怒涛のリーマンショックを乗り越え、地域密着の不動産会社として再起

二見大志さん
宅地建物取引士 二見 大志 さん

東京・秋葉原でタイシハウスという不動産会社の代表取締役を務める。神田・秋葉原エリアを中心にオフィス・店舗・マンションの賃貸売買仲介、管理の仕事を手掛けている。

なお、本記事は宅建士のキャリアパス全体を解説する「宅建士とは?仕事内容・年収・将来性を政府データで徹底解剖」の一部です。試験や資格の基本情報から確認したい方は、まずこちらのページをご覧ください。

経歴
年出来事
1993年早稲田大学法学部を卒業
1993年安田不動産に入社、宅地建物取引士資格取得
2000年日本橋建物に入社
2003年日本橋建物退社、宅地建物取引業免許取得
2004年浅草で独立・開業
2006年秋葉原電気街に事務所を移す
2010年リーマンショックのあおりを受け、会社整理
2010年秋葉原で再び会社を興し、現在に至る
もくじ

大会社→中堅会社→開業と、独立までフルコースを歩む

二見大志さんインタビュー

大学時代から資産法、土地法、借地借家法に関心を持ち、不動産業界進出を目指していた二見さんは1993年に安田不動産へ入社。「安田不動産は旧財閥系で、大規模な土地開発、街づくりなどがメイン。神田・日本橋界隈のオフィスビルのテナント募集を担当していました。」

地元の中小業者との関わりの中で、「彼らの仕事のほうが変化に富んでいて面白そうに思えてきた」ため、独立を視野に入れるも、「オフィスなどの事業系だけではなく、居住系の物件の仕事を覚えておいたほうがいい」と判断し、建売戸建販売が専門の日本橋建物へ転職。

営業や仕入れ、情報収集からスタートした後、徐々に財務や経理も手掛けるように。「オーナー社長の仕事ぶりを間近で見られたことで、独立する上で非常に勉強になりました。特に大変だと思ったのは資金繰りでしたね。」

火災保険や家財保険を取り扱える保険代理店(募集人)の資格も取得し、2003年に独立を決行した。

リーマンショックで会社を整理するも、再び立ち上がる

二見大志さんインタビュー

開業初案件は「家賃6万円弱のワンルームマンションの賃貸契約」。その後、マンション購入→リフォーム→売却で利益を上げていった。「日本橋建物時代に知り合った金融機関との信頼関係が功を奏し、信用金庫から融資を受けられたのはものすごく有難かったですね。」

ピーク時には月に4〜5件のマンション売買を手掛け、残高5億円、社員5〜6人を抱えるまでに成長。しかし2008年のリーマンショックが転機に。「相場価格がぐっと下がり、売り急ぐと逆ザヤになって損が出てしまうため、売るに売れない状態に…。かといって、金融機関への返済期日は確実にやってくるので、資金繰りが大変でした。」

結果として既存会社は整理されたが、「この仕事が好きだし、会社はなくなっても人のつながりはなくならなかったのが大きかった」として、同じエリアで事業を再開した。

生生流転する東京・下町エリア 今面白いのは秋葉原

二見大志さんインタビュー

現在の主要業務は「秋葉原・神田エリアを中心とした、事務所・店舗の賃貸・仲介・管理」。最近増加しているのが「サラリーマンの投資用マンションの管理業務。家賃滞納への対応や住居者間のトラブル対応を引き受ける仕事です。オーナーさんにとって家賃の督促は気が重いものですし、電話応対などの煩わしさもなくなるので依頼は多いですね。」

オフィスの様子

秋葉原の変化について「『出店したい』という方も多く、駅前は特に人気ですね。ただ、古いビルは設備面や耐震面で難しく、動かせる物件が少ないのが悩みの種。」とも指摘。「値段を下げれば決まる物件も、多くありますが、『すでに入居している契約者の手前、値下げに応じられない』というオーナーさんも多い」という課題がある。

成功の要諦は「より良い出物情報を早くキャッチするか。お客様の求める物件に対し、いかにアプローチできるか」であり、その基盤となるのは「オーナーさんとの信頼関係」。「空き室が出たとき、うちの事務所に一番に連絡をいただけるよう努力しています。オーナーさん同士が会話の中で『タイシさんに頼んでみれば?』と紹介してくださることもあって、そういうときは、やはり地元に根差してやってきてよかったと思います。」

種ないところに花咲かず いつもどこでも「種まき」を

タイシハウスの熊手飾り

「同じ物件はどれ一つとしてなく、全商品それぞれに魅力がある。そんな不動産の仕事が大好き」と語る二見さんは、平日は必ず事務所を開き、「物件を見たい」という人がいれば休日返上で対応。情報収集や顔つなぎのため夜のつきあいも出来るだけ参加しているハードワーカーである。

独立前に最も重視したのは「ネットワーク」。「OB会や町内会、その他、自分の持つネットワークの中で、『今度独立するので、何かあったら声をかけてください』と広めるなど、独立前に、ある程度の『種まき』をおススメします。」

今後の展望について「景気も上向きが期待できそうなので、また、物件を保有したいと思っています。単に『買って売って儲ける』だけではなく、買った物件を使ってこれまでと異なるビジネスモデルにもチャレンジできれば、と。私も会社も、より大きく花開くよう、これからも種をまいていきたいと思っています。」と述べている。

二見大志さんの「ある1日」のスケジュール

時刻活動内容
8:30出社。メールチェック、当日のスケジュール確認
9:00物件情報の確認・新着物件のリサーチ
10:00オーナー訪問・物件の現地確認
12:00昼食(近隣の飲食店オーナーとの情報交換を兼ねることも)
13:00来客対応・物件案内(事務所・店舗の内見)
15:00契約書類の作成・管理物件の対応(家賃督促、トラブル処理等)
17:00金融機関や取引先との打ち合わせ
18:30事務処理、翌日の準備
19:30地元の会合・OB会等(情報収集・顔つなぎ)

※インタビュー内容をもとに構成した一例です。

宅建ナビ一覧へ戻る