「人と自然が共存できる空間作り」がモットー | 色彩検定・カラーコーディネーター

実務家密着取材

直撃インタビュー
カラーコーディネーター・色彩検定 小林輝子さん

カラーコーディネーター・色彩検定

小林輝子さん

「人と自然が共存できる空間作り」がモットー
色彩知識と五感をフル活用し、
和モダンな住まいとライフスタイルを提案

1995年長崎総合科学大学工学部建築学科住居学を卒業
1996年熊谷組グループケージシステムコンストラクション(株)に入社
1999年カラーコーディネーター検定3級合格
2000年ファッションコーディネート色彩能力検定2級合格
2001年(株)ニッテイ建築設計に入社
2003年(有)田代計画設計工房に入社
2007年一級建築士資格取得
2008年アトリエきらら一級建築士事務所を設立
2011年古民家鑑定士1級資格取得、現在に至る。

アトリエきらら一級建築士事務所を主宰する小林さんは、「多くの人の役に立つ建築」をテーマに「自然や動物と共存するコミュニティー作り」をモットーとする建築家。カラーコーディネーターなどの色彩の資格に加え、古民家鑑定士1級も有し、日本古来の建築技法を現代風に上手くアレンジした和モダンな住まい作りを提案しています。そこに住まう人の生活のみならず、人生設計、さらにライフデザインまで、トータルに考えた家づくりを行う小林さんに、建築家から見た色彩の魅力、有用性についてお話いただきました。

小学校の建築に携わった父の背中を追って

「私の父は大手ゼネコンの現場監督を長く務めていました。その父が、建設を手掛けた小学校について、うれしそうによく話していたのを幼心に覚えています。」

地域社会の役に立つ建設の仕事を、喜びにも誇りにも思っていた父の後ろ姿を見て育ったという小林さん。成長するにつれ、次第に「私も多くの人の役に立つ建築をつくりたい」と思うようになっていったといいます。そして、小林さんの人生に大きな影響を及ぼした原風景が、古民家。

「多くの時間を過ごした母方の祖母の家は、築150年以上経た古民家でした。お庭には池があり、蔵があり、四季の移ろいが間近で感じられました。私が、自然や動物とも共存でき、長く住んでもさびれず、愛され、変化に順応できる建築を目指した原点はここだったと思います。」

父と同じ道をたどる決意をし、進んだ大学は工学部建築学科。住居学を学び、卒業後の就職先は大手ゼネコンの熊谷組グループ。まずは工事部で、工事関係者、顧客ニーズを探ることからキャリアをスタート。


女性の感性を活かした提案に、色彩知識の理論をプラス

現場管理はもとより、設計管理・材料調達・商品提案まで、顧客ニーズに沿って幅広く行う工事部。建築・設計というと、男性社会かと思いきや、そこで小林さんが求められたのは、女性ならではの感性と提案力だったといいます。

「お客様と一緒にショールームをめぐり、インテリアコーディネートのお手伝いをする機会も多くありました。そこで、色彩計画のご提案をすると、とても喜ばれたのです。たとえば、床を一番暗い色にして、壁、天井の順で明るくすれば、部屋の空間が広く見えやすいなど、色の組み合わせを変えるだけで、空間演出も変わるのです」

論理的に説明し、お客様の理解・納得を得るためには、それなりの十分な知識が必要。小林さんは、体系的なカラー知識を持つ必要性を感じるようになったといいます。

「個人的な好みで勧めているのではない、と分かっていただくために、しっかり勉強しようと思いました。それからすぐに教則本を取り寄せ、通信教育を始めました」

 通勤時間を利用し、電車の中で勉強しては帰宅後答え合わせをするというサイクルで、半年間勉強して合格したそうです。



「カラーの勉強は思った以上に面白かったですね。JIS・日本工業規格が規定している269色ある慣用色名を、配色カードの中から近いマンセル値という数字(色相、明度、彩度の3つの属性をそれぞれ数字で表し1つの色を表す)で表現できるように、覚えていくのですが、私は当時から古民家や和風建築に関心があったので、浅黄(あさぎ)色、萌木(もえぎ)色など、日本に古くからある色を体系的に学ぶ機会にもなりました。平安時代の十二単の色の合わせ方にも春夏秋冬でパターンがあるということも知りました。この知識は後々とても役に立ちました」


家づくりへの情熱で、一級建築士のハードルをクリア

もともと人の住む場所、住宅への興味が強かった小林さんは、個人住居の建築、家づくりの方向へ進むことを決意。ビル建設が中心だった大手ゼネコンから設計事務所に転職します。そして、「やがて時機がきたら独立しよう」と考えますが、そのために必要なのが一級建築士。

「実は私、高校までは文系だったんです。だから物理とか力学とか、本当に苦手でした。大学時代も友人に助けてもらい、基礎から勉強したほどで…。一級建築士に合格するまで、大変でしたね」

3年と期間を区切って必死で勉強し、見事に合格。それから間もなく独立し、アトリエきらら一級建築士事務所を設立します。



人一倍勉強熱心で、多くの資格を取得している小林さん。プライベートの素顔は、アクティブなアウトドア派。一番の趣味は釣りだといいます。

「おいしいお魚が食べたくて(笑)。大学が長崎だったので、その頃からの趣味です。港で釣り糸を垂れていると釣れるんですよ。釣った魚を食べるために、まずは魚をさばかなくてはなりません。小さいアパートの狭い台所でいかに手際よく調理するか。実地でキッチンの『生活動線』を考えていたようなものですね。この経験が役に立っていることもありますし…。いつ、どこで何がどう役に立つのか、分からないものですね。」


日本古来の伝統技法を現代の住まいづくりに援用

小林さんが独立当初から行っているのが、「将来住宅を持ちたい」、「リフォームしたい」と考えている人たちに家づくりのアドバイスをする活動。一般財団法人「住まいづくりナビセンター」から依頼を受け、「住まいづくりナビゲーター」として公正中立な立場からアドバイスをしています。

さらに、「日本古来の伝統建築の良さを現在の家づくりにいかしたい」という思いから、古民家鑑定士1級の資格も取得。

「やはり日本の気候・風土に合った家が一番長持ちします。伝統的な建築を残し国内産業を支えていくことは大事だと思うんです。昔の和風建築が今の生活に合わないとか、不便に感じることがある一因に、『家相』の重視があるような気がしています。もちろんお客様の気持ちは大切ですから、気になる場合は考慮しますが、私は『生活動線』を一番に考えた住まいを提案しています」



現在、小林さんが心掛けているのは、和のテイストを大事にしながら、デザインと快適な住まいを提案すること。たとえば、木の風合いを大事にする古民家風の家では、カーテンや電化製品、花瓶などに色を使い、家全体を明るくしたり、四季を演出したりするのだとか。そこで役立っているのが、カラ―の知識。

「洋服にしてもインテリアにしても、食べ物にしても、色の話題は尽きません。器と食材のバランス、盛り合わせの美しさなども、色合いでセンスのよさがにじみ出ます」

飽くなき探求心と尽きることない情熱。全力で家づくりに取り組む小林さんにとって、『住まい』とは、一体何なのでしょうか?

「住まいは、人の営みの基本である衣食住がすべてつまった場所です。人間の生活を豊かにするお手伝いが出来る、この仕事を私は誇りに思っています。これからも、多くの人々が自然と共存しながら、安らぎ、楽しんで暮らせる場を作っていきたいと思います」


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