開発行為とは ― 造成+建築で考える
テキスト44ページ、2の6「開発行為の規制」に入ります。ここは多いと2問出る場合もありますから、しっかりと見ていきましょう。まず趣旨です。土地の開発行為が無秩序になされると、都市の健全な発展と秩序ある整備を実現することは不可能となってしまいます。そこで、土地の開発行為を規制することにしました。流れとしては、そもそも今からする行為が開発行為に当たるのか、ここがポイントとなります。開発行為に該当するなら、開発許可を受けてくださいね、ということになるわけです。
では開発行為の意義、要件を見ていきましょう。①建築物の建築または特定工作物の建設、②その用に供する目的で行う、③土地の区画形質の変更、の3つです。簡単に言えば造成工事をして建物を建てること、算数の式で言えば「造成+建築=開発行為」です。ですから、造成だけをする場合は開発行為に該当しませんし、反対に建築だけをする場合にも該当しません。単なる土地の区画形質の変更は開発行為にあたらない、という点も押さえておいてください。なお、建築とは(1)新築(2)増改築(3)移転をいいます。
特定工作物 ― 第一種と第二種の違い
45ページで、第一種・第二種特定工作物をもう少し追いかけましょう。第一種特定工作物は公害の心配のある一定の工作物で、コンクリートプラントやアスファルトプラントが該当します。環境悪化をもたらすかもしれないので、規模の大小に関わらず規制されます。
一方、第二種特定工作物は、規模が小さければ計画的な都市づくりを妨げることはないので、大きいものだけが規制されます。1ha(10,000㎡)以上の運動場・テニスコート・野球場などが該当します。ただしゴルフコースは面積に関係なく該当します。ここはしっかり押さえておいてください。
許可不要の開発行為 ― 特例のパターンを整理
46ページ、では開発許可がいらない場合はどんなパターンかを見ていきましょう。テキストでは重要度★5、10年間の出題率7/12とされている最重要テーマです。まずは面積による特例です。市街化区域では1,000㎡未満の開発行為は許可不要になります。市街化調整区域は、田舎は田舎のまま取っておきたいので面積による特例がなく、どんな規模でも許可が必要になります。そして準都市計画区域と非線引き区域は3,000㎡未満であれば許可はいりません。左記以外の場合には1ha未満であれば許可がいらない、となります。
特例はまだ続きます。農林漁業の特例は市街化区域では「なし」、つまり市街化区域で農林漁業のための建築物を建てると言っても許可は必要です。それ以外の区域では、農林漁業の用に供する建築物や、農林漁業を行う人の居住用の建築物を建てる場合には許可不要になります。さらに公益的建築物(駅舎その他の鉄道の施設、図書館や博物館など)はすべての場所において許可不要。公益的事業の特例は、お役所がやることですから変なことはしないだろうということで許可不要です。最後に性質上の特例として、①非常災害のために必要な応急措置、②通常の管理行為や簡単な行為も、開発許可はいらなくなります。
申請手続 ― 誰が・誰に・何を
47ページには問題演習のポイントを載せています。「開発許可を受けなければならない開発行為は…」という問題では、1.まず開発行為にあたるのか? →Yes→ 2.許可不要の開発行為にあたらないか? の順に検討しましょう。
次に、許可がいるとなったら申請手続が必要です。誰が申請するのか。開発行為をしようとする者です。その土地の所有者である必要はないのですが、土地等の権利者の相当数の同意を得ておく必要があります。誰に申請するのか。①都道府県知事に、②指定都市・中核市においてはその市長に、開発許可を申請します。何を出すのか。①申請書は必ず書面で行い、開発区域の位置、区域および規模、予定建築物の用途、設計、工事施行者などを記載します。②添付書類として、実は同意書と協議書があります。
同意書は、開発行為によって影響が出ることが予想される既存の公共施設がある場合に、その管理者と協議し、その同意を得ておくもの。一方の協議書は、開発行為によって新たに設置される公共施設がある場合に、将来管理することとなる者と協議しておくものです。この同意書と協議書の違いを押さえておいてください。
審査 ― 不許可・許可と開発登録簿
48ページ、審査の結果を見ていきます。場合によっては不許可になることがあり、文書で遅滞なく通知されます。文句があったら開発審査会に対して不服申立(審査請求)をすることができます。
許可が受けられる場合にも、文書で遅滞なく通知があります。そして都道府県知事は、開発許可の内容を登録した開発登録簿というものを必ず作成して保管します。これは誰でも閲覧することができて、請求があったら誰に対してもその写しを交付しなければいけません。さらに重要な点として、知事は用途地域の指定のない土地の区域で開発許可をするときには、建築物の建蔽率・高さ・壁面の位置その他建築物の敷地・構造・設備に関する制限を定めることができます。原則としてこの制限に違反する建築物の建築はできませんが、知事の許可があれば制限に違反する建築も可能です。原則・例外のパターンで押さえておきましょう。
施行 ― 廃止・承継・変更のルール
49ページ、いよいよ施行です。まず廃止、途中でやめる場合です。開発許可を受けた者が工事を途中でやめる場合には、遅滞なくその旨を知事に届け出ます。いちいち承認はいりません。
続いて承継、開発許可に基づく地位の承継です。①一般承継の場合、たとえば相続です。変な人が地位を引き継ぐわけではないので、当然にその地位を承継します。②特定承継、開発区域内の土地を例えば売買で手に入れた場合には、変な人がその土地を買うといけませんので、知事の承認がないと地位を承継することはできません。
そして途中で開発行為の内容を変更する場合です。①開発許可を受けた者が内容を変更しようとするときには許可が必要です。ただし、そもそも開発許可が不要な場合(例えば面積を小さくする場合)に変更するときは、許可は不要になります。②軽微な変更をするときには知事に届出です。例えば予定が変わって工事が終了する日が変わる、といった簡単な変更については届出が必要となります。
工事完了 ― 検査・公告から建築へ
50ページ、工事が終わったら工事完了の旨を都道府県知事に届け出ます。ここでいう工事とは造成工事のことですよ。そして検査を受けて、工事の内容が許可の内容に合致しているかをチェックし、合致していれば検査済証が交付されます。
その後の公告も重要です。開発行為による工事によって公共施設が設置された場合、その公共施設は原則として、工事完了の公告の翌日から、公共施設の存する市町村の管理に属します。ただし、他の法律で管理者が別に定められている場合や、協議によって管理者が別に決まっているときには、それぞれの者が管理します。そして利用です。造成工事が終わったので、今度は建築物を建てるために建築確認を申請して確認を受け、いよいよ建築をスタートするというわけですね。




開発行為の許可不要面積の区域別基準は、数値を正確に覚える必要があります。表で整理して、ひっかけ問題にも対応できるようにしましょう。