FPの平均年収はいくら?公的データで見る目安と働き方別の違い・年収アップの考え方
- キャリアの基礎

FPとして働く場合、どのくらいの年収が見込めるのか。気になるところですが、実はFP資格に限定した公的な年収データは存在せず、「平均年収は〇〇円」と一律に語ることはできません。
この記事では、近い職種の公的データから見える目安と、企業勤務・独立・副業という働き方別の違いを整理してお伝えします。数字を読むときに気をつける点もあわせて扱います。
FPの仕事内容や将来性から確認したい方は、FPナビの記事一覧をご覧ください。
FPの年収は「一律にいくら」とは言えない理由
FPという資格に限定した公的データは存在しない
FP資格保有者に限定した平均年収の公的データは存在しません。
FPは特定の業種に限定された仕事ではなく、金融・保険業界の会社員から独立系の事務所経営者まで、働き方が幅広いためです。厚生労働省が毎年発表している賃金構造基本統計調査にも、業界・職種別のデータはあっても、「FP」という資格軸でのデータは含まれていません。
そのため、この記事で紹介する数字は、FPに近い職種の公的データから見た推計値として捉える必要があります。検索して出てくる「FPの平均年収」という数字も、何をもとにした数字なのかを確かめながら読むのが安全です。
逆に言えば、働き方を決めれば見通しは立てられます。この記事では企業勤務・独立・副業の3つに分けて、それぞれ何で決まるのかを見ていきます。
公的データから見る年収の目安
金融・保険営業職の想定年収は約527万円(2職種の単純平均)
FPが多く活躍する金融・保険業界の営業職の年収を、厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」の職種別の統計表から見てみましょう。月々決まって支払われる給与を12か月分にして年間の賞与を足すと、1年間の収入の目安(想定年収)が出せます。
| 職種 | きまって支給する現金給与額(月額) | 年間賞与その他特別給与額 | 想定年収 |
| 金融営業職業従事者 | 379,800円 | 1,513,300円 | 約607万円 |
| 保険営業職業従事者 | 324,100円 | 580,300円 | 約447万円 |
| 2職種の単純平均 | 351,950円 | 1,046,800円 | 約527万円 |
参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」職種別の統計表(e-Stat)
給与所得者全体の平均給与は、国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」で458万円です。これと比べると、やや高い水準にあります。ただし527万円は上の2職種を単純に平均した値で、従事者数による重みづけはしていません。あくまで近い職種からの推計であり、「FPなら必ずこの年収になる」という意味ではない点にご注意ください。
金融営業と保険営業では、160万円ほどの開きがあります。同じ「FPの知識が活きる職種」でも、業種によって水準は変わります。平均値だけを見ると、この幅が見えなくなります。
企業勤務の場合の年収
個人の資質・実績による差が大きい
企業勤務型のFPの年収は、勤務先の規模や地域よりも、個人の実績や資質による差が大きい傾向があります。
賃金構造基本統計調査でも、年齢が上がるにつれて賃金水準は高くなります。20代から40〜50代にかけて、緩やかに積み上がっていきます。
年齢とともに積み上がるということは、経験を重ねるほど評価されやすい仕事だということでもあります。入った会社で決まるというより、そこで何を担当し、どんな実績を残したかが後から効いてきます。
働き方別の1日の流れや業務の具体例は、FPの仕事内容を完全解剖で詳しく解説しています。
独立開業の場合の年収
振れ幅が大きく、公的データも存在しない
独立開業型のFPの年収をまとめた公的データは存在せず、個人の努力や工夫次第で年収の差が非常に大きくなる働き方です。
独立は営業から集客・商品選定まですべて自分で担うことになり、軌道に乗るまでの期間や成果に個人差が出やすいためです。成功すれば年収が大きく伸びる可能性がある一方、軌道に乗るまでは低い年収の期間が続くこともあります。
独立では、平均という考え方が当てはまりにくくなります。分布が広い集団の平均値は、実感と合わないことが多くなります。独立を検討するなら、平均ではなく、自分の場合の見通しを立てるほうが実用的です。
開業形態ごとの違いや、未経験からの独立で失敗しやすいポイントは、FPで独立開業する全手順で解説しています。
副業の場合の年収
本業と組み合わせて積み上げる形
副業型のFPは、本業の収入に副業分の収入を積み上げる形になります。収入の土台は本業の給与であり、そこにFPとしての相談業務等の収入が加わる構造です。
副業としての収入は、活動量や実績によって変動するため一概には言えません。案件ごとに条件が違うので、始める前に収入を見積もるのも難しいところです。まず1件を仕上げて、そこから次につなげていくことになります。
収入の話とあわせて確認しておきたいのが、勤務先の就業規則です。副業が認められているか、届出が必要かは勤務先によって異なります。本業とのバランスも含めて、始める前に確かめておきます。
始め方や住民税の扱いは、FPの副業は会社にバレる?で詳しく解説しています。
同じ「年収」でも、雇われる場合と独立では中身が違う
額面と、手元に残る額
働き方を比べるときに見落とされやすいのが、年収という言葉の中身です。
企業に勤める場合の年収は、税金や社会保険料が引かれる前の額面を指します。社会保険料は勤務先と折半で負担し、厚生年金にも加入します。一方、独立した場合の収入からは、事務所や通信の費用といった経費が出ていきますし、社会保険も自分で加入して全額を負担します。
つまり同じ「年収500万円」でも、手元に残る額と将来受け取る年金の見込みは変わります。数字だけを並べて比較すると、この差が見えません。
働き方を選ぶときは、額面ではなく、そこから何が引かれて何が残るかまで見ておきます。これはFPが相談の場で行う整理そのものでもあります。
年収アップにつながる考え方
資格は土台、伸ばすのは実務
FPとしての年収を伸ばすうえでは、資格を取得すること自体だけでなく、実務経験を積み、顧客からの信頼を積み重ねていくことが土台になります。
FPの相談業務は、顧客との信頼関係が紹介や継続相談につながりやすく、個人の実績が年収に反映されやすい仕事です。2級以上を取得することで、実務で求められる知識の幅が広がり、説明できる範囲も増えます。
ただし「資格を取ればすぐに年収が上がる」というものではありません。資格は話を聞いてもらう入口を作るもので、そこから先は実務でどう応えるかの積み重ねになります。
フォーサイトの合格実績・合格率データは合格実績・合格率データ分析でご紹介しています。
資格の段階で変わる部分と、変わらない部分
認定まで進むかどうかも選択肢
資格の側でできることとして、2級の合格の先にAFP認定を受けるという選択があります。
AFP認定には2級の合格に加えて認定研修の修了が必要で、合格しただけで自動的に認定されるものではありません。認定後は継続教育が続きます。制度が改正される分野を扱う以上、知識を更新し続けている状態であること自体が、実務での説明の確かさにつながります。
一方で、認定を受けたから年収が上がるという性質のものではありません。前の章のとおり、伸ばすのは実務のほうです。認定は、続けて学ぶ枠組みを持つかどうかの選択だと捉えるのが実態に近いといえます。
要件や費用はAFP登録の費用とメリットで確認できます。
講師からのアドバイス
年収について伝えたいこと
金山 浩晃講師の経歴はFP講座の講師紹介ページでご覧いただけます。
この記事のまとめ
よくある質問
FP資格に限定した公的データは存在しません。近い職種で見ると、令和4年賃金構造基本統計調査の職種別統計表から算出した想定年収は金融営業職業従事者が約607万円、保険営業職業従事者が約447万円で、2職種の単純平均は約527万円です。
一概には言えません。企業勤務は個人の実績による差が大きく、独立は振れ幅がさらに大きくなります。額面の比較だけでなく、経費や社会保険料の負担がどう違うかまで見る必要があります。
資格を取っただけで上がるものではありません。FPの相談業務は顧客との信頼関係が紹介や継続相談につながるため、実務経験の積み重ねが年収に反映されやすい仕事です。
案件の内容や活動量によって変わるため、あらかじめ収入を見積もるのは難しいところです。まず1件を仕上げて、次につなげていく形になります。始める前に勤務先の就業規則を確認してください。
認定を受けたから上がるという性質のものではありません。認定には認定研修の修了が必要で、認定後は継続教育が続きます。続けて学ぶ枠組みを持つかどうかの選択と捉えるのが実態に近いといえます。

年収は働き方によって幅があり、「資格を取ればすぐに高収入になる」というものではありません。大事なのは、資格を土台にしながら実務経験を積み重ね、顧客からの信頼を一つひとつ得ていくことです。数字を見るときは、額面だけでなく何が引かれて何が残るかまで見る癖をつけてください。焦らず、自分に合った働き方を見つけていってください。