宅建 講座 体験講義建築基準法 ~接道義務と用途規制~

この記事では、法令上の制限(建築基準法)の「接道義務」と「用途規制」をテーマにした体験講義の内容をお届けします。建物の敷地はなぜ道路に接していなければならないのか、という趣旨から始まり、接道義務の原則(幅員4m以上の道路に2m以上)、道路の要件と自動車専用道路の除外、幅員4m未満のみなし道路とセットバック、条例による制限の付加などの例外、私道の変更・廃止と道路内の建築制限、そして用途規制(敷地の過半ルールと用途地域ごとの建築可否の比較表)までを講師が順に解説していきます。

 

 

1. 接道義務の原則 ― 幅員4m以上の道路に2m以上
2. 例外 ― 4m未満のみなし道路とセットバック
3. 例外の続き ― 条例による付加・広い空地・農道
4. その他 ― 私道の変更・廃止と道路内の建築制限
5. 用途規制 ― 敷地の過半ルール
6. 用途規制の比較表 ― ゴロ合わせで効率よく覚える
目次
講義の概要

接道義務の原則 ― 幅員4m以上の道路に2m以上

テキスト64ページ、3の3「接道義務」を見ていきましょう。まず趣旨です。建物の敷地が道路に接していなければ、日常の通行や、火災の際の避難の場合に大変です。そこで、建物の敷地は道路に接していること、つまり接道義務が要求されているわけです。原則をまとめると、①都市計画区域・準都市計画区域内においては、②建築物の敷地は、③道路に、④2m以上接しなければなりません。

③の「道路」にも条件があります。幅員4m以上で、かつ、道路法による道路など一定の要件を備えることが必要とされています。ポイントは「4m以上」です。ただし、いくら4m以上であっても自動車専用道路はここでいう道路に含まれません。高速道路をイメージしてください。避難の場所が高速道路ではまずいですよね。だからここでいう道路には含まれないのです。また、特定行政庁がその地方の気候もしくは風土の特殊性または土地の状況により必要と認めて、都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、幅員6m以上となります。この6mという数字も押さえておきましょう。

ポイント:接道義務の原則は「幅員4m以上の道路に2m以上接する」。自動車専用道路は避難の場所となりえないため道路に含まれず、特定行政庁の指定区域では幅員6m以上が必要。

例外 ― 4m未満のみなし道路とセットバック

65ページ、原則があったら例外があります。日本の道路は意外と4m以上のものが少ないのです。そこで、幅員4m未満の道であっても、(1)都市計画区域・準都市計画区域が指定される前から、(2)すでに建築物が建ち並んでいるもののうち、(3)特定行政庁の指定のあるものは、道路とみなされます。この場合、道路の中心線から水平距離2mの線を道路の境界線とみなし、以後この内側に建物を建築できません。これがいわゆるセットバックと呼ばれるものです。

下の図で確認しましょう。幅員4m未満の道路で既存の建築物がある場合、指定後の建築物は中心線から2m下がったところでないと建てることができません。また、境界線の一方が川・崖等で結局4mにみたない場合は、崖等の側の境界線から水平距離4mの線を道路の境界線とみなします。イラストで確認しておきましょう。

ポイント:幅員4m未満でも「区域指定前から・建築物が建ち並び・特定行政庁の指定」の要件を満たせば道路とみなされる。その場合は中心線から2mのセットバックが必要(川・崖等がある場合は崖等の側から4m)。

例外の続き ― 条例による付加・広い空地・農道

例外はまだ続きます。②幅員6m未満の道路でも一定の条件をみたし、かつ特定行政庁の指定があれば道路とみなされ、①と同様の処理がなされます(ただし中心線より3m)。③は重要です。さらっと書いてありますが、地方公共団体は条例により制限を付加、つまり厳しくできます。「2m以上」の原則を「3m以上」のように厳しくすることはできますが、緩和はできません

④敷地の周囲に広い空地を有する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上および衛生上支障がないと認めて、建築審査会の同意を得て許可したものには、接道義務は適用されません。広い空地があればそこに逃げればいいからです。⑤も重要です。敷地が農道その他これに類する公共の用に供する道(幅員4m以上)に2m以上接する建築物で一定の基準に適合し、特定行政庁が支障がないと認めるものも、やはり接道義務は適用されません。

ポイント:条例による制限は「付加(厳しく)」のみ可能で緩和はできない。広い空地を有する場合や農道等(幅員4m以上)に2m以上接する場合は、接道義務が適用されない。

その他 ― 私道の変更・廃止と道路内の建築制限

66ページ、その他の規制です。①私道の変更または廃止によって、建物の敷地が道路に2m以上接しなくなる場合には、特定行政庁は「ちょっと待てよ」という感じで、その私道の変更または廃止を禁止または制限することができます。

②原則として道路内には建築物を建築してはいけません。当たり前ですね。ただし道路内であっても、(1)地下に設ける建物(いわゆる地下街)、(2)公衆便所や巡査派出所等の公益上必要な建物で特定行政庁が支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの、(3)公共用歩廊(アーケードをイメージしてください)その他政令で定める建築物で特定行政庁が周囲の環境を害するおそれがないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものは、例外的に建築できます。③特定行政庁は、必要があると認める場合には、建築審査会の同意を得て壁面線を指定することができます。壁面線が指定されると、原則として建築物の壁や柱等は壁面線を越えて建築することはできなくなります。

ポイント:私道の変更・廃止で接道義務を満たさなくなる場合、特定行政庁は禁止・制限できる。道路内の建築は原則禁止だが、地下街・公衆便所・巡査派出所・公共用歩廊等は例外的に建築できる。

用途規制 ― 敷地の過半ルール

68ページ、3の4「用途規制」を見ていきましょう。趣旨は、用途地域に指定した以上、そのプランに従って建物を建築しなければならない、というものです。まとめは星5個、テキストでは10年間の出題率9/12とされている頻出テーマです。赤文字が重要です。敷地が複数の地域にわたる場合、敷地の過半に属する地域、つまり広い方に属する地域の用途規制が適用されます。

では、この建物は自由に建てることができるのか。テキストの表では、自由に建築できるものを●、勝手には建てることができず許可を受けることで建築できるものを×として整理しています。ここはゴロ合わせなどを使って覚えるしかないところです。

ポイント:敷地が複数の用途地域にまたがる場合は、敷地の「過半」(広い方)に属する地域の用途規制が敷地全体に適用される。

用途規制の比較表 ― ゴロ合わせで効率よく覚える

ポイントに触れておくと、まず宗教関係(神社・寺院・教会)や公衆浴場、診療所、交番など、これらは人がいる限り必要なものですから、どの用途地域であっても建築することができます。

その下の住宅や共同住宅などは、一番右の工業専用地域だけが×となっています。テキストには「週8日働かないと家は買えない(8だけ×)」のようなゴロ合わせも載っています。幼稚園・小学校・中学校・高校は「ハナ子は小学生(8・7だけ×)」、大学・病院は「イヤナ大学病院(1・8・7だけ×)」です。69ページにも自動車教習所、事務所、ホテル・旅館、ボーリング場などの行が続きます。

このあたりは、いきなり表を丸暗記するのではなく、できれば過去問を解きながらテキストに戻って暗記を頑張ってください。70ページ・71ページにも暗記のポイントが載せてありますので、ぜひ活用してください。逆に、暗記さえしていれば1問ゲットできるわけです。

ポイント:宗教関係・公衆浴場・診療所等はどの用途地域でも建築可。住宅は工業専用地域のみ×。比較表はゴロ合わせを活用し、過去問と往復しながら覚えれば確実な得点源になる。

講師コメント

用途規制の比較表は出題率9/12と非常に高いテーマです。ゴロ合わせなども活用しながら、用途地域ごとの建築可能な建物を効率よく覚えていきましょう。

宅建士講座 窪田義幸
建築物の敷地は幅員4m以上の道路に2m以上接する必要がある
幅員4m未満の道路ではセットバックが必要
用途地域ごとに建築できる建物の種類が制限される
用途規制の比較表は試験頻出(出題率9/12)
この講義のまとめ
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