旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

総合試験直前のヒント(1)-「時差計算を簡単にする裏技」

国内旅行業務取扱管理者試験を受験された皆様、台風による荒天の中、大変お疲れさまでした。沖縄会場をご予定されていた方は、やむを得ず中止となり、大変残念な思いでおられることと存じます。また、福岡会場をはじめ、交通機関の乱れにより受験が叶わなかった方もおられると存じます皆様のお身体とご自宅がご無事でありますことをお祈り申し上げます。

このブログでも、近々試験の講評を載せる予定です。
合格発表はまだ先ですが、皆さんの合格をお祈りしています。

さて、次は10月の総合試験です。
国内試験に引き続いて受験される方も多いことでしょう。
国内試験の経験を生かし、総合試験もがんばりましょう!

今回からは、総合試験の直前対策のヒントをお届けします。
これからも、皆さんからご質問が多かったテーマを取り上げていきます。
前回までの「国内試験直前のヒント(3回)」も引き続き参考にしてください。

第1回は、時差計算です。
JRや国際運賃と同様に計算問題の一分野といえますが、
これほど単純で、かつ間違いやすく、しかも役に立つ知識はなかなかありません。
例年は2問(10点)出題されていますので、大きな得点源です。

1.2都市間の時差
例年は、東京を正午とした場合の世界各地の都市の時刻を答える問題が出ます
(都市名で出されるので、地理の知識も必要です)。

そのためには、まず東京と外国の都市の時差が何時間あるか計算しなければなりません。
このときの大原則は、GMTとの時差の大きい数値から小さい数値を引くことです。

試験では、資料にInternational Time Calculatorが出ますので、
すばやく相手国のGMTとの時差を確認しましょう。

時差計算は、60進法と24(12)進法で計算するため、
10進法主流の日本人には今一つ感覚的にわかりにくいものです。

特に、日付がまたがるときが混乱しやすいようです。
このようなときは、一工夫してみましょう。

例)テキスト06 39ページのジャマイカの例
ジャマイカ(首都はキングストン:KIN)は、
通年GMT-5であり、DSTは実施していません。
東京との時差は、+9-(-5)=14時間となります。
このとき、±をうっかり間違えて、「時差は4時間」としないようにしましょう。

日本との時差が14時間あり、ジャマイカが遅れています。
よって、日本の時刻から14時間を引けばジャマイカの時刻となるのですが、
12:00(正午)-14:00という式になると答が出しにくいかと思います。

このようなときは、引かれる側(左側)の時刻に24:00を加えてください
12:00+24:00=36:00として、引き算をします。
36:00-14:00=22:00→午後10時です。

24:00(1日)を加えたので、日付を1日前に戻します。
よって、ジャマイカでは前日の午後10時となります。

二都市間の時差は、「数字の大きいほうから小さいほうを引く」こと、
日付がまたがるときは24時間を足してみる」ことを覚えてください。

2.飛行所要時間
①必ず到着時刻から出発時刻を差し引く
飛行所要時間は、まず出発時刻と到着時刻をGMTに換算するか、
どちらかの都市の時刻に合わせる
(通常は、到着時刻を出発地の時刻に合わせるが、この逆でもよい)ことが先です。

その後で、到着時刻から出発時刻を差し引きます
これもよく逆に計算してしまうことがありますので、注意しましょう。
ほとんどの場合、計算式は○時間○○分-○時間○○分と、分単位の数値になります。
分の繰り上げ・繰り下げがあり、引き算がわかりにくいときは、
分を適宜加えて(又は引いて)、引く側(右側)の時刻を1時間単位にしてください。

例)テキスト06 41ページの③の例
14:35-01:40の場合、両方に20分を足してやります。
14:35+0:20=14:55。01:40+0:20=02:00
すると、14:55-02:00=12:55となって計算がしやすいかと思います。
引くほうの時刻を1時間単位にしてあげることがポイントです。

②日付をまたぐときは、24時間を加える
例)時刻調整後、出発時刻が17:35、到着時刻が翌日の06:20の場合
この場合も到着時刻から出発時刻を引き、06:20-17:35が正しい計算式です。
ただし日付をまたぐ場合、このままでは計算しにくいので、
引かれる側(左側)に24:00を加えます

06:20+24:00=30:20として、これから17:35を引きます。
30:20-17:35となりますが、これも左右に25分を足すか、
又は35分を引いて、引く側を1時間単位に直して計算するとわかりやすくなります。
25分を足す形では、30:45-18:00=12:45となります。
※30:20について、時間のほうから60分を借りてきて、
29:80として引き算をする方法もあります。
29:80-17:35=12:45

時差計算はかなり感覚的なものなので、間違いも錯覚から起こります。
慣れてしまうと、上記の裏技も使わずに、より早く計算ができるようになります。
実際の旅行にも大変便利な知識です(すばやく時差計算ができると、
周りの人から見てかっこいいですね)。ぜひ得意分野にしてください。