中小企業診断士とは?

中小企業診断士とは?

目次

活動の幅が広がる!中小企業診断士とは

経営コンサルタントの技能を証明する唯一の国家資格

企業の経営状態を分析して、売り上げをアップするための解決策を助言・提案する「経営コンサルタント」。中小企業診断士は、その経営コンサルタントの技能を証明する唯一の国家資格です。

日本は昔から、中小企業の割合が非常に高い国です。2014年度の総務省の調査では、国内に数ある企業のうち、約99.7%が中小企業であることが明らかにされました。その数は、実に380万社を超えています。

中小企業診断士は、それら数多くの中小企業の経営コンサルタントとして、さまざまな場面で出番のある職業です。一流の中小企業診断士ともなれば、業界の枠を超え、あらゆるクライアント企業に対して、経営に関するヒントやアドバイスを示しています。

このように需要の多い仕事であるにもかかわらず、経営コンサルティングのスキルを証明する国家資格は、現在の日本ではこの中小企業診断士ひとつしかありません。経営分野の資格として、世界的な権威である「MBA」と並び称されることもあります。

※中小企業庁 2017年版「中小企業白書」より

ビジネスで使える知識を総合的に修得できます

中小企業診断士の資格を取得するためには、経営学やマーケティングのほか、財務・会計、経済全般、さらには企業経営にかかわる法律まで、広範囲の勉強をする必要があります。楽に合格できる資格ではありませんが、その分、手に入る知識は豊富です。

また、学んだ知識すべてを直接、仕事に応用できるのもポイントです。一流大学や大学院の経営学部門、そして企業の現場で何年もかけて学ぶ知識を、総合的に修得できるチャンスでもあります。

さらに知識だけではなく、物事の論理的な解決方法も身に付けることができます。

中小企業診断士の主な仕事

経営分析から法務、ITまで幅広い

企業に所属し、中小企業診断士として働くこともできます。その場合、しばしば「企業内診断士」と呼ばれます。

企業内診断士は、経営診断や経営戦略といったポジションで活躍する事例が多いですが、それだけではありません。
財務や法務にかかわることもあり、情報処理関係の知識も学習する必要があるため、IT設備の導入やセキュリティ強化といった分野で、所属企業から活躍が期待される場面もあります。

企業の顧問コンサルタントから講演や執筆まで

企業の一社員という立場から脱却して、独立して活躍している中小企業診断士もいます。
プロのコンサルタントとして、経営コンサルティング、講演活動、執筆活動など、活躍の幅はとても広いです。
中小企業診断士として一流のコンサルタントに成長すれば、様々な企業のコンサルティング業務を請け負うことができます。

中小企業診断士になるには

中小企業診断士になるためには、はじめに、一般社団法人 中小企業診断協会(http://www.j-smeca.jp/)が主催する「中小企業診断士試験」の1次試験に合格する必要があります。

1次試験の合格者は、次のいずれかの方法を選ぶことになります。

  • 2次試験合格後に実務補習を受講
  • 2次試験合格後に診断実務に従事
  • 指定された機関による養成課程を受ける

以上のいずれかの過程を経たのちに、中小企業診断士として登録することができます。

2次試験合格後に実務補習を受講

もっとも一般的な方法です。
現職の中小企業診断士は、大半が2次試験に合格し、実務補習を受講しています。
実務補習とは、中小企業診断士試験の主催団体でもある中小企業診断協会が実施している15日間の講習です。6名以内の受講者を1グループとし、実際の企業の経営を診断したり、アドバイスを行ったりします。

2次試験合格後に診断実務に従事

2次試験の合格後、実務補習のかわりに「診断実務」を体験します。
診断実務とは、実際に中小企業診断士が行っている企業経営に関するアドバイスなどを、業務として行うことです。診断実務は、中小企業診断士の更新登録時にも必要となります。
初めて診断士として登録する場合に、この診断実務を15日間以上体験するのは、特別なコネクションなどがない限り、難しいでしょう。

指定された機関による養成課程を受ける

この方法は、3次試験を受験するかわりに、指定された機関(一部の大学院やビジネススクールなど)で行われている養成課程を受講するというものです。
この養成課程は6ヶ月~1年という期間を選択される方が多く、150万円以上の受講料がかかります。

中小企業診断士のメリットと人気の理由

中小企業診断士のメリット

中小企業診断士は、さまざまな働き方ができる資格です。
その働き方を大きく2つに分けると、企業の中で経営に深く携わる「企業内診断士」と、独立開業して生計を立てる「独立系診断士」があります。

企業内診断士の場合、資格取得のための学習内容は、ビジネス全般に及ぶものとなっています。
そのスキルを企業内で活かすことで、仕事を成功へと導くことができます。
現在勤務している会社での昇給や昇進が狙えるだけでなく、就職や転職のときには力強い武器にもなります。

一方、独立系診断士の場合、経営コンサルタントとして専門分野(自分の強み)を持つことで、さらなる活躍が期待できます。
また経営コンサルティングだけでなく、講演活動や執筆活動など、その活用の仕方は多様です。

中小企業診断士が人気の理由

日本経済新聞の記事によると、ビジネスパーソンを対象にした「新たに取得したい資格」の調査で、中小企業診断士が第1位になりました。

他の人気資格を抑え、中小企業診断士がトップに輝いた理由として、記事では「経営全般に関わる知識を習得できるため(中略)将来のポストに不安を抱く会社員らが、昇格や独立への備えとして取得するケースが増えている」と分析しています。

広範囲にわたる知識が身に付くため、活用できる機会が多いことも魅力です。
勤務中の方、就職や転職を考えている方、独立を目指す方など、いろいろな状況において役立つことは「資格取得のメリット」で述べた通りです。

さらに、他の資格と組み合わせることにより、業務の幅がいっそう広がります。
例えば社会保険労務士との組み合わせで、社会保険労務士は試験内容からは経営全般を見渡すことが難しいといえます。
一方、中小企業診断士は、人事労務の知識が求められることが多いため、両者はお互いの弱点を補完しあう相性のよい組み合わせといえます。

このようにさまざまな理由から、中小企業診断士は人気が高い資格なのです。

まとめ

中小企業診断士になるには難易度の高い資格試験に合格しなくてはなりません。自宅学習が苦手な人は、効率的な資格取得講座を選んで試験勉強を計画的に行いましょう。

また、独学・通信教育・通学には合う・合わないがあります。それぞれのメリットやデメリットを加味しつつ、自分自身に合ったやり方で学習を進めていきましょう。