発起人とは ― まず覚えるべき言葉
4の2「株式会社の設立」に入ります。ここはしっかりと点数を取っていきたい分野です。それほど複雑な話ではないので、ポイントを押さえていけば十分です。
株式会社の設立ですから、これから会社を作るという話です。最初に覚えなければならないのが発起人という言葉です。
発起人というのは、株式会社を作ろうと思ったときに、その企画、主宰、準備を行う人のことです。ただし、会社の設立に携わったものであれば誰でも発起人になるわけではありません。
発起人の定義は、ぜひ覚えてください。発起人とは、会社設立の企画者として定款に署名又は記名押印したものです。
発起人は資格・人数に制限はありません。法人もなることができますし、制限行為能力者でも発起人になることができます。人数も1人でも構いませんし、100人でも問題ありません。実際に100人というケースはほとんどありませんが、制度上は可能です。
ただし、発起人は必ず設立時発行株式を最低でも1株は引き受ける必要があります。したがって、発起人は設立した株式会社の株主に必ずなります。少なくとも一度はなるということです。その後売却してしまえばそれは構いませんが、まずは1株引き受ける必要があります。
設立の方法は2つ ― 発起設立と募集設立
設立の方法は大きく分けて2つあります。発起設立と募集設立です。お金の集め方で分かれます。
発起設立とは、発起人だけで設立する方法です。発起人が全ての株式を引き受けます。
募集設立は、発起人と募集株式の引受人とで作ります。発起人に加えて一般の人を公募する方法で、「これから会社を作るにあたり100株を発行したい。60株は発起人が引き受けるが、残り40株を1株5万円で引き受けてくれる人を募集する」というイメージです。
| 設立方法 | 手法 | 株式の引受け |
|---|---|---|
| 発起設立 | 発起人のみで設立する方法 | 発起人が設立の際の発行株式の全部を引き受ける |
| 募集設立 | 発起人と募集株式の引受人とで設立する方法 | 発起人は設立時の株式の一部を引き受け、残りを発起人以外の者を募集して引き受けてもらう |
実務的に言うと、募集設立はほとんどありません。100%ないと言ってもよいほどで、実務では発起設立がほぼ100%を占めています。では募集設立を勉強する必要があるのかという点ですが、試験では出題されますので、ここは試験対策として割り切って学習してください。
設立のステップ ― 発起設立と募集設立の違い
設立のステップについてです。発起設立と募集設立でステップが変わります。
ステップ1は、発起人によって定款を作成します。
ステップ2は、会社の実体を形成します。出資を履行してもらい、設立時の役員を選任します。
ステップ3は、設立登記をします。
このステップ1とステップ3は発起設立・募集設立で同じです。募集設立はこのステップ2が異なります。発起人だけではないため、引受人を募集しなければなりません。出資の履行をして、さらにもう1つ違いがあります。創立総会というものが必要になります。
発起設立は発起人のみですから、仲間だけで進められます。そのため総会は不要です。これに対して募集設立の場合は、例えば発起人が5人で、株式を引き受けた引受人が50人というケースもあり得ます。そうなると全員を集めて会議を行わなければなりません。この会議が創立総会です。最初の株主総会のようなイメージで捉えていただければ問題ありません。
なお、発展知識として「発起人組合と設立中の会社」という項目がありますが、こちらはテキストを一読しておいていただければ十分です。


