今年度から観光庁では、「広域観光周遊ルート形成促進事業」に力を入れるそうです。
広域観光周遊ルートとは、
「複数の都道府県をまたがった、テーマ性・ストーリー性を持った
一連の観光地を、交通アクセスも含めてネットワーク化した周遊ルート」
を表します。
事業の趣旨は、これまでの訪日観光客は東京~富士箱根~京都~大阪の
いわゆるゴールデンルートに集中していたことから、
これを地方にも波及させ、活性化を図ることだそうです。
これを読んで、どこかの国を思い出しませんか?
… そう、ドイツです。
ドイツは長い間小国に分立していたため、
大きな都市が少ないのですが、その代わり特色ある地方が多く、
これらをつないで「観光街道」として売り出しました。
もっとも有名なものは「ロマンチック街道」でしょう。
ロマンチック街道は、
ドイツ南部にある中世の街並みが残る地方都市を結んだ、
約380㎞にわたる観光ルートで、
甘美なネーミングと合わせて日本人観光客に大人気の地域です。
これが大当たりしたため、
1985年、グリム童話の作者であるグリム兄弟の生誕200年を記念して、
北部の地域に童話の舞台をつないだ「メルヘン(おとぎ話の意)街道」ができました。
さらに、文豪ゲーテにちなんだ
旧東独の「ゲーテ街道」や「古城街道」「アルペン街道」「エリカ街道」
など登場しましたが、ちょっとやり過ぎですね(笑)。
でもこれらは管理者試験では必須項目です。(テキスト08 p.42~43参照)
試験対策としては、これらに加えてカナダの「メープル街道」を押さえておきましょう。
広域観光周遊ルート事業はこれをモデルとしているようです。
でも、実は日本にはすでにこれと似た街道があります!!
若狭から京都までの「鯖(さば)街道」、
群馬県の片品村周辺の「とうもろこし街道」、
山形県や熊本県にある「そば街道」です!!
鯖? とうもとこし? そば?
何故か食い物ばかりでちょっとアレですね(笑)。