ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

iDeCoについて③

皆さん、こんにちは。
フォーサイトFP専任講師の伊藤です。

前回に続いて、iDeCoやNISAについて解説していきます。

■老後資金として構築するならiDeCoをまずは検討すべき
老後資金の形成として検討するのであれば、まずはiDeCoを検討すべきです。特に長期間運用が可能な場合には、少額でもコツコツと資産形成を図ることで、非課税の恩恵や複利効果を享受できることになります。ただし、無理のない範囲から始めるべきでしょう。仮に毎月の掛金を上限まで出せるのであれば、最大限の節税効果を狙っていくのもよいでしょう。ただし、今後のライフプランによっては、様々な資金が必要となってくる可能性があります。そのため、毎月の収支状況を考慮しながら、例えば当初は月1万円などからはじめていくのもよいと思います。そして、資金に余裕ができたら掛金を増額し、最大限の節税効果を活かしていくといった方法も検討できます。

<節税効果を説明する>
例えば、年収500万円の会社員(独身)の場合、給与所得控除や基礎控除等を差し引くと所得税率は5~10%、住民税率は10%が適用されます。仮に年間276,000円の掛金をiDeCoに支払った場合、
 所得税 276,000円×10%=27,600円
 住民税 276,000円×10%=27,600円
つまり、年間で55,200円の節税を行うことができます。こうした節税がどの程度になりそうか、簡単な事例で説明するとよいでしょう。

■必要に応じて引き出しができるNISAも活用する
iDeCoの最大のデメリットは、途中での引き出しができない点にあります。仮に急な出費が生じた場合に、手元に資金がない、しかしながらiDeCoの資産はあるとなっては、引き出しもできず困惑することになることでしょう。そのため、日々の資金繰りが困らないようにするためにも、iDeCoとNISAをうまく使い分けていくことを検討します。

なお、NISAでは投資金額に対する節税効果はありません。あくまで5年以内の売却益や配当金、分配金が非課税となるものです。節税を重視しながら運用を検討されるのであればiDeCoを主体にすべきです。一方、流動性の確保を重視されるのであれば、NISAを重視すべきといえます。
その際に、例えばiDeCoもNISAも同じまたは同じような種類の投資信託で運用するといった方法が検討できます。iDeCoは中長期的な資産形成、NISAは短期~中期的な資産形成とし、NISAの枠を売却しても継続してiDeCoで運用できるようにすれば中長期的な世界の経済成長の恩恵等を享受できることになります。

また、iDeCoとNISAではあえて別の種類の投資信託等で運用することも検討できます。この場合には、分散投資のメリットを活かせます。例えば、iDeCoでは世界経済に投資する投資信託を中心に、NISAでは短期的に見て期待できそうな国に投資するといった方法も可能となります。中長期のiDeCoでは株式中心、短期~中期ではNISAにて外債型投信中心にし、資産全体での分散投資を図るといったことも検討できます。
このあたりの資産配分は、顧客の状況や投資経験等をもとに提案を行うべきでしょう。いずれにせよ、顧客本位で提案を行い、顧客のニーズを満たすことが大切です。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。○✕問題

【問題1】
遺産の分割は、民法上、遺産に属する物または権利の種類および性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態および生活の状況その他一切の事情を考慮して行うものとされている。

<解答> ○
遺産の分割は、民法上、遺産に属する物または権利の種類および性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態および生活の状況その他一切の事情を考慮して行うものとされています。

【問題2】
遺産の分割について、共同相続人間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、各共同相続人はその分割を公証人に請求することができる。

<解答> ✕
遺産の分割について、共同相続人間で協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、各共同相続人は家庭裁判所に対して調停の申し立てを行うことができます。

いかがでしたでしょうか?

それではまた次回、お楽しみに★