ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

個別の株式を考える際のポイントとは②

皆さん、こんにちは。
フォーサイト、FP講座専任講師の伊藤です。

前回に続き、今回も個別の株式を考える際のポイントについて解説します。

■配当利回りに注目しよう
前回は全体の話でしたが、ここで個別株の投資ポイントにうつります。前回示したように、PBR改善が株価を押し上げている側面が2023年後半も期待できそうです。ぜひ四季報などで上場企業各社の配当利回りをご確認ください。これまでには考えられなかったような配当利回りを達成する企業が出現しています。

一例として、未来工業(7931)を取り上げます。未来工業は、電設資材メーカーであり、業績予想も堅調となっています。そんな中、配当性向の目安を5割へと引き上げました。この結果、2023年3月期には1株当たり配当が50円だったのが2024年3月期には114円となり、配当金が倍以上に増えることになったのです。もともとキャッシュリッチな企業ではあったものの、思い切った措置をとりました。結果、株価も大幅に上昇。2023年1~2月には1株1500円前後だったのが2023年6月21日には2664円と年初来高値を更新しています。

中には、配当性向を100%にする会社も見受けられます。例えば、三ツ星ベルト(5192)は、2023年3月期以降、配当性向を100%としています。この結果、2023年6月21日執筆段階において、株価4305円に対し、配当は250円予想と配当利回りは5.81%となっています。この会社のすごいところは、配当を引き上げたことで株価が大幅に上昇したにもかかわらず、5%超の配当利回りとなっていること。実はこうした企業は複数存在します。つまり、PBR改善につながったほか、継続して配当利回りが高いため、今後も利益が増加すれば配当の増加が期待でき、株価が上昇する可能性が十分あると推測できます。

つまり、いま注目すべきは、こうした東証の改善要望に応えている企業に注目するほか、これから応えるであろうと推測される企業を探すこと。そのポイントは、キャッシュリッチでかつPBRが1倍割れている企業です。まだ配当を引き上げていない、自社株買いを実施していない企業が候補になります。また、すでに配当を引き上げている企業の中で、配当利回りが高くなっている企業も投資対象となりえます。
もちろん、今後企業の業績によっては配当を引き上げるといった政策を必ず実施するとは限りません。ただ、そうした企業に注目していくと、大きな値上がり益が期待できる企業の選別がしやすくなるかもしれません。ぜひ一つの考え方として、2023年後半も注目していきましょう。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。

【問題1】
一時所得の金額は、原則として、その年中の「一時所得に係る総収入金額-その収入を得るために支出した金額の合計額」の算式により計算される。

<解答>×
不適切。一時所得の金額は、原則として、その年中の「一時所得に係る総収入金額-その収入を得るために支出した金額の合計額-特別控除額(最高50万円)」の算式により計算されます。なお、総所得金額に算入する際には、1/2を掛けた金額を算入します。

いかがでしたでしょうか?

それではまた次回、お楽しみに★