ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

金価格上昇の背景にある、金の需要3大理由とは?②

皆さん、こんにちは。
フォーサイト、FP講座専任講師の伊藤です。

前回に続いて、金価格上昇の理由について解説していきたいと思います。

■公的部門の金保有に異変が
1990年代から2000年代前半にかけては、国家等の公的部門ではどちらかといえば金の売却を行っており、これが金価格下落につながった側面があります。それでは今はどうでしょうか。実は2010年以降は公的部門は買い越しに転じており、新興国では金の保有量を増やしています。これが金価格が上昇した2つ目の理由になります。


(出所)ワールド ゴールド カウンシル/金プラチナ相場情報 Let’s GOLD

表をご覧ください。各国の金保有の推移を示していますが、先進国では変わらない、もしくは微増/微減となっているのがお分かりになっていただけることでしょう。しかしながら、中国やロシアを見ていただければお分かりのとおり、明らかに金の保有量を増やしていることがわかります。

中国は2005年3月時点では600トンの保有であったものが、2022年12月末には2.011トンまで保有量を増加させています。ロシアも2005年3月時点では387トンの保有であったものが、2022年12月末には2,299トンまで増やしています。両国共、たった17年程度で3~6倍ほどに金の保有量を増加させています。

この背景には、外貨準備の構成を変化させていることが考えられます。一般的に、新興国の外貨準備は米ドルに偏る傾向があります。しかしながら、米国債務上限問題など政治問題も含めドルの信認性が高いとは言えない状況にもなってきており、米ドルに偏る構成を変えたいのも思惑としてあるのでしょう。ウクライナの問題しかり、今後米ドルに偏ることなく、外貨準備における金の割合を高めておきたいのが本音だと思われます。

数年後にこの表の右側に1つ追加したときに、中国、ロシアがさらに買い増しをしている可能性もあるかもしれません。こうした背景が金価格上昇にもつながっているのです。

次回に続く。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。

【問題1】
健康保険の任意継続被保険者となるためには、健康保険の被保険者資格喪失日の前日までに継続して1年以上の被保険者期間がなければならない。

<解答>×
健康保険の任意継続被保険者となるためには、健康保険の被保険者資格喪失日の前日までに継続して2ヵ月以上の被保険者期間がなければなりません。

いかがでしたでしょうか?

それではまた次回、お楽しみに★