【宅建5点免除】登録講習とは?費用・期間とメリット・デメリットを徹底解説
- 試験の基本情報

宅建の5点免除(5問免除)制度を徹底解説。対象者の条件から、登録講習の内容・費用相場・スクーリングの日程、申し込みはいつまでかという期限、一般受験者との合格率比較、登録実務講習との違いまで、宅建業に従事する方が知りたいポイントをわかりやすく紹介します。
なお、本記事は宅建試験の全体像を解説する「宅建試験 完全ガイド」の一部です。試験や資格の基本情報から確認したい方は、まずこちらのページをご覧ください。
宅建の5点免除(5問免除)とは?
「不動産会社で働いているなら5点免除が使える」と聞いたものの、仕組みや手続きがよくわからず迷っていませんか?宅建試験は近年合格率約17%の狭き門ですが、5点免除(5問免除)は宅建業従事者だけが利用できる有利な制度です。ただし事前に登録講習の修了が必要で、申込時期を逃すとその年の試験では利用できません。しかも「登録実務講習」という名前の紛らわしい別制度もあり、混同したまま調べている人が少なくありません。
本記事では、5点免除の仕組み・対象者・登録講習の内容と費用・申込スケジュール・合格率データまでを一気に整理します。まずは制度の基本から確認しましょう。
試験50問のうち46〜50問目が免除される制度

宅建における5点免除(5問免除)とは、宅建業に従事している人を対象に、試験全50問のうち46〜50問目の5問が免除される制度です。免除対象の分野は事前の登録講習で学習済みと判断されるため、その分の解答が不要になります。
免除利用者は残りの45問だけを解答すればよく、合格ラインも実質5点分低くなります。たとえば合格点が30点の年であれば、一般受験者は50問中30問以上の正解が必要ですが、免除利用者は45問中25問の正解で合格となります。対象者にとって、合格に大きく近づける制度といえます。
免除されるのは「税・その他」のうち統計・土地建物の分野
宅建試験の出題は、宅建業法20問・権利関係14問・法令上の制限8問・税その他8問の4分野で構成されます。5点免除で免除されるのは、このうち「税・その他」の後半にあたる例年46〜50問目の「その他」分野です。
具体的には次の内容が出題される部分です。
- 土地の形質・地積・地目及び種別、建物の形質・構造及び種別に関すること
- 宅地及び建物の需給に関する法令並びに実務に関すること
地形や統計情報など法律以外の知識を問う問題が中心で、対策がやや面倒な範囲です。免除を使えばこの分野の学習が不要になり、より重要で難解な法律科目の勉強に集中できます。
試験時間は10分短い1時間50分
免除利用者の試験時間は13時10分〜15時の1時間50分です。一般受験者の13時〜15時(2時間)に対して、5問免除される分だけ開始が10分繰り下がります。
解答すべき問題数が5問少ないため、時間面のハンデはほぼありません。ただし当日の集合・着席時刻が一般受験者と異なるので、受験票で必ず確認しましょう。
5点免除の対象者と利用条件
5点免除は誰でも使える制度ではありません。利用には次の2つの条件を両方満たす必要があります。
条件1:宅建業に従事し「従業者証明書」を持っていること
第一の条件は、宅地建物取引業(宅建業)に従事し、従業者証明書の交付を受けていることです。従業者証明書は、正社員に限らず派遣社員やアルバイトであっても、宅建業に従事していれば発行されます。実務経験の長さは問われません。
逆にいえば、宅建業に従事していない一般の受験者はこの制度を利用できません。
条件2:登録講習を修了していること(修了後3年以内有効)
第二の条件は、国土交通大臣の登録を受けた機関が実施する「登録講習」を受講し、修了試験に合格していることです。修了試験に合格して登録講習修了者となれば、修了後3年以内に実施される宅建試験で5点免除を申請できます。
なお、講習を受講中の段階では登録講習修了者とは認められません。この2条件を満たして初めて、試験申込時に免除を申請できます。
5点免除に必要な「登録講習」とは?内容・期間・修了試験
5点免除のカギとなるのが登録講習です。ここでは学習内容・受講の流れ・修了試験について確認します。
学習内容は宅建試験と重なる分野
登録講習では、次のような科目を学習します。実施機関が違っても、カリキュラムの内容はほぼ共通です。
- 宅建業法とその他の関連法令に関する内容
- 宅地や建物の取引に係る紛争の防止に関する内容
- 土地の形質・地積、地目や種別、建物の形質・構造や種別に関する内容
- 宅地や建物の需給に関する内容
- 宅地や建物の調査に関する内容
- 宅地や建物の取引に係る税務に関する内容
このように、登録講習の学習範囲は宅建試験の出題分野と大きく重なります。講習の受講そのものが試験対策のアドバンテージになるのも、この制度のメリットです。
通信学習1〜2ヶ月+スクーリング1〜2日(計10時間)
登録講習の流れは「通信講座での自宅学習→会場でのスクーリング(対面講義)」の2段階です。申込後に実施機関から教材が届き、通常1〜2ヶ月を目安に自分のペースで通信学習を進めます。
その後、会場で1〜2日間・計10時間のスクーリングを受講します。スクーリングは原則として会場での受講ですが、オンライン形式で対応している機関もあります。会場や講義形式は機関により異なるため、申込前に確認しましょう。
修了試験は、各登録機関に確認を!
スクーリング後には修了試験が行われます。出題範囲は通信講座とスクーリングで学習した内容ですが、解答形式・問題数・合格点などは各登録講習機関が個別に定める運用のため、各機関により異なります。
講習内容をしっかり復習すれば対応できる水準ですが、高い正答率が求められることに変わりはありません。油断せず学習して臨みましょう。
登録講習と登録実務講習の違い
「登録講習」とよく似た名前の制度に「登録実務講習」があります。名前は似ていますが、対象者も受けるタイミングも全く異なる別の講習です。
「試験前の5点免除用」と「合格後の登録用」で全く別の講習
両者の違いは次の表のとおりです。
| 講習名 | 対象者 | 実施タイミング | 目的 |
|---|---|---|---|
| 登録講習 | 宅建業従事者で宅建試験を受ける人 | 宅建試験の受験前 | 5点免除の利用 |
| 登録実務講習 | 宅建試験合格者のうち実務経験が2年未満の人 | 宅建試験に合格し、合格証書送付後 | 宅建士の資格登録 |
本記事で解説しているのは前者の「登録講習」です。合格後に必要となる登録実務講習については「宅建 登録実務講習」の記事で詳しく解説しています。
登録講習の費用相場と申し込み時期(いつまで?)
登録講習の利用を決めたら、気になるのは費用と申込期限です。特に申込時期は「その年の試験で使えるかどうか」を左右します。
費用相場は1万5,000円〜2万円
登録講習の費用は実施機関によって異なりますが、相場は1万5,000円〜2万円程度です。基本の費用は相場程度でも、Web申込割引や早期申込割引を設けている機関もあります。
カリキュラムの内容はどの機関でもほぼ共通のため、費用・時間割・会場などを比較して、自分に合ったところを選びましょう。実際にかかる費用は各機関の公式サイトで事前に確認するのが確実です。
その年の試験で使うなら5月中旬までの申し込みが目安
登録講習は、申込から修了までに2ヶ月程度かかります。宅建試験の受験申込は例年7月に行われ、その際に登録講習修了者として免除を申請する必要があるため、その年の試験に間に合わせるには5月中旬頃の講習申込が最終目安です。
講習の募集は例年1月〜5月頃に行われますが、受講人数に限りがあり、早い機関では春頃に募集を締め切ることもあります。
登録講習は受け入れ数に上限がある機関が多く、締切間際は満席の可能性があります。5点免除を使うと決めたら、年明け〜春の早い時期に申し込みを済ませましょう。申込時には修了時期も必ず確認してください。
5点免除を利用するまでの6ステップ
登録講習の申込から実際に5点免除で受験するまでの流れは、次の6ステップです。
ステップ1〜3:講習申込→通信学習→スクーリング
まずは登録講習の受講から始めます。
- 登録講習の受講申込:実施機関は国土交通大臣の登録を受けた機関で、国土交通省のホームページに一覧が掲載されています。郵送またはWebで申し込みます。
- 通信講座の受講:申込後に届く教材で自宅学習を進めます。受講期間は通常1〜2ヶ月が目安です。修了試験はこの通信講座の内容から出題されるため、毎日少しずつでも継続して学習しましょう。
- スクーリングに参加:会場での対面講義を1〜2日間・計10時間受講します。
ステップ4〜6:修了試験→修了者証明書→試験申込時に免除申請
スクーリングを終えたら、修了試験から免除申請へ進みます。
- 修了試験を受ける:合格基準は機関により異なるので必ず確認を。
- 登録講習修了者証明書の交付:合格すると証明書が交付されます。有効期間は3年間です。
- 宅建試験の申込と同時に5点免除を申請:宅建試験の申込は例年7月に開始されます。郵送申込の場合は証明書の原本を添付し、Web申込の場合は修了番号での照合となるため原本の添付は不要です。
ただし、修了者証明書が試験申込期日の直前に交付された場合は、修了番号の照合が間に合わず郵送での申込になることがあります。証明書と修了番号は大切に保管し、余裕を持って手続きしましょう。宅建試験の申込方法の詳細は「宅建試験の申込方法」で解説しています。
5点免除のメリット・デメリット
5点免除の利用には費用も手間もかかります。メリット・デメリットを整理して、利用すべきか判断しましょう。
メリット:合格率が高まり、法律科目に集中できる
最大のメリットは、合格の可能性が高まることです。合格基準が実質5点分引き下げられるのに加えて、5点免除利用者の合格率は一般受験者より高い傾向にあります。
また、対策が面倒な統計・土地建物分野の学習が不要になるため、宅建業法や権利関係といった難解で配点の大きい法律科目に学習時間を集中できる点も見逃せません。
デメリット:費用とスクーリングの日程調整
デメリットは、登録講習の受講に費用(相場1万5,000円〜2万円)がかかることと、最大2日間のスクーリングの日程確保が必要なことです。
スクーリングの実施日は機関によって異なり、平日に行われることも少なくありません。仕事がある場合は休暇を取るなどの調整が必要です。とはいえ、合格可能性の向上という見返りを考えれば、対象者にとって利用価値の大きい制度です。
一般受験者と5点免除利用者の合格率比較
5点免除の効果は、年度別の合格率データにはっきり表れています。
免除利用者の合格率は一般受験者より高い
一般財団法人 不動産適正取引推進機構の公表データをもとに、一般受験者と5点免除利用者の合格率を比較すると次のようになります。
| 年度 | 全体の合格率 | 一般受験者の合格率 | 5点免除利用者の合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和5年度 | 17.2% | 15.3% | 24.1% |
| 令和4年度 | 17.0% | 16.9% | 17.3% |
| 令和3年度(10月実施分) | 17.9% | 16.9% | 21.3% |
年度により差はあるものの、5点免除利用者の合格率は一般受験者を上回って推移しています。令和5年度は一般受験者15.3%に対して免除利用者24.1%と、特に大きな差がつきました。
合格基準の実質引き下げに加え、免除利用者は宅建業の実務に日々触れている層であることも、この差の背景と考えられます。使える立場にあるなら、使わない手はない制度です。宅建試験全体の合格率・難易度については「宅建の難易度・合格率」で詳しく解説しています。
5点免除だけに頼らない!合格を確実にする学習戦略
5点免除は強力な制度ですが、免除されるのは50問中の5問だけです。最後に、合格を確実にするための学習の考え方を押さえておきましょう。
免除は5問だけ。勝負は残り45問
5点免除を使っても、宅建業法20問・権利関係14問・法令上の制限8問といった主要科目は、すべて自力で得点しなければなりません。宅建合格に必要な勉強時間は初学者で300〜500時間程度とされており、免除の有無にかかわらず計画的な学習が不可欠です。
幸い、登録講習の学習範囲は宅建試験の出題分野と重なるため、講習と試験勉強を並行させれば相乗効果が得られます。5点免除は「保険」と位置づけ、残り45問の学習戦略にこそ力を注ぎましょう。必要な勉強時間の詳細は「宅建の勉強時間」をご覧ください。
仕事と両立するなら通信講座の活用が近道
宅建業で働きながらの受験は、学習時間の確保が最大の課題です。通勤時間や休憩時間などのスキマ時間で学べる通信講座なら、時間や場所を選ばず自分のペースで学習を進められます。
フォーサイトの宅建講座は、満点ではなく合格ラインを意識した教材で効率的な学習を追求しています。5点免除と効率的な通信講座学習を組み合わせて、合格の可能性を最大化しましょう。まずは無料の資料請求で、教材との相性を確かめてみてください。
この記事のまとめ
- 5点免除(5問免除)は宅建業従事者が使える制度で、試験50問のうち46〜50問目が免除される
- 利用条件は「従業者証明書を持っていること」と「登録講習の修了(有効期間3年)」の2つ
- 登録講習は通信学習1〜2ヶ月+スクーリング1〜2日(計10時間)+修了試験で構成される
- 費用相場は1万5,000円〜2万円。その年の試験で使うなら5月中旬頃までの講習申込が最終目安
- 免除利用者の試験時間は13時10分〜15時の1時間50分で、一般受験者より10分短い
- 令和5年度の合格率は一般受験者15.3%に対し免除利用者24.1%と、免除利用者が高い傾向にある
- 合格後に受ける「登録実務講習」とは対象者・タイミングが全く異なる別制度なので混同しない
- 免除されるのは5問のみ。残り45問に向けた計画的な学習と通信講座の活用が合格のカギ
よくある質問
免除されるのは「税・その他」分野のうち、例年46〜50問目で出題される部分です。具体的には、土地の形質・地積・地目及び種別並びに建物の形質・構造及び種別に関すること、宅地及び建物の需給に関する法令並びに実務に関することが出題される範囲で、統計情報など法律以外の知識が問われます。免除利用者は45問まで解答すればよいことになります。
5点免除の申請は、例年7月に行われる宅建試験の受験申込と同時に行います。そのため、それまでに登録講習を修了しておく必要があります。登録講習は申込から修了まで2ヶ月程度かかるため、その年の試験で使うなら5月中旬頃の講習申込が最終目安です。受講人数に限りがあるので、早めに申し込みましょう。
一般受験者の合格点が50問中30点の年であれば、5点免除利用者は45問中25点の正解で合格となります。合格ラインが実質5点分低くなるイメージです。宅建試験は1点の差が合否を分ける試験のため、この5点のアドバンテージは非常に大きいといえます。
使えます。従業者証明書は、宅地建物取引業に従事していれば、正社員に限らず派遣社員やアルバイトにも発行されます。実務経験の長さも問われません。従業者証明書の交付を受けたうえで登録講習を修了すれば、雇用形態にかかわらず5点免除を申請できます。
修了試験は通信講座とスクーリングで学習した内容から出題され、問題数や合格基準は各機関により異なります。講習内容をしっかり復習すれば対応できる水準ですが、高い正答率が求められるため、通信学習の段階から計画的に学習を進めておくことが大切です。
