金利・物価・為替レートの関係を理解する
金融資産運用の分野を学ぶうえで、金利がどのような要因で変動するかを理解しておくことは欠かせません。この講義では、景気・物価・為替レートという3つの観点から金利がどのように変動するか、そして為替相場に影響を与える要因と、為替レートの決定理論の一つである購買力平価説を、具体例とともに整理して解説します。

金利は、お金の貸借料のことです。金利が低いとお金を借りやすく、借りたお金を使うため経済が活発になります。反対に金利が高いとお金を借りにくくなり、経済は抑制されます。物の値段と同じように、金利も基本的にはお金に対する需要と供給のバランスで決まり、国内のさまざまな金利の大本は金融市場で決定されます。

景気と金利には密接な関係があります。景気が良くなると、企業の資金需要が増加し、個人の消費も拡大し、金融機関の貸し出しも増加するため、金利は上昇します。反対に景気が悪くなると、企業の資金需要が低下し、個人の消費も抑制され、金融機関の貸し出しも減少するため、金利は低下します。

物価と金利にも関係があります。物価が上昇すると、必要なお金の量が増加して資金需要が増加するため、金利は上昇します。反対に物価が下落すると、必要なお金の量が減少して資金需要が低下するため、金利は低下します。

為替レートと金利にも関係があります。円安になると輸入物価が上昇し、国内物価も上昇するため金利は上昇します。反対に円高になると輸入物価が下落し、国内物価も下落するため金利は低下します。たとえば1ドル=100円から1ドル=150円になるのが円安で、原油や天然ガスなど輸入品の価格上昇を通じて、電気やガス、ガソリン価格の上昇につながります。

為替相場は、各国の経済状況や政策、国際情勢など様々な要因によって変動します。金利が低い国・景気が悪い国・貿易赤字国・高インフレ率の国・紛争やテロのリスクが高い国では、国外へ資金が流出し、通貨の人気が低くなって通貨安になります。反対に金利が高い国・景気が良い国・貿易黒字国・低インフレ率の国・紛争やテロのリスクが低い国では、海外から資金が流入し、通貨の人気が高くなって通貨高になります。

購買力平価説は、2つの通貨の為替レートは、それぞれの通貨の購買力が等しくなるように決定されるという考え方です。購買力平価説によれば、2つの国において同じ商品の値段は同一となります。たとえば、米国で1ドルの商品が日本では100円で売られていたとすると、「1ドル=100円」がドルと円の為替レートとなります。

金利の変動要因は「景気が良くなる→金利上昇」「物価が上昇する→金利上昇」「円安になる→金利上昇」のように、矢印でつなげて整理すると覚えやすくなります。為替相場に影響を与える要因も、金利・景気・貿易収支・インフレ率・地政学リスクの5項目を、通貨高・通貨安それぞれの側でセットにして押さえておきましょう。