【合格者たちのその後】File.01:元営業職、35歳で未経験から独立開業した社労士の1日に密着

「社労士試験に合格したら、その後の働き方はどう変わるのか」――難関試験への挑戦を決意した方、今まさに学習中の方なら、合格後の働き方を具体的に思い描きたい場面が少なくないはずです。 合格後のキャリアを紹介する記事の多くは、一般的な業務内容の説明にとどまり、独立した社労士が日々どんな業務を行い、何にやりがいを感じているのか、という実際の現場の様子までは見えにくいのが実情です。 本企画『合格者たちのその後』は、その日々の働き方を追う密着ドキュメンタリーです。File.01では、元営業職で35歳から独立開業に至ったフォーサイト合格者、田中健司さん(仮名)の「ある1日」を取材しました。働き方、考え方、仕事のやりがいの源を紹介します。 この記事を読むことで、独立社労士の1日の流れを具体的につかみ、合格後のイメージを描きやすくなります。学習の方向性を考える材料として、お役立てください。
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File.01:田中健司さん(35歳)のプロフィール
今回ご紹介する田中健司さん(匿名/フォーサイト合格者の男性)のプロフィールです。田中さんは、別の業界からのキャリア転身を目指した一人でした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | 田中 健司(匿名) |
| 年齢 | 35歳 |
| 前職 | 食品メーカーの営業職(12年間勤務) |
| 学習開始年齢 | 33歳 |
| 使用教材 | フォーサイト社労士通信講座 |
| 学習期間 | 1年半 |
| 独立開業 | 35歳(現在2年目) |
社労士を目指したきっかけ
田中さんが社労士を目指したきっかけは、営業職として働く中での気づきだったといいます。「営業として多くの中小企業を訪問する中で、人の問題で悩む経営者の姿を見てきました。採用がうまくいかない、従業員の定着率が低い、労務トラブルで疲弊している…。モノを売るだけでなく、もっと深く企業の根幹を支える仕事がしたい、と考えるようになったんです」
こうした想いから、人と組織の専門家である社労士への転身を決意。33歳での挑戦に不安もありましたが、「今やらなければ後悔する」という思いで、フォーサイトの通信講座での学習を始めました。
独立社労士 田中さんの1日(時間別スケジュール)
独立社労士は実際に何をしているのか――書類業務のイメージが先行しがちですが、実際の業務は多岐にわたります。ここからは、田中さんの「ある平日の1日」を時系列で追いながら、独立社労士の働き方を見ていきます。
上の図のとおり、独立社労士の仕事は幅広い領域にまたがります。労務管理の専門業務に加え、相談対応や営業、事務所経営など、経営者としての視点も必要です。それでは、田中さんの1日を具体的に見ていきます。
午前9時〜12時:専門家としての集中業務
午前9時。自宅兼事務所のデスクに向かった田中さんは、まず1日の予定を確認します。この日の午前中は、顧問先企業の労務手続きに集中する時間でした。
「今日は、A社の労働保険年度更新の書類作成と、B社から届いた36協定に関する相談メールへの返信が主な予定です。年度更新は期限がありますし、36協定は労働時間に関わる重要な協定なので、法改正の条文を確認しながら慎重に進めます」
静かな事務所で、法令集を開きながら事務処理を進める田中さん。電話やメールの通知は一時的に切り、業務に集中します。
「営業のころは外回りが多くて慌ただしい毎日でしたが、今はこういう緻密な作業も性に合っているなと感じます。一つひとつの書類が、お客様企業の労務リスクを減らし、従業員の方の権利を守ることにつながっている。その手応えを感じます」
正午〜午後1時:税理士との情報交換ランチ
正午。田中さんは事務所を出て、近くのカフェへ向かいます。この日のランチの相手は、開業同期の税理士、佐藤さん(仮名)です。
「独立後は、横のつながりが大切です。税理士さんとの関係は特に重要で、お互いのお客様を紹介し合うことも多いですし、最新の助成金情報や、労務と税務が絡む問題について意見交換しています」
会計と労務、それぞれの専門家が情報を持ち寄ることで、お客様により総合的なサービスを提供しやすくなります。
「今日は、雇用調整助成金の最新動向について情報交換しました。佐藤さんからは、税制改正が中小企業の資金繰りに与える影響について教えてもらいました。こういった情報は、提案の幅を広げる材料になります」
ランチでの打ち合わせは、単なる食事の時間ではなく、事業を続けていく上での大切な時間でもあります。
「営業のころに身につけた、人とつながり信頼関係を作っていく姿勢は、どの仕事でも変わらず役立っています」
なお、社労士と税理士の連携について詳しく知りたい方は、就業規則の作成・変更は社労士の腕の見せ所!もご覧ください。労務管理における他士業との協働の重要性について解説しています。
午後1時〜4時:経営者からの相談対応
午後1時。田中さんは新規の顧問先であるITベンチャー企業へ向かいます。この企業とは3ヶ月前に契約したばかりで、今日は採用活動に関する相談を受ける予定でした。
「社長から『優秀な人材が採用できない』というご相談がありました。現場を見せていただきながら、じっくりお話を伺うために訪問しました」
到着すると、30代半ばの社長が出迎えてくれました。会議室で、社長は採用活動の現状と課題について話します。
「求人票を出しても応募が来ない。面接まで進んでも、最終的に辞退されてしまう。何が原因なのか分からなくて…」
田中さんは、まず求人票を確認します。そして、社長に質問を重ねながら、課題を整理していきます。
「求人票の書き方に課題がありそうですね。御社の魅力が十分に伝わっていません。それから、面接での質問内容も見直してみましょう。応募者の方が『この会社で働きたい』と感じるような伝え方ができているか、一緒に整理しませんか」
田中さんは、具体的な助言を順に提示します。求人票の文面の修正案、面接での効果的な質問例、応募者に向けた自社の紹介の仕方など。
「法律論を語るだけではなく、営業の頃に身につけた『相手の課題を聞き取り、解決策を一緒に考える』進め方を、社労士の業務でも使っています。法律知識はフォーサイトの講座で身につけましたが、それをどう活かすかは、前職の経験が下地になっていると思います」
2時間の相談対応の後、社長の表情は明るくなっていました。
「田中さんだから相談できます。法律の専門家というより、経営に寄り添ってくれる相談相手として頼りにしています」
その言葉が、田中さんにとってのやりがいにつながります。
「この瞬間のために、社労士になったと感じる場面です。企業の運営を支え、そこで働く人々の働く環境を整えていく。この仕事の手応えを感じる時間でもあります」
午後4時〜6時:事務所運営の時間
午後4時。事務所に戻った田中さんは、コーヒーを淹れて一息つきます。そして、パソコンに向かい、自身のブログの執筆を始めます。
「私の専門分野は『IT業界の労務管理』です。IT企業特有の労働時間管理や、在宅勤務の労務問題について、実務経験を踏まえた情報発信を続けています」
田中さんのブログは月間5000PVを超え(取材時点での自己申告値)、そこから問い合わせが入ることもあるそうです。
「待っているだけでは仕事は来ません。自分の事務所の強みをどう伝えるかは、いつも考えていますね。ここは営業も社労士も共通する部分だと感じています」
ブログの執筆後は、来月開催する無料説明会の準備です。テーマは「IT企業のための労務管理入門」。すでに20名の申し込みがあり(同・自己申告値)、新たなお客様とのご縁につながることを期待しています。
「独立社労士は、専門家であると同時に事務所の運営者でもあります。広報、情報発信、営業計画など、事務所を続けていくために学ぶことは多いと感じます」
午後6時。今日の業務は一段落。田中さんは、明日の予定を確認し、優先順位をつけてから、デスクを後にします。
「独立して感じる良さは、自分で時間を組み立てられること。今日は午後6時で切り上げて、夜は家族との時間を大切にします。明日は朝7時から勉強会があるので、その準備もしますが、自分でこうした使い分けができるのは独立した良さですね」
インタビュー:営業職から独立社労士になるまで
1日の密着取材の後、田中さんに改めて話を伺いました。営業職からの転身と独立開業を選んだ背景や、ここまでの歩みについて伺っていきます。
Q1. 未経験からの独立、一番の不安は何でしたか?
「実務知識がほぼない状態で、本当にお客様のお役に立てるのか、という不安が一番大きかったですね。フォーサイトの教材で試験に合格することはできましたが、実際の企業で起こる労務問題は、教科書どおりにはいきません。
開業当初は、毎日が勉強でした。お客様からの質問に答えるために、法令集と向き合い、先輩社労士に相談し、夜遅くまで調べ物をする日々。完璧になるのを待っていたら開業はできないので、『走りながら学ぶ』という意識を持って取り組みました。
全国社会保険労務士会連合会に登録後も、所属の都道府県社労士会の研修や、連合会の研修制度を活用して、知識を更新しています。学び続ける姿勢が大切だと感じています」
Q2. 営業の経験は、今の仕事にどう活きていますか?
「いろいろな場面で役立っています。特に『聞く力』ですね。経営者の悩みを引き出す力は、営業の頃に身につけました。表面に見える問題の裏にある課題まで読み取れないと、適切な助言は難しいと感じます。
それから、伝える力です。難しい法律の話を、経営者の方に分かりやすくお伝えする工夫。専門用語を避け、具体例を交えながら話すと、お客様にも伝わりやすくなります。
あと、飛び込み営業で断られ続けた経験があるので、思うように進まない場面でも気持ちを切り替えられます。新規のご縁を作る場面で断られても、次に進む姿勢を持っていられるのは強みかもしれません」
Q3. 独立して良かったこと、逆に大変なことは?
「良かったことは、自分の判断で仕事を進められること。そして、お客様からの『ありがとう』が直接やりがいにつながることですね。会社員のころは、自分の成果が見えにくい面もありましたが、今は、自分が取り組んだ分だけ、お客様に喜んでいただける場面が増えました。その手応えが、毎日の励みになっています。
難しいのは、収入の波があることですね。顧問先が増えれば落ち着きますが、開業当初は資金面で苦労しました。貯金を切り崩しながら、営業活動を続けていました。
そして、判断と責任が自分にかかること。体調管理にも気を使いますし、ミスをすれば信頼に直接影響します。ただ、そのプレッシャーが、自分を伸ばす要素にもなっています。独立2年目になり、少しずつ流れができてきたところです」
田中さんから、これから社労士を目指す方へ
最後に、田中さんから、これから社労士を目指す方へのメッセージをいただきました。
「33歳で勉強を始めたとき、周りからは『今からですか』と言われました。家族も心配していましたし、自分自身も不安でした。それでも、何もしなければ状況は変わらない。そう考えて、フォーサイトの資料を請求した日が、今振り返ると一つの区切りになっていたと思います。
この仕事は、企業の運営や、そこで働く人々の働く環境づくりに関わっていける仕事です。法律の専門家として、経営の相談にも応じられる。私には合っている仕事だと感じています。
もし今のキャリアに迷い、何かを変えたいと考えているなら、まずは資料を取り寄せて、社労士という仕事や講座の中身を確かめるところから始めてみてはいかがでしょうか。具体的な情報があれば、自分に合うかどうかの判断もしやすくなります。
資料に目を通し、教材のサンプルを試してから、学習に進むかを考える――そんな進め方でよいと思います。
いつか同じ社労士として、お会いできる日があれば嬉しいです」
まとめ
- 田中健司さんの1日を通じて、独立社労士の働き方を紹介してきました。労務手続きの専門業務、経営者からの相談対応、事務所運営のための準備など、業務の幅は広く、それぞれにやりがいがあります。
また、別の業界からの転身であっても、学習と準備を重ねることでキャリアを築いていけることも分かります。営業職としての経験は、社労士としての業務でも活かせる場面が少なくありません。
合格後の働き方は、遠い話ではありません。具体的な日々の姿をイメージできた今、学習計画を考える材料にしていただければと思います。
田中さんのように、社労士という仕事の一歩を考えてみませんか。
全額返金保証制度を利用して、安心して学習を始められます。
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※掲載されている2025年度 合格率は弊社受講生アンケートに基づく集計結果となります。

講師からのアドバイス
田中さんのように、別の業界での経験は社労士の業務で活きる場面があります。法律知識は私たちの講座でしっかりお伝えしますが、お客様とのコミュニケーションや、ビジネスの現場感覚は、実務経験を通じて積み上げていくものです。
フォーサイトでは、キャリア転身を目指す方々が、ご自身の経験を活かして学習を続けられるよう、カリキュラムを組んでいます。これまでの経験は、社労士の業務でも役立てていけるはずです。(二神 大貴 講師)