ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

FPの視点から考える営業開拓④

皆さん、こんにちは。
フォーサイトFP専任講師の伊藤亮太です。

前回に続き、今回も1つの事例として、富裕層のお客様への相続対策アプローチについて解説していきます。

■相続対策は3つの側面から検討する
一般的に、相続対策といえば、被相続人の死亡に伴って生じる財産の移転や承継を円滑に行う、すなわち「遺産分割対策」を最も重視すべきといえます。争族とならないようにするためには、分割しやすい財産をいかに多く保有しておくかがポイントです。分割しやすい財産といえば、例えば現預金、上場株式、国債、生命保険金などが該当します。特に生命保険金は現金と同じ機能を持ち、かつ受取人固有の財産となるため、遺産分割対策としてよく用いられています。

富裕層の場合、これ以外に2つの側面でも対策を行っていく必要があります。それは「納税対策」と「節税対策」です。相続税の納付は、原則として現金による納付となります。そのため、預貯金により確保できることが望ましいです。とはいえ、人間いつ死ぬかは誰も予期することができません。もし納税資金を準備する前に被相続人が死亡することになれば、相続人の預貯金から納税資金を確保するか、資産の売却によって確保する必要があります。そういう事態を避けるためにも、生命保険によって納税資金を準備する方法は有効だと考えられます。

もう一つの節税対策ですが、これは「いかに生前に資産を贈与移転しておくか」と「いかに相続財産の評価を減らすか」という2つの視点から考える必要があります。この場合も、生命保険を活用する方法が検討できます。例えば、現金を贈与し、贈与された現金で保険料を支払い、万が一の場合に保険金を受け取る仕組みを活用します。

こうした生命保険の活用は、富裕層顧客の相続対策には必須といってもよいでしょう。必ず関心を示すことになると思います。その関心を現実の対策にいかに落とし込むかが、皆さんにとって重要ポイントであり課題といえます。そのためにも、税理士など専門家に相談しつつ、お客様とともに様々な角度から理想的な財産移転をプランニングしていくことが求められます。

富裕層顧客の開拓は、最近お会いしていなかったお客様のリストからお声がけしてみる、相続関連のセミナーを開催する、お客様からの紹介を受けるといった手段が無難な方法です。既に対策を行っているかどうかだけでも聞いてみると何か進展があるかもしれませんよ。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】
普通傷害保険では、自転車で転倒して負ったケガが原因で罹患した破傷風は補償の対象となる。

<解答> ○
普通傷害保険では、日常における国内外のケガを補償します。

【問題2】
医療保険では、人間ドック等の治療を目的としない入院をし、異常が発見されなかった場合、入院給付金を受け取ることができない。

<解答> ○
人間ドック等で異常があり入院した場合には、医療保険から入院給付金を受け取ることが可能です。

いかがでしたでしょうか?

それではまた次回、お楽しみに★