ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

個別の株式を考える際のポイントとは①

皆さん、こんにちは。
フォーサイト、FP講座専任講師の伊藤です。

ご存じのように、日経平均株価は3万円を超え、久しぶりの大幅高となっています。日経平均株価が上昇しているということは、個別の株式も大きく上昇しているものがあります。その理由として、今だからこそ注目すべきものがあります。それはいったい何でしょうか?

今回は、個別の株式を考える際のポイントについて解説します。

■PBRに注目してみよう
PBRは株価純資産倍率を示します。すでに各紙報道で発表されている通り、このPBRの低い企業に対して東京証券取引所が問題提起を行ったことで、PBR改善の動きが上場企業の中で波及しています。
発端は、2022年7月29日に開催された「市場区分の見直しに関するフォローアップ会議(第1回)」において、東京証券取引所が提出した資料にあります。その資料によると、欧米企業に比べて日本企業のPBR1倍割れの比率がかなり高いことが指摘されました。
資料によれば、主要企業では米国はPBR1倍割れは5%、欧州で24%に対して、日本は43%となっています。

PBR1倍割れとは、解散した方が株価価値よりも多く金額を受け取れることを意味します。これは、欧米に比べて日本の企業の価値が評価されていない裏返しともとることができるのです。そこで、2023年1月25日に開催された同会議(第7回)では、継続的にPBRが1倍を割れている企業には開示を強く要請していくと言及しています。
ここからいえることは、PBR1倍割れといった割安ではあるものの魅力のない企業に対して、魅力ある企業へと変貌せよと東証がはっぱをかけたことでより真剣に対応する企業が増加したものと思われます。そうしたこともあり、日経平均株価に見るように、株価が大きく上昇したといえる部分があるのです。

PBRの改善を行うには、株価を高くする方法が考えられます。株価を高くするためには、利益率の改善や利益拡大、自社株買いの実施、配当の引き上げなどの方法が考えられます。日本企業では、これまで蓄積した利益を現預金で貯めているケースもあり、必ずしも効率的な経営ができているとはいいがたい部分があります。そうした企業では、手許現金を活かし、自社株買いや配当の引き上げを実施する企業が増加しています。実際、PBRが改善する企業も多くみられるようになってきました。

次回に続く。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。

【問題1】
非永住者以外の居住者は、国内源泉所得に加え、国外源泉所得のうち国内において支払われたものおよび国外から送金されたものに限り、所得税の納税義務がある。

<解答>×
不適切。非永住者以外の居住者は、所得が生じた場所が日本国の内外を問わず、そのすべての所得に対して所得税の納税義務があります。

いかがでしたでしょうか?

それではまた次回、お楽しみに★