社会保険労務士 講座 体験講義基礎講座8 厚生年金保険法03 適用事業所・被保険者等①

社会保険労務士試験の重要科目である「厚生年金保険法」。その中でも、学習の土台となる「適用事業所」と「被保険者」のルールについて解説します。厚生年金保険法は健康保険法と重複する部分が多く、効率的に学習を進めることが合格への近道です。フォーサイトの講義では、強制適用と任意適用の違いや、事業所の一括ルールなど、試験に出やすいポイントを分かりやすく整理し解説しています。

 

 

1. 厚生年金保険法における適用事業所の全体像
2. 強制適用事業所の範囲と条件
3. 適用業種と非適用業種(第1次産業・サービス業)
4. 任意適用事業所の加入と脱退の手続き
5. 適用事業所の一括(事務効率化の特例)
6. まとめ
目次
講義の概要

1. 厚生年金保険法における適用事業所の全体像

厚生年金保険の適用を受ける事業所を「適用事業所」と呼びます。これには大きく分けて2つの種類があります。

1つ目は、法律上当然に適用を受ける「強制適用事業所」です。2つ目は、事業主の申請に基づき厚生労働大臣の認可を受けることで適用事業所となる「任意適用事業所」です。

これらの適用ルールは健康保険法と共通する部分が非常に多いため、すでに対象科目の学習を終えている方にとっては復習を兼ねた内容となります。法人の場合は無条件で強制適用となり、個人の場合は従業員数や業種によって判断が分かれるという点が基本の枠組みです。

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2. 強制適用事業所の範囲と条件

強制適用事業所とは、事業主や従業員の意思にかかわらず、法律によって加入が義務付けられている事業所のことです。具体的には以下のいずれかに該当する事業所または船舶を指します。

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従業員数と業種による判定

適用業種に該当する事業所または事務所であって、常時5人以上の従業員を使用するものは強制適用となります。

国・地方公共団体および法人の事業所

国、地方公共団体、または法人の事業所・事務所である場合は、常時従業員を使用していれば人数に関わらず強制適用となります。

厚生年金特有の規定:船舶の扱い

厚生年金保険法において重要なのが「船舶」の扱いです。船員法1条に規定する船員として船舶所有者に使用される者が乗り組む船舶も、強制適用事業所となります。

これは昭和61年の改正によるもので、かつて船員保険に含まれていた年金部門が厚生年金保険に統合されたという歴史的な経緯があります。現在、医療保険については健康保険とは別に「船員保険」が残っているため、健康保険法にはこの規定はありませんが、厚生年金保険法では船舶が適用対象に含まれている点に注意が必要です。

3.適用業種と非適用業種(第1次産業・サービス業)

強制適用の判断基準となる「適用業種」には、法律や会計に係る業務を行う事業も含まれます。 例えば、弁護士、公認会計士、そして社会保険労務士などが政令で定めるものとして規定されています。そのため、個人の社会保険労務士事務所であっても、常時5人以上の従業員を使用している場合は強制適用事業所となります。

一方で、適用業種以外の事業(非適用業種)としては、農林水産業などの第1次産業や、旅館、飲食店、クリーニング、理容・美容といったサービス業、宗教業などが挙げられます。

4. 任意適用事業所の加入と脱退の手続き

強制適用事業所以外の事業所であっても、一定の手続きを経ることで「任意適用事業所」として厚生年金保険に加入することが可能です。また、一度加入した後に脱退する場合にも厳格なルールが定められています。

任意適用の申請(加入)

任意適用の認可を受けようとする場合、事業主は事業所に使用される者(適用除外事由に該当する者や特定短時間労働者を除く)の2分の1以上の同意を得て、厚生労働大臣に申請しなければなりません。

任意適用の取消(脱退)

任意適用事業所が厚生年金の適用をやめる場合も、厚生労働大臣の認可が必要です。この際の同意要件は「4分の3以上」と、加入時よりも厳しくなっています。これは、すでに厚生年金保険の適用を受けている従業員の既得権を守るため、より慎重に判断する必要があるからです。なお、強制適用事業所(法人など)の場合は、事業主が希望しても適用を取り消すことはできません。

擬制適用の仕組み

強制適用事業所(船舶を除く)が、業種の変更や従業員数の減少によって強制適用の要件を満たさなくなった場合、その事業所は自動的に「任意適用事業所の認可があったもの」とみなされます。これを「擬制適用」と呼びます。特に手続きをすることなく、引き続き厚生年金保険の適用事業所として維持される仕組みです。

5.適用事業所の一括(事務効率化の特例)

複数の事業所を一括して1つの適用事業所として扱う制度があります。これには「一般の事業所」と「船舶」でルールの違いがあります。

一般の事業所における一括(承認が必要)

船舶以外の2以上の適用事業所において、事業主が同一である場合(例:株式会社の本店と支店)、厚生労働大臣の承認を受けることで、これらを1つの適用事業所とすることができます。承認された場合、個々の事業所は適用事業所でなくなったものとみなされ、合体した1つの新たな事業所として誕生するイメージになります。

このメリットは、事業所間で転勤があった場合でも「被保険者資格の喪失・取得」という煩雑な手続きを行う必要がなくなる点にあります。

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船舶における一括(当然一括)

船舶の場合、2以上の船舶の船舶所有者が同一であれば、それらの船舶は法律上当然に1つの適用事業所とされます。一般の事業所とは異なり、厚生労働大臣の承認は必要ありません。この「承認が必要か、当然になされるか」という対比は試験でもよく問われるポイントです。

今回の講義では、厚生年金保険法における適用事業所の定義から、強制適用と任意適用の違い、そして事務手続きを簡素化する一括のルールについて解説しました。

特に以下のポイントを整理しておきましょう。

  • 個人の社会保険労務士事務所でも5人以上なら強制適用。
  • 船舶が厚生年金の適用対象となっている理由(昭和61年改正)。
  • 任意適用の加入(1/2以上)と脱退(3/4以上)の同意要件の違い。
  • 一般事業所の一括は「承認」が必要だが、船舶は「当然」一括される。

健康保険法との共通点と相違点を意識しながら学習を進めることで、知識の定着が早まります。法改正の経緯など背景を理解すると、より深く記憶に残るはずです。

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