旅行業務取扱管理者講座の講師ブログ

国内旅行業務取扱管理者試験実施結果の分析

10月26日に、令和2年度の国内旅行業務取扱管理者試験(9月6日実施)の合格発表がありました。少々間が空きましたが、実施結果を分析してみます。試験直後に公開した、能城講師の講評もご参照下さい。

受験申込者の総数は14,441名で、昨年度比は89.9%と10.1%の減少でした。コロナ禍のもとでの受験手続を考慮すると、思ったよりも減少率は低かったかと思います。また、全受験者の合格率は37.9%であり、昨年度の40.5%を2.6ポイント下回る結果となりました。ただし、受験者・合格者の数字には沖縄会場と福岡会場の再試験対象者は含まれていませんので、厳密な意味での比較はできません(以下の数値についても同様です)。

全受験者の結果はここまでとして、弊社の講座受講生の方々をはじめ、ほとんどの方が該当する「全科目受験者」の結果を中心に見ていきましょう。

全科目受験者の合格率は36.1%です。昨年度の全科目受験者の合格率は39.1%でしたので、3ポイント下回りました。ただし、直近5年間の平均合格率は34.7%であり、まずまずの好成績であったといえます。

それでも合格率が3%ダウンした理由は、科目免除受験者の結果からわかります。全科目受験者の結果に反して、科目免除受験者は、昨年度の合格率を上回っています。特に国内旅行実務免除者は昨年+4.7ポイントのアップとなっています。このことから、今年度は国内旅行実務の難度が高かったといえそうです(注)。

試験地別の合格率では、東京会場、愛知会場、大阪会場が例年通りベスト3を占めました。

職業別・年齢別の合格率は公表されていません。以下、受験者数と合格者数の構成比率からの推定です。合格者の年齢層では、25歳から59歳までが全国平均を上回っています。また、職業別では、旅行業、運送業は全国平均を上回りました。これはある意味当然として、最も受験者数が多い学生は、ほぼ全国平均と同等の合格率と推測されます。また、旅行業以外の一般社会人は、例年通り最も高い合格率となりました。

(注)科目免除者でも、法令免除者(約款、国内旅行実務の2科目受験者)は、更に前年度+8.2ポイント高かったのですが、分母がごくわずかのため、参照データとしては取り上げません。