行政書士 講座 体験講義基礎講座5 基礎法学 第13回「4-2 日本の裁判制度」

この記事では、基礎法学の「4-2 日本の裁判制度」をテーマにした体験講義の内容をお届けします。裁判所の組織の分け方から始まり、最高裁判所の仕組み(大法廷・小法廷)、大法廷が必要な場合、最高裁判決における意見の種類、高等裁判所・地方裁判所、家庭裁判所・簡易裁判所の役割、そして審級制度と審級表までを講師が順に解説していきます。

 

 

1. 裁判所の組織 ― 最高裁と下級裁判所
2. 最高裁判所の組織 ― 大法廷と小法廷
3. 大法廷による裁判が必要な場合
4. 最高裁判決における意見
5. 高等裁判所・地方裁判所
6. 家庭裁判所と簡易裁判所
7. 審級制度 ― 事実審と法律審
8. 審級表 ― 刑事事件・民事事件
目次
講義の概要

裁判所の組織 ― 最高裁と下級裁判所

「4-2 日本の裁判制度」に入ります。裁判は比較的よく出てくるテーマですので、裁判を支えている組織と裁判の制度について、大まかなところを押さえていきます。

まずは組織からです。ご存知の方も多いかと思いますが、最高裁判所を頂点として下級裁判所がある、という構成になっています。裁判所の分け方としては、カテゴリーで言うと「最高」と「下級」があり、下級の中にそれぞれ高裁や地裁などが入ってきます。逆に言えば、高裁や地裁、家裁などをすべて合わせて「下級」と呼んでいます。

下級裁判所には、高等裁判所地方裁判所家庭裁判所簡易裁判所の4種類があります。憲法でも少し触れた内容です。

ポイント:裁判所はまず「最高裁」と「下級裁判所」に分かれる。下級裁判所の中に高等・地方・家庭・簡易の4種類がある。

最高裁判所の組織 ― 大法廷と小法廷

この部分で1番目、2番目に大切なのが最高裁判所のところです。逆に言うと、下級裁判所に関してはほぼ出題がありませんので、この最高裁のところを押さえてください。

最高裁の組織は覚えるべきところですが、14人の判事1名の最高裁長官、つまり合計で15人という構成です。

15人全員で審理するものを大法廷と言います。特別な場合に開かれるものです。それ以外については小法廷が3つあり、それぞれに5名が配置されています。普段は小法廷で5人により審理を行い、大きな事件があった場合には大法廷を開いて15人全員が集まるという仕組みです。

ポイント:最高裁は判事14人+最高裁長官1名の計15人。普段は小法廷(5人ずつ3つ)で審理し、大きな事件の時に大法廷(15人全員)を開く。

大法廷による裁判が必要な場合

その15人が集まる大法廷で行う裁判とはどのようなものでしょうか。行政書士試験対策として覚えておくべきものは、3つあります。

(1)裁判所法10条1号 ― 憲法判断に踏み込む時。ただし以前に同じ判断をした場合は除きます。いわゆる違憲審査権の部分です。

(2)10条2号 ― 違憲判断をする時。前号の場合を除いて、法令の違憲判断に踏み込む時は大法廷でなければなりません。ここはあまり深く区分けしなくて結構ですので、新しく行う場合は基本的に大法廷と理解しておけばよいでしょう。

(3)10条3号 ― もう1つよく問われるのが、前の最高裁の判例を覆す時、つまり判例変更です。この判例変更にはポイントが1つあり、最高裁の判例を覆す場合に限られています。明治憲法下における最高裁の前身である大審院の判例を覆す場合には大法廷で行う必要はありません。あくまでも最高裁の判例を覆す場合が判例変更にあたります。

ポイント:大法廷で行う場合は3つ。(1)憲法判断をする時、(2)違憲判断をする時、(3)最高裁の判例を覆す時(判例変更)。大審院の判例を覆す時は大法廷である必要はない。

最高裁判決における意見

最高裁判所には意見というものがあります。逆に言うと、最高裁にしか各裁判官の意見を付すことができません。裁判所法11条では最高裁の場合、裁判書には各裁判官の意見を表示しなければならないと規定しています。一方、下級裁判所では各裁判官の意見を付すことができません。つまり最高裁判決だけが結論にとどまらず、各裁判官の意見を記載しなければならないということです。

意見の内容は3つあります。補足意見、それから普通の意見、そして反対意見です。

補足意見とは、結論には賛成だが少し付け加えたいというものです。意見とは結論には賛成であるものの、理由付けが異なるというものです。反対意見とは、多数意見の結論に対して反対する裁判官がいる場合に、その旨を記載できるというものです。

この内容もよく出題されますので、確認しておいてください。大法廷の話と意見の話が重要です。

ポイント:最高裁判決だけが各裁判官の意見を付さなければならない(下級裁判所は不可)。意見は3種類 ― 補足意見(結論賛成+付け加えたい)、意見(結論賛成だが理由付けが違う)、反対意見(結論に反対)。

高等裁判所・地方裁判所

続いて高等裁判所です。高裁は全国に8箇所あります。そして、地方裁判所は全国に50箇所設置されています。

家庭裁判所と簡易裁判所

次に家庭裁判所です。家庭裁判所には少し特徴があり、基本的に家庭の事件、家事審判調停少年審判、そして人事訴訟(夫婦や親子関係の争い)がメインの対象となっています。また、成年後見制度に関する手続きも管轄しています。

 

簡易裁判所も意外に出題されるところです。対象となるのは軽微・少額軽微な訴訟です。民事に関しては訴額140万円までの事件、また少額訴訟として60万円以下の金銭請求事件についての管轄となっています。刑事については罰金以下、100万円以下の罰金などがポイントです。さらに逮捕状の令状発布もこちらで行っています。この部分はざっと読んでおけばよいでしょう。

ポイント:家庭裁判所は家事審判・調停・少年審判・人事訴訟・成年後見制度がメインターゲット。簡易裁判所は民事で訴額140万円まで、少額訴訟は60万円以下、刑事で罰金以下。

審級制度 ― 事実審と法律審

続いて審級制度です。ここは大事なところで、よく出題されます。

ご存知のとおり、日本では三審制を採用しており、1つの事件について3回まで裁判を受けることができます。例えば地方裁判所から高等裁判所へ、そして最高裁へと、3回争うことが可能です。

ただし、単純に裁判を3回繰り返すという考え方ではありません。審理方式として事実審法律審という区分がまずあります。

事実審とは、事実認定に関する事実問題と法律の解釈問題の両方を扱うもので、どちらかと言えば証拠などから事実を確定していく、事実を見つけるという役割を担います。

これに対して法律審とは、事実審を経た後に法律問題だけを検討するものです。法律の解釈や当てはめが主な対象と理解しておけばよいでしょう。このように、それぞれ役割が異なります。

刑事の場合、第一審が事実審、控訴審は事実誤認と量刑不当を審理する時に限り事実審で、一般には法律審です。上告審は原則として憲法違反・判例違反の有無を審理する法律審ですが、職権で事実認定することが可能です。

民事はより明確に定まっており、第一審と控訴審が事実審、上告審は法律審と決まっています。刑事の方は場合分けがありますが、民事は整理されています。事実審と法律審という考え方を覚えておいてください。

講師のポイント:事実審は証拠から事実を確定する。法律審は法律の解釈・当てはめがメイン。刑事では上告審でも職権で事実認定が可能だが、民事では第一審・控訴審が事実審、上告審は法律審と明確に決まっている。

審級表 ― 刑事事件・民事事件

そして意外に出題されるのがこの審級表です。発展知識の審級表を見ていきます。

まず刑事の場合、第一審は罰金刑以下の時に簡易裁判所になります。そしてポイントが1つあり、最後は必ず最高裁判所で終わります。ここは覚えておいてください。よく出題されます。

 

続いて今度は民事事件の場合です。第一審が140万円以下の時に簡易裁判所となっています。そして簡易裁判所から始まると終わりが高等裁判所です。他は最高裁で終わりますが、簡易裁判所からスタートした場合だけ高裁で終わるという点が特徴ですので、ここは確認しておいてください。

審級簡易裁判所家庭裁判所地方裁判所高等裁判所
第1審訴額140万円以下の民事訴訟等人事訴訟(一般的な民事訴訟)選挙又は当選の効力に関する訴訟など
第2審(控訴審)地方裁判所高等裁判所高等裁判所なし
第3審(上告審)高等裁判所最高裁判所最高裁判所最高裁判所

ポイント:刑事事件では最後は必ず最高裁判所で終わる。民事事件では簡易裁判所からスタートした場合だけ、終わりが高等裁判所になる(最高裁ではない)。この2つがよく問われる。

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