ファイナンシャルプランナー講座の講師ブログ

iDeCoをどう解約していくか

皆さん、こんにちは。
フォーサイト、FP講座専任講師の伊藤です。

今回は、iDeCoの解約をどうしていくかについて解説していきたいと思います。

①いつまで運用を行うか?
 iDeCoは60歳まで掛金を拠出できます。そして、受取開始は60歳から可能です(10年以上加入者の場合)。とはいえ、60歳から受け取りたいと考える方は少ないかもしれません。少なくとも、運用は継続し65歳からの受け取りを希望される方は多いのではないでしょうか。2022年4月からは、最長で75歳から受け取ることもできるようになりました。
 ポイントとなってくるのは、いつから受け取りたいか、そしていつまで運用したいか。望ましいのは、目標金額を決め、その目標金額になったら売却し、iDeCoの預金または保険での運用を継続することです。そして、受け取りたい年齢から受け取ること。お客様が年何%ぐらいで運用したいのか、目標金額はいくらなのか?をお聞きし、状況を把握します。そして目標金額に到達したら、無理をせず預金か保険に切り替えて安全運転すべきとアドバイスしていきましょう。
 まだ目標金額に到達できていない。そうした場合には、iDeCoだけではなく、他の資産も含めて現状を把握、老後資金が足りているかを検討していきましょう。老後資産は十分あるということであれば、目標金額に到達していなかったとしても受け取りたい年齢から取り崩していくことも検討します。60歳から75歳の間で受け取りを決めればよいため、その15年の間に景気の良い時期があればそこで売却していくといった選択肢もよいかもしれません。

②一時金か、年金か、はたまた併用か
 iDeCoの資金は、年金か一時金、またはその併用で受け取る方法があります。どう受け取るべきかも検討していく必要があります。
 仮に一時金で受け取る場合には、退職所得扱いになります。この場合、加入期間が長くなるほど退職所得控除額が増えるため、税制面で有利となります。仮に25年間iDeCoに加入したとすると、1,150万円の退職所得控除が適用できます。退職所得控除は、会社員だけではなく自営業者でも適用できますので、退職金がない方は退職所得控除をうまく活用できるよう一括で受け取りも検討してみましょう。
 一方、年金で受け取るべき人はどのような方でしょうか。退職金がある方や毎月の生活費として受け取りたい方などが想定されます。年金で受け取る場合には、公的年金等控除の適用ができます。公的年金等控除は毎年適用できますので、受け取れる年金額を確認しつつ、年金がよいか一時金が良いかを検討していきましょう。
 なお、一時金と年金を併用するといった方法もあります。いずれにせよ、どのケースが税金を最も抑えられるか、どのケースでもらう方がリタイアメントプラン上問題なく過ごせるかを検討していくことが大切です。

<過去問題の演習>
3級・2級受験者、いずれも解いてみてください。

次の問題に答えなさい。

【問題1】
クーポンスワップは、異なる通貨間で将来の金利および元本を交換する通貨スワップである。

<解答>×
クーポンスワップは、異なる通貨間で将来の金利のみを交換する元本の交換を行わない通貨スワップ取引です。

いかがでしたでしょうか?
それではまた次回、お楽しみに★