旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

期間の定め方について

2014年5月22日に登録をした旅行業者代理業者の登録の有効期間の満了日は、いつか?

 「2019年5月21日!!」と嬉しそうに答えたあなた、間違っていますよ。
旅行業者代理業者に有効期間の定めはありません。
よくあるミスです。旅行業者の場合はこの日付で正しいですね。

この規定は、「登録の日から起算」という点が特徴です。どちらかというと少数派だからです。
期間の考え方では「○○の日の翌日から」と考えるのが多数派です。

多数派である一般的な期間計算の原則については、民法が定めています。
(民法第140条 )
「日、週、月又は年によって期間を定めたときは、
期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。」

『初日は、算入しない(つまり、翌日から起算)』とありますから、
旅行業法はこの点で例外です。
そこで同じ例外仲間を探してみました。

(年齢計算ニ関スル法律)明治35年法律第50号  ←この法律は今でも効力があるそうです。
「1  年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス」

(刑事訴訟法第55条)
「…(途中まで略)…但し、時効期間の初日は、時間を論じないで1日としてこれを計算する。」

 あえて探すまでもなく、重要なものがありました。
(JR旅客営業規則 第151条 有効期間の起算日)
「乗車券類の有効期間は、有効期間の開始日を特に指定して発売したものを除き、
当該乗車券類を発行した当日から起算する。」

上の例外を除けば、管理者試験で出題される規則は
ほとんどが一般原則に従い、初日を算入せずに、翌日や前日を起算点にしています。

代表的なものは以下の通りです。
―標準旅行業約款から―
・旅行開始前の解除による払戻しにあっては解除の翌日から起算して7日以内(払戻)
・損害発生の翌日から起算して2年以内に(損害賠償の請求)
・旅行開始日の前日から起算してさかのぼって(取消料の発生時期)

―国内航空約款から―
・航空券発行の日の翌日から起算して90日間有効(航空券の有効期間)
・有効期間満了後の翌日から起算して10日以内(払戻)

ところで、次の規定はどうでしょう。国際航空運賃でおなじみの規則です。
 ―全日空 スーパーエコ割規則から―
<購入期限>・予約完了後72時間以内

これも初日を入れないのかな? とは思わないでしょう。
この場合は、予約完了時から起算します。
それが一般原則です。一般原則はまた、民法にありました。

(民法第139条 )
「時間によって期間を定めたときは、その期間は、即時から起算する。」

今回はちょっと授業っぽいテーマを選んでみました。