中小企業診断士の試験
中小企業診断士の試験概要
1次試験の概要
中小企業診断士の1次試験は、毎年以下の要領で実施されています。
ただし、年度により変更される可能性はありますので、試験本部の発表内容を毎年確認してください。
実際に、平成30年度の本試験の試験時間は変更されました。
出願期間 | 4月下旬~5月下旬 |
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試験日 | 7月中旬 |
1日目の試験日程(時間割)
試験科目 | 時間割 | 試験時間 |
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経済学・経済政策 | 9:50 ~ 10:50 | 60分 |
財務・会計 | 11:30 ~ 12:30 | 60分 |
企業経営理論 | 13:30 ~ 15:00 | 90分 |
運営管理(オペレーション・マネジメント) | 15:40 ~ 17:10 | 90分 |
2日目の試験日程(時間割)
試験科目 | 時間割 | 試験時間 |
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経営法務 | 9:50 ~ 10:50 | 60分 |
経営情報システム | 11:30 ~ 12:30 | 60分 |
中小企業経営・中小企業政策 | 13:30 ~ 15:00 | 90分 |
合格発表 | 8月下旬 |
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合格/不合格の基準 | 以下の2点を両方満たす必要があります。 ・全科目の総合得点が、全科目の満点の6割以上 ・各科目の得点が4割以上 |
1次試験の試験科目
経済学・経済政策
マクロ経済からミクロ経済にかけて広汎な理解を問われます。
マクロ経済では国家レベルの経済の動きが、ミクロ経済では個人や企業といった単位で市場の動向が中心となります。
財務・会計
財務に関しては「ファイナンス」、会計に関しては「アカウンティング」と呼ばれます。
経営者にとって必要不可欠である、資金の管理や経営状態の分析といった能力に関する問題が出題されます。
財務諸表やキャッシュフロー等の問題が必ず出るため、日商簿記試験に合格している人は勉強の際に比較的有利となります。
企業経営理論
「企業戦略論」「組織論」「マーケティング論」の3分野に分かれます。従業員のマネジメントから商材の販売方法まで、企業経営の現場で必ず求められる理論を問われます。
具体例が示され、その正誤を問う問題や適用方法を問う問題が目立ちます。
運営管理(オペレーション・マネジメント)
「生産管理」と「店舗・販売管理」と2分野に分かれます。
商材が生産される流れや商品の仕入れの流れといった、工場における製造や小売店における販売を実際にする際に必要となる情報の理解を問う問題が中心です。
経営法務
膨大な法令・行政制度の中から、企業経営において頻出する分野が出題の対象です。
知的財産権と会社法で大部分を占めています。条文や判例まで踏み込んだ出題はまずありませんが、その代わり具体的なアドバイスができる水準まで理解する必要があります。
経営情報システム
情報通信に関する基本的な知識が広く問われます。ただし知識を丸暗記した程度の理解では不充分で、企業の経営に応用し、問題解決を目指せる程度の理解が必須となります。
中小企業経営・中小企業政策
まず、大企業と異なる、中小企業の実態や特質に対しての理解が問われます。
次に、中小企業を対象とした国の政策や支援事業に対する理解と、それらの活用についての認識が問われます。
中小企業白書からの出題が多い点が特徴です。
2次試験の概要
中小企業診断士の2次試験は、毎年以下の要領で実施されています。
ただし、変更される可能性があり、実際に平成30年度の本試験の試験時間は変更されました。
出願期間 | 8月下旬~9月中旬 |
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筆記試験の試験日程(時間割)
筆記試験の試験日 | 10月下旬 |
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筆記試験の合格発表日 | 12月上旬 |
筆記試験の合格基準 | 以下の2点を両方満たす必要があります。 ・全科目の総合得点が、全科目の満点の6割以上 ・各科目の得点が4割以上 |
口述試験の試験日程(時間割)
口述試験の試験日 | 12月下旬 |
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口述試験の合格発表日 | 1月上旬 |
口述試験の合格/不合格の基準 | 6割以上 |
試験科目 | 時間割 | 試験時間 |
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中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅰ(組織・人事) | 9:40 ~ 11:00 | 80分 |
中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅱ(マーケティング・流通) | 11:40 ~ 13:00 | 80分 |
中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅲ(生産・技術) | 14:00 ~ 15:20 | 80分 |
中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅳ(財務・会計) | 16:00 ~ 17:20 | 80分 |
試験科目 | 時間割 | 試験時間 |
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筆記試験科目から抜粋・指定 | 受験者ごとに指定 | 10分前後 |
2次試験の試験科目
筆記試験の全4科目の試験内容は、以下をご覧ください。
中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅰ(組織・人事)
組織の改革・再編成から人事政策まで、組織管理にかかわる範囲が出題されます。
たとえば、生産性を改善するために、どのような課題があるのか、それを解決するにはどうすべきなのかといった、提案の内容を問われます。
中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅱ(マーケティング・流通)
小売業やサービス業を背景に、経営上の戦略をどう分析し、どう提案するのかを問われます。
1次試験の科目の中では「企業経営理論」・「運営管理」と重複する部分が多く、その内容をどう活用するかが攻略する上でのポイントです。
問題文が長文化する傾向があり、細かく設定されたデータが含まれることも多いです。このため、問題の趣旨を素早く捉えて分析する能力も求められます。
中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅲ(生産・技術)
生産性や技術力の向上・改善に関する問題が出題されます。
与えられた事例において、どのような課題があるのか的確に発見し、どのような解決策が考えられるのか解答できなければなりません。
中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅳ(財務・会計)
1次試験の科目の「財務・会計」と同様に、近年では財務諸表等やキャッシュフロー等が提示されることが多くなっています。
企業の財政を的確に診断し、その上で資金の調達や運用について改善を提案する能力が求められます。
2次試験の口述試験科目
口述試験では、筆記試験の4科目の中から1~2科目について出題されます。 試験官と直接のやり取りになるため、資料等をいっさい見ずに口頭で解答する必要があります。
中小企業の経営陣に、的確なプレゼンテーションができる人材であることの確認が、口述試験の主な目的です。
受験資格
中小企業診断士には、受験資格が設けられていません。 資格の試験といえば、受験資格はつきもの。「学校教育法による○○学校を卒業した者」、「~~業務に関し△年以上の実務経験を有する者」などの受験資格が指定されていることは、珍しいことではありません。
しかし中小企業診断士にはそのような制限はなく、年齢・国籍による制限、学歴や職歴、保有資格による制限もありません。どなたでも申し込むことができます。
受験料
1次試験 | 14,500円 |
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2次試験 | 17,800円 |
試験会場
1次試験 | 全国8地区(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡・那覇) |
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2次試験 | 全国7地区(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡) ※筆記・口述とも同様です。 |
科目合格制度・免除制度
科目合格制度
中小企業診断士の1次試験には科目合格制度があります。
2007年度(平成19年)から、1次試験の7科目すべてに科目合格制度が導入されました。これは、1科目ごとに合格・不合格が決まる制度です。
1次試験の全ての科目に合格できず、翌年再受験する際、前年に合格できた科目は受験する必要がありません。この科目合格制度は3年間有効です。
つまり、科目合格した科目については、受験者の申請により翌年度と翌々年度に限り試験が免除されます。
なお、科目免除を希望する場合は、必ず免除申請を行う必要があります。
科目免除制度
該当する資格をお持ちの方は、試験科目の一部が受験者の申請により免除されます。
科目免除を申請する場合は、受付期間内に「科目免除申請書」「他資格等保有を証明する書類」を提出する必要があります。