令和4年度 中小企業診断士第1次試験の解答速報・試験講評

2022/08/06

8月6日(土)に実施されました、令和4年度 中小企業診断士第1次試験の解答速報・試験講評を公開いたします。

解答速報

経済学・経済政策

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9 10 11 12 13
14 15-1 15-2 16-1 16-2
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財務・会計

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11 12-1 12-2 13-1 13-2
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試験講評

経済学・経済政策

令和4年度経済学・経済政策は例年通り、問題数は25問でした。

5肢の問題が増加する傾向が近年では顕著になっており、25問中17問が5肢でした。各選択肢ごとに正誤を判断させる問題も多くなっており、正確な対応が求められる傾向にあります。

一見すると難易度が低く感じられる問題でも、若干のひねりが加えられており、論点を正しく理解していないと正答できない問題が多くなりました。全体的な難易度はやや高いといえるでしょう。 用語をただ暗記するだけの対応では対応が難しく、応用問題にも耐えられるだけの理解力が試された試験となりました。

得点しておきたい問題としては、第4問(絶対所得仮説)、第5問(乗数理論)、第6問(45度線分析)、第7問(AD-AS分析)、第12問(供給曲線)、第14問(需要の価格弾力性)、第15問(費用曲線)、第18問(比較優位の理論)、第20問(ゲーム理論)となります。

また、応用問題ですが正答したい問題としては、第2問(実質GDP)、第3問(国民経済計算)、第10問(自然失業率)、第13問(代替財と補完財)、第21問(逆選択)が挙げられます。 その一方で、学習の優先度が高くないと思われるのは、第9問(金利平価説)や第11問(需要曲線)、第19問(資本移動の自由化の効果)です。

難易度の高い問題に時間をかけすぎず、平易な問題を確実に解答することが求められます。

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財務・会計

令和4年度試験の財務・会計の設問数は例年通り25問で、5肢が2問出題されました。

前半の簿記や原価計算、経営分析については、多少の応用問題が散見されたものの十分に対応可能な範囲でしたが、後半の意思決定会計やファイナンスについては、応用問題が多く対応は難しいと感じた受験生も多いでしょう。特に、ファイナンスについては、初見の知識も問われたこともあり、対応が出来なくても仕方がない問題もありました。 前半と後半で異なるものの、全体的な難易度は高いといえます。

簿記の細かい知識と問われる傾向は昨年と同様の傾向ですが、経営指標を算出する頻出問題の出題がなかった点は例年と異なります。 複雑な計算が必要な問題もあり、短時間で対応することも求められました。

得点しておきたい問題としては、第1問(当座預金勘定残高)、第2問(資産と負債)、第3問(収益認識)、第8問(預り金)、第11問(減価償却)、第13問(資金繰表)でした。 また、応用問題ですが落ち着いて正答したい問題は、第5問(無形固定資産)、第12問(直接原価計算と損益分岐点分析)、第17問(サステナブル成長率)でした。複雑な計算に粘り強く対応したり、見慣れない用語がでても落ち着いて対応することで、正答にたどり着くことができます。

一方で、学習の優先度が高くないと思われるものには、ファイナンス分野が多く、第16問(効率的フロンティア)、第19問(株式評価)、第20問(先物取引)、第22問(割引現在価値)が挙げられます。後半のファイナンス分野は総じて難易度が高く、優先順位を落とさざるを得ない状況となりました。

後半の難易度の高さから、高得点を取ることが難しい試験となりました。足切りを回避し、50点程度を目指すことが現実的であるといえるでしょう。

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最後に

2科目を通じて、例年よりも難易度は上がったと考えてよいでしょう。

応用問題が多く出題されており、表面的な理解では対応が難しい問題が多かった傾向にあります。 過去問題を使ったアウトプット学習と、テキストを使ったインプット学習をバランスよく行い、しっかりと理解することが求められます。

みなさまの合格を心より祈念しております。