行政書士のビザ申請・在留資格業務は需要が拡大している注目分野!申請取次行政書士の仕事内容・年収・将来性を解説

「行政書士は飽和状態で稼げない」「独立しても仕事がない」――そうした噂に不安を感じている方は少なくありません。一方で、特定の専門分野を武器に開業1年目から安定収益を上げ、年収1,000万円を達成する行政書士もいます。 行政書士試験に合格したとしても、「どの業務が高単価で将来性があるのか」を理解していなければ、せっかくの努力が空回りしてしまいます。業務選択は、合格後の年収を左右する重要な要素です。 そこで本記事が提案するのが「国際業務(ビザ申請・在留資格)」への特化戦略です。在留外国人が395万人を超え、2026年度には手数料の大幅改定が見込まれるなか、申請取次行政書士の需要は成長期にあります。本記事では、合格後に「稼げる行政書士」になるための戦略的ロードマップを提示します。 この記事を最後まで読めば、国際業務という武器を手に、独立開業に向けた具体的な検討材料を得られるはずです。試験勉強のモチベーションを高め、合格の先にあるキャリアを着実に掴み取りましょう。
1. 国際業務(ビザ申請)の将来性と市場規模
行政書士が扱う業務は1万種類以上と言われますが、その中でも「国際業務」は、現代日本の社会構造の変化に合致した、成長期待のある分野のひとつです。最新の統計データに基づき、なぜ今、国際業務が「稼げる」のか、その根拠をお伝えします。
在留外国人395万人超 ― 過去最高を更新し続ける巨大市場
日本の少子高齢化に伴う労働力不足は、もはや一過性の問題ではなく、国家の存立に関わる構造的課題です。これに対し、政府は外国人材の受け入れを加速させており、在留外国人数は過去最高を更新し続けています。
出典:e-Stat 出入国管理統計ページ

| 調査時点 | 在留外国人数(総数) | 前年(同期)比増減 |
|---|---|---|
| 2022年末 | 約307万人 | +約31万人 |
| 2023年末 | 約341万人 | +約34万人 |
| 2024年末 | 約377万人 | +約36万人 |
| 2025年6月末(最新) | 約395万人(過去最高) | +約18万人(半年間) |
行政書士にとって国際業務は、顧客基盤が継続的に広がりやすい市場です。
日本で生活する外国人が増えれば、在留資格の「更新」「変更」「呼び寄せ」といった法的手続きの総数も増加します。特に「特定技能」在留資格は制度創設以降、在留者数が大きく伸びており、申請取次の需要は高い水準で推移しています。市場が拡大している今のタイミングは、参入を検討に値する時期と言えます
特定技能と登録支援機関 ― 「継続型収益」への転換が鍵
行政書士業務の多くは「単発型」の依頼になりがちですが、国際業務は「継続型」のビジネスモデルを構築しやすいのが特徴です。
行政書士事務所が登録支援機関として登録し、受け入れ企業の相談対応や外国人材の生活支援を請け負うことで、月額制の顧問料(継続収益)を得る道筋が開けます。
1人あたり月額2〜3万円の支援委託料で10名を支援する事例の場合、毎月20〜30万円の収入になります。これに更新手続きなどの単発報酬が加算されるため、売上の基盤を強くしやすい構造です。単発業務中心から、外国人雇用の継続的な伴走役へと業務範囲を広げることで、収益の幅が広がる可能性があります。
2026年度 手数料大改定 ― 「専門家依存」がさらに加速する
2026年度、日本の入管制度は大きな転換点を迎える見通しです。政府は在留手続の手数料を大幅に引き上げる方針を示しており、現時点(2026年時点)では方針段階の情報として報じられています。最新の確定情報は出入国在留管理庁の公式発表をご確認ください。

| 申請種別 | 現行手数料 | 改定後(案) | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 在留資格変更許可 | 6,000円 | 3〜4万円 | 約5〜7倍 |
| 在留期間更新許可 | 6,000円 | 3〜4万円 | 約5〜7倍 |
| 永住許可申請 | 10,000円 | 10万円超 | 約10倍以上 |
この改正は、行政書士にとって専門家依頼の需要が高まる契機と見込まれます。
手数料が数倍に上がることで、不許可になった際の経済的損失も大きくなります。10名の外国人を雇用する企業が更新ミスで再申請となれば、それだけで30〜40万円の追加コストが発生する計算です。このような状況下では、企業・個人は「自力申請」のリスクを避け、専門家への依頼を選ぶ傾向が強まると考えられます。申請取次行政書士の価値が相対的に高まり、報酬単価の見直しもしやすくなるでしょう。法改正という制度の大きな変化は、専門家への需要が高まりやすい環境が生まれやすくなります。
2. 申請取次行政書士とは? ― 「ピンクカード」が生む明確な差別化
「行政書士として国際業務をやる」=「申請取次行政書士になる」ことを意味します。この資格を持つことで、他の行政書士との明確な差別化が可能になります。
申請取次制度の仕組みと通常の行政書士との違い

申請取次行政書士は、依頼者本人の出頭を免除できる数少ない専門家です。
入管法に基づき、一定の研修を修了した行政書士は「届出済証明書(ピンクカード)」の交付を受け、申請人に代わって地方出入国在留管理局へ書類を提出する「取次」が可能になります。入管窓口は混雑することが多く、数時間の待ち時間が発生する場合もあります。多忙な経営者や仕事を休めない外国人労働者にとって、行政書士にまとめて任せられるメリットは大きく、それが報酬の根拠にもなります。「書類作成」だけでなく「顧客の時間を生み出すこと」こそが、申請取次行政書士の本質的な価値です。
主な業務ラインナップと専門家介入の価値

| 業務名称 | 概要 | 専門家介入価値 |
|---|---|---|
| 在留資格認定証明書(COE) | 海外から人を呼び寄せる手続き。企業の安定性証明が必要 | 高:入国の可否を左右する最重要業務 |
| 在留資格変更許可 | 留学→就労、日本人との結婚など身分変更時の手続き | 中〜高:要件適合性の厳密な判断が必要 |
| 在留期間更新許可 | 現在の活動を継続するための定期的な手続き | 安定:継続率の高い反復業務 |
| 永住許可申請 | 日本に永住する権利を得る。審査が最も厳格 | 高:報酬単価も高く不許可時の影響大 |
| 帰化許可申請 | 日本国籍を取得する手続き。法務局への膨大な書類提出 | 高:20〜30万円/件、人生を左右 |
3. 申請取次行政書士になるためのステップ

STEP1 ― 行政書士試験に合格し、都道府県行政書士会に登録する
まず行政書士試験という難関を突破し、各都道府県の行政書士会を通じて日本行政書士会連合会に登録します。登録費用・年会費は都道府県会によって異なりますが、登録完了後すぐに次のステップへ進むことができます。
STEP2 ― 申請取次事務研修会を受講する
STEP3 ― 出入国在留管理局へ届出し「ピンクカード」を受け取る
研修修了後、所属単位会を通じて管轄の出入国在留管理局へ届け出ます。審査を経て「届出済証明書(ピンクカード)」が交付されれば、晴れて申請取次行政書士としてデビューです。
4. 仕事内容と業務の流れ ― 単価の高い案件とは
申請取次行政書士の標準的な業務フローは以下のとおりです。
相談受付 → 在留資格の判断・アドバイス → 必要書類のリスト提示 → 書類収集・作成代行 → 入管への申請取次(本人不要) → 結果受領・通知 → アフターフォロー(更新・変更)
申請取次により、申請人が入管に出向く必要がなくなることに加え、書類不備のリスク低減や企業のコンプライアンス対応の安心感も得られます。これが国際業務ならではの付加価値です。

単価が高い案件・需要が多い案件の使い分けが収益の鍵です。
- 高単価案件:経営管理ビザ・高度専門職・永住許可・帰化申請 → 報酬相場10〜30万円/件
- 安定需要案件:就労ビザ更新・変更、特定技能、配偶者ビザ → 報酬相場3〜8万円だが件数が多い
- 継続収益:企業顧問契約(月額2〜5万円×複数社)+登録支援機関 → 毎月の収益基盤
5. 年収と報酬相場 ― 高収益を実現する収益モデル
最新・業務別報酬相場(2025〜2026年目安)

| 案件種別 | 報酬単価(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 就労ビザ(技術・人文知識・国際業務) | 10万〜15万円 | 企業規模・職務内容で加算 |
| 経営管理ビザ(起業ビザ) | 15万〜25万円 | 事業計画書作成が腕の見せ所 |
| 日本人配偶者等(結婚ビザ) | 12万〜18万円 | 真実性の立証が重要 |
| 永住許可申請 | 15万〜20万円 | 家族同時申請でさらに報酬アップ |
| 帰化許可申請 | 20万〜30万円 | 翻訳・書類収集など膨大な作業 |
| 企業顧問契約(月額) | 3万〜5万円/月 | 継続収益の基盤 |
年収1,000万円を目指す複層収益モデル
高収益を実現している行政書士は、以下のような収益源を組み合わせて安定した経営を行っています。
単発・高単価収益:経営管理ビザ・永住許可・帰化申請など難易度の高い案件で報酬を得る。
反復収益(更新案件):一度受任した顧客の「更新」を確実に拾い、数年スパンで収益を積み上げる。在留期間更新は必ず発生する手続きで、継続率は高い水準にあります。
継続収益(顧問・月額):特定技能の「登録支援機関」として、法人から毎月顧問料を得る。10社×月3万円で月商30万円の収益基盤を作る事例もあります。
キャリア3パターン別 年収シミュレーション

| パターン | 年収目安 | 主な業務 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ① 事務所勤務(国際業務スタッフ) | 350〜500万円 | 就労ビザ・更新・変更が中心 | 登録直後・フルコミットしたい方 |
| ② 副業行政書士 | +50〜200万円(副業収入) | 特定技能・就労ビザ更新など | 会社員を続けながら試したい方 |
| ③ 独立・国際業務特化 | 500万〜1,000万円以上 | 経営管理・永住・顧問契約 | 国際業務に全集中したい方 |

講師からのアドバイス
『行政書士は稼げない』という言葉だけにとらわれず、自分の工夫で開ける道があることを知ってほしいです。国際業務のように、お客様から感謝され、適正な報酬を得られる分野があります。私の講義では試験に出る知識だけでなく、なぜその法律が必要なのかという『法の根幹』を伝えています。本質的な法的思考力があれば、実務に出た際も書類作成だけにとどまらず、お客様の人生を支える伴走者になれるはずです。高い収益は最終目標ではなく、提供した価値の対価のひとつだと考えています。
6. 高収入を実現する差別化戦略
領域特化戦略(「特定のビザ種別×特定の国籍・業種」)
「製造業の特定技能に特化した行政書士」のように専門領域を絞ると、ターゲット企業からの問合せ精度と紹介率が上がりやすくなります。SEO・MEO(Googleマップ)でも競合が少ない専門領域のキーワードで上位を取りやすく、広告費を抑えた集客体制を構築しやすくなります。
多言語対応とコミュニケーション能力
英語・中国語・ベトナム語など主要外国語でのヒアリングができると受注力が上がります。DeepLなどの翻訳ツールを活用し、書類作成に必要な最低限の語学力で対応している事例も多くあります。YouTube・InstagramなどSNSでの多言語コンテンツ発信が、広告費を抑えた集客手段になることも覚えておきましょう。
企業顧問契約の獲得と「継続収益モデル」の確立
月額顧問3〜5万円×10社で月収30〜50万円の継続収益基盤を作り、単発収益を積み重ねる戦略が国際業務で成果を出している事例の傾向です。中小企業の人事・社長への直接提案、HR系イベントへの出展、士業紹介ネットワークの活用が有効なアプローチです。
7. 行政書士×ダブルライセンスで収益を最大化する
行政書士資格に他の国家資格を組み合わせることで、顧問単価と業務範囲を大幅に拡大できます。特に国際業務との相乗効果が高いのが社労士との組み合わせです。
8. よくある質問(FAQ)
Q1. 英語が話せなくても申請取次行政書士として活躍できますか?
A. 書類作成は日本語で対応できるケースが多く、翻訳ツールを活用しながら実務をカバーしている行政書士も多くいます。ただし英語・中国語・ベトナム語などの対応能力があると優位性が大きく上がるため、まずは翻訳ツールを活用しながら実績を積み、徐々に語学スキルを伸ばしていく流れがおすすめです。
Q2. 申請取次研修はいつでも受けられますか?費用はいくらですか?
A. 都道府県行政書士会が年に複数回(オンライン含む)開催しており、費用は概ね17,600〜30,000円程度です(都道府県会によって異なります)。行政書士登録後、早いタイミングで申し込むことを強くお勧めします。
Q3. 無資格のビザ代行業者と行政書士では何が違いますか?
A. 申請取次行政書士は国家資格保有者であり、書類作成から申請取次まで合法的に代行できます。無資格業者への依頼は行政書士法・入管法に違反する可能性があります。この違いを顧客に説明できることも競争優位のひとつです。
Q4. 副業として国際業務を始めるにはどこから着手すればよいですか?
A. 行政書士登録 → 申請取次研修受講 → 件数が多い「就労ビザ更新」「特定技能」からスモールスタートする流れが一般的です。副業解禁の会社員でもゼロリスクで参入できます。
Q5. 国際業務に参入するのに向いていない人はいますか?
A. 入管法の頻繁な改正へのキャッチアップや外国語への抵抗感が大きい方は難しさを感じるかもしれません。ただし、入管法・行政法の知識習得と翻訳ツールの活用で大部分はカバーできるため、まずは挑戦してみることをお勧めします。
まとめ
- 在留外国人395万人超+2026年手数料改定の動きにより、申請取次行政書士の需要・収益機会は拡大が見込まれる
- 申請取次研修はハードルが低く、行政書士登録後すぐに取得できる差別化手段のひとつ
- 年収モデルは「事務所勤務/副業/独立特化」のパターンに分かれ、500万〜1,000万円超を目指せる
- 継続収益(登録支援機関・顧問契約)+専門領域特化が高収入への近道
- 行政書士+社労士などのダブルライセンスでさらなる顧問単価アップが可能

講師からのアドバイス
申請取次研修は、行政書士登録後早めに受講することをお勧めします。フォーサイトの講座で身につけた行政法の条文解釈能力は、研修でも実務でも直接の武器になります。国際業務は参入障壁が低い一方で市場は拡大傾向にあります。在留資格の種類は29種類あり、一つひとつを正確に読み解く姿勢が、将来お客様の人生を支える力になります。