、金利の高い商品を提案するのも一つの方法だとは思いますが、なかなか話にのってこないでしょう。であれば、今後物価が上昇する可能性も十分あることを説明しましょう。その対策として物価連動国債ファンドや物価連動国債も検討してみてはいかがかと提案します。

物価連動国債ファンドは、ファミリーファンド方式で運用され、わが国の物価連動国債に投資するファンドです。物価連動国債の特徴は、なんといってもインフレに対応可能であること。元金額や利払い額が物価の動きに連動して増減する国債であり、将来のインフレリスクをヘッジし、資産価値を保つためにはもってこいの国債といえます。

今後数年間で日本国債や個人向け国債の償還を向かえるというお客様には、その償還資金に対して提案するもよし、「今お持ちの日本国債、特に利付国債や個人向け国債の固定3年・固定5年では、インフレが生じても対応が難しいです。」と説明したうえで、物価連動国債ファンドの購入を提案するのもよいと思います。

この他、個人向け国債の変動10年で対応する方法もあります。変動金利のため、インフレが生じれば金利も上昇する可能性があります。また、インフレ対応であれば、現物投資として金に投資することも検討できます。もちろん、金関連ファンドなどでもよいと思います。ただし、金投資の場合には利息は付きませんので値上がり益を狙うことになります。お客様に、こうした金融商品のうち、どれに興味があるかを聞いたうえで、インフレ対策や資産保全強化に努めていくとよいでしょう。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】
終身保険では、保険料払込期間が有期払いの場合と終身払いの場合を比較すると、他の契約条件が同一であれば、年払いの1回当たりの払込保険料は終身払いの方が高い。

<解答> ✕
終身保険では、保険料払込期間が有期払いの場合と終身払いの場合を比較すると、他の契約条件が同一であれば、年払いの1回当たりの払込保険料は終身払いの方が安くなります。

【問題2】
終身年金では、他の契約条件が同一の場合、保険料は被保険者が女性であるよりも男性である方が高くなる。

<解答> ✕
終身年金では、他の契約条件が同一の場合、保険料は被保険者が女性であるよりも男性である方が安くなります。

いかがでしたでしょうか?

それではまた次回、お楽しみに★